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第594回 問題解決手法の歴史から見えてくるもの

六角 明雄
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この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。

今回も、中小企業診断士の神谷俊彦先生にお越しいただき、神谷先生の新刊、「すぐに役立つ!問題解決手法の基本と活用法」に関し、問題解決経手法の歴史についてお尋ねしました。

神谷先生は、「すぐに役立つ!問題解決手法の基本と活用法」を執筆するにあたって、現在、使われている多くの問題解決手法を俯瞰して理解してもらうために、それぞれ、いつ提唱されたのか、どういう順番で開発されたのかを整理してまとめ、同書の第5章「問題解決手法の歴史から見えてくるもの」として執筆したそうです。

例えば、SWOT分析の歴史は意外と古く、1950年~1970年から使われているそうです。

この、開始時期に20年の幅があるのは、現在使われているようなSWOT分析になるまでに、20年程度の期間をかけて改良されていったからだそうです。

その結果、SWOT分析は、PEST分析、ファイブフォース分析、バリューチェーン分析、VRIO分析などの環境分析を統合する分析手法になっているそうです。

また、神谷先生は、第5章で、経営哲学についても整理することを試みているそうです。

そのひとつは、京セラ創業者の稲盛和夫氏の経営哲学であり、それをベースにしている、野中郁次郎氏の提唱した知識経営が、最近は注目されてきているそうです。

ちなみに、知識経営は野中氏が米国で提唱して世界に広まりましたが、日本をルーツとする経営思想は少なくないそうです。

例えば、TQC(総合品質管理)の発展に功績のあった会社に与えられるデミング賞は、米国人で、品質管理の専門家のデミングが、日本の会社に品質管理を指導したことがきかけでつくられた賞ですが、デミングの品質管理は、当初は、米国ではあまり評価されておらず、日本で品質管理の重要性が評価されてから、米国でも評価されるようになったそうです。

このように、日本の活動がきっかけとなって広まった問題解決手法は珍しくないということです。

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