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[要旨]

会社は経営環境の変化に対応して事業も変えていかなければならないものの、事業活動を変えるためには相当の労力が必要なので、変化に対応するというふりだけをする、「なんちゃって病」にかかることがあるが、そのような状態になることを避けるためにも、中長期計画を策定し、それに基づいて、確実に経営環境に合わせた事業の変革を進めていくことが求められます。


[本文]

プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役の秋山進さんが、ダイヤモンドオンラインに、「なんちゃって病」について寄稿しておられました。要旨は、老舗の大企業が、流行している新しい事業改善手法を取り入れようとすることがあるが、実際には、そのようなそぶりをしているだけで、本腰をいれて経営資源を投入しようとしないことがある。秋山さんは、これを「なんちゃって病」と呼んでいるが、そのようなことが起きる原因は、(1)経営陣に変革のイメージがわいていない、(2)変革のために投資できる十分な資金がない、(3)日本では、まだ、変革の成功事例が少ない、の3点を挙げています。

私も、これまでたくさんの会社の事業改善のお手伝いをしてきて、「変革はしなければならないことはわかっているけれど、そのための活動に、なかなか時間を割くことができない」とか、「社長が事業を改革をすると、声をあげてはいるものの、社長の本気度がわからない」というような意見を耳にする場面に遭ってきました。このような状態になっている会社に対し、「失敗が怖くて二の足を踏んでいる」と言えば、そのように言えなくもありません。

でも、部外者からはそう見えても、当事者とすれば、会社を本当に変革するためには、相当の決意が必要であり、なかなか決断できないということもわからなくもありません。というのも、現状を変えるためには、相当な労力や資金を要するからです。その一方で、経営環境の変化に合わせて、会社も変わらなければならないということも事実です。ですから、そのような前提のもと、会社が現状に合わせて変化できるようにするためには、私は、ローリングプランを策定しておくことがよいと思っています。

ただ、いきなりローリングプランを策定することも難しい場合は、中長期計画を策定し、その中に事業改善のための活動も組み込んでおきながら、変革のための毎年の負担を少なくすることで、着実に環境変化に対応していくということが望ましいでしょう。そして、経営者の方が、最も避けなければならないことは、経営環境の変化に対し、場当たり的な対応だけに留まり、会社が、「なんちゃって病」に侵されてしまうことです。こういった面からも、中長期計画は大切であると、私は考えています。

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