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【CDレビュー】H.e.a.t/Force Majuere

 10年ぶりぐらいにCD予約して購入した気がする。それぐらい楽しみだった。

 H.e.a.tは2007年にデビューしたスウェーデンのメロディアスハードロックバンドで、売れないジャンルの中では成功しているのではないかと思う。

7作目となる今作だが、初代ボーカリストのKenny Leckremoが2作目以来の復帰を果たしている。
 2代目ボーカリストのEric Grönwallはイケメンかつ年齢で僕の1つ上ということもあり同世代の活躍を応援していたが、Kennyはまあ普通のぽっちゃりメタルおじさんだった。(ライナーノーツでも指摘されていたが、Kennyは本作でマッチョボディに生まれ変わっていた。)
 しかし、歌声としてはEricが超ハイトーンである一方、Kennyはミドルが効いているので1st,2ndアルバムは大人向けなロックを展開していた。曲としてもKenny時代のほうが、「Keep On Dreaming」「1000 miles」などキャッチーで覚えやすかった。
 Eric時代も「Living On The Run」などキャッチーだったが、途中でツインギターでなくなったこともあり、徐々にメロディアス路線からモダンなロックになっていた印象だ。

 本作「Force Majuere」だが、1曲目「Back To The Rhythm」は新体制の始まりとしてふさわしい、ミドルテンポながら重厚でメロディアスなロックが展開される。
 サビは"Back To The Rhythm~"という歌詞が連呼される感じなのだが、そのあとにKennyの伸びのある歌声が響いて最高に気持ちがいい。ギターソロもDave Daloneが洗練されたキャッチーなソロを弾くので耳に残る。


 2曲目「Nationwide」や4曲目「Hollywood」も先行ナンバーだがまさに歌モノのハードロックというキャッチーなリフと歌声。
 7曲目「One Of Us」はKenny久々のバラードでJourneyのような王道メロディ。
 8曲目「Hold Your Fire」はリズミカルなリフでサビもコーラスが美しい。ソロもツインギターの要素があってEuropeのダンスナンバーのような雰囲気。
 10曲目「Demon Eyes」は珍しくリフをザクザク刻む疾走感のあるナンバー。

 少しネガティブなことをコメントすると、先行リリースされた「Back To The Rhythm」が最高なのでそれ以上の曲も期待してしまったが、個人的にはそれを超えなかったのは残念。
あと「H.e.a.tⅡ」収録「Rise」のKennyバージョンがYoutubeにアップロードされているが、これも入れてほしかった。
 その2点は残念ではあったが、それでもKennyが入っての新譜がたくさん聞けたことは良かったし、全体的にまとまっていて良作となっている。

 彼らのライブは4thアルバムの来日公演に行った以来行けてない。(「H.e.a.tⅡ」の来日公演もコロナでなくなってしまった。)そろそろ色々なバンドの来日公演も決まっているので、ある程度コロナ禍が収束して来日公演に行ける日が待ち遠しい。


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