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事業をコモディティ化させない方法

[要旨]

自社の事業をコモディティ化させないようにするためには、マーケター、イノベーター、リーダー、インベスターなどの機能を発揮することが求められています。このような機能からの改善アプローチを実践している会社はあまり多くないので、これらを実践できる能力を身に付けた経営者が経営する会社の競争力は高まります。


[本文]

前回、経営コンサルタントの瀧本哲史さんのご著書、「僕は君たちに武器を配りたい」の内容から、自社商品がコモディティ化すると、競争力が低くなるということをご紹介しました。それでは、自社商品(サービス)がコモディティ化しないようにするにはどうすればよいのかということについてですが、瀧本さんは、漁師を例に、6つのタイプを挙げています。

(1)とれた魚をほかの場所に運んで売ることができる漁師(トレーダー)、(2)ひとりでたくさんの魚をとるスキルを持っている漁師(エキスパート)、(3)高く売れる魚を作り出すことができた漁師(マーケター)、(4)魚をとる新たな仕組みを作り出す漁師(イノベーター)、(5)多くの漁師を配下に持つ漁師集団のリーダー(リーダー)、(6)魚をとるための漁船と網を保有している投資家的な漁師(インベスター)

ただし、瀧本さんは、トレーダーとエキスパートは、今後、生き残りが難しくなると指摘しています。なぜなら、トレーダーについては、最近は、インターネットによって、生産者と需要家が直接商取引を行えるようになってきたので、必要とされなくなってきているからだそうです。また、エキスパートについては、時代の変化の速度が速くなってきているので、エキスパートの持つスキルの優位性が、短期間で失われるからだそうです。ということは、これからは、マーケター、イノベーター、リーダー、インベスターの機能を発揮できる会社や経営者が生き残れるということになります。

これらの瀧本さんの考え方の詳細については、割愛しますが、いずれにしても、ビジネスで生き残るかどうかは、どういった事業をするかではなく、どのように事業に臨むかで決まるということは確かだと思います。私も事業改善のお手伝いをするときは、どのようにビジネスに臨むかという面からの改善のアプローチをしています。なぜなら、ビジネスにどう臨むかということについて考えている経営者の方は、実態としては、あまり多くないからです。でも、これを言い換えれば、ビジネスにどう臨むべきかを考え、それを実践することができれば、ライバルとの競争に優位に展開できるということでもあります。

2021/10/12 No.1763

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