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Bariloche 旅を彩る食

こんにちは、いとさんです。

旅から美味しいものを取っ払ってしまえば、その満足度は半減してしまいます。私はどちらかと言えば、細かい旅程を立てない方で、行き当たりばったりで出会った誰もが知っている名産のものを、まるで自分が初めて発見したような気持ちで楽しむのが好きです。しかし今回は食べたいものは一応リストアップしました。アルゼンチンでは日本のようにうまく事が運ばず、困惑する事が多かった為です。備えあれば憂いなし。

しかし行きたいお店まで決めてしまうと、私の性格はそこへ行く目的だけに集中してしまい、取り囲んでいる景色や行き交う人達の雰囲気など、旅にとって大事なことを見落としてしまうので御法度です。

最初の夜はCorderoを食しました。ラム肉のことです。厨房で丸ごと一匹炭火焼されている様子が見られました。じっくりと時間をかけて焼き上げられたその身は、ナイフを必要としないほど柔らかく、するっと骨から離れてしまいます。全く臭みもなくてクセもありません。以前大阪の街に繰り出し、変わったものを食べようとラム肉専門店に行ってラムタンを頂いたのですけれど、もはや牧草を食べているが如く、口の中いっぱいに草の匂いが広がった経験をしたことをふと思い出しました。

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ラム肉はバリローチェの名産ですから、いろんなレストランで楽しめます。他のレストランでも頂きましたけれど、初めの夜に訪れた専門店が一番美味しかったです。

次に制覇したのはtrucha(マス)です。バリローチェで頂いたマスは大きくてボリュームがありました。肉厚の身を贅沢に口いっぱい頬張って噛み締めると程よい脂を感じます。魚介料理に飢えていた私の舌を十分に満足させてくれました。お店のサービスはとても行き届いており、食後には「自家製の果実酒を試してみませんか?」と3種類のお酒を振る舞ってくれました。手作り感が漂うボトルから少しずつショットグラスに頂きましたが、どれも恐らくウォッカを使っており、私には少し強かったです。

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アルゼンチン人の友達にバリローチェへ行くと言うと、じゃあチョコレート買ってきてね!と言われました。チョコレートも有名のようです。中心街には沢山のお土産屋さんがあり、全国展開しているチョコレート店chocolateríaも店を構えています。両手いっぱいにチョコレートの袋を抱えた観光客を大勢見ました。恐らく彼らは他の国からやってきたのでしょう。時々通訳を従えて商品を吟味している方もいました。

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ここでしか買えないものを少し買って帰ろうと思い、mamuschka“マムシュカ”に立ち寄りました。お店のキャラクターを見る限り、マトリョーシカのことらしいです。有名店は大きな店舗で存在感を示しており、大勢の買い物客で賑わっていましたが、mamuschkaは特別人だかりができていました。360°のショーケースに並んだ物凄い数のチョコレートの中から好みのものを見つけて注文するのですけれど、数が多すぎて選び切れません。より好みのものを見つけようとかじりついて眺めていても、人並みに飲まれてショーケースから遠ざかってしまいます。私の注文を取っていたカウンター内のお姉さんも見失ってしまい、どうしたものかと思っていましたら、「Algo más?(他には?)」と向こうから私を見つけてくれました。

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自分用のチョコレートを選ぶのにくたびれてしまい、お土産のチョコレートは詰め合わせのものをいくつか選んでさっさと退散しました。創作性を感じる見てくれではありませんでしたけれど、皆喜んで受け取ってくれたので良かったです。

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Rosa mosqueta(ローズヒップ)も有名だと聞いていましたので、ジャムとお茶を買いました。日本でよく見るローズヒップティーは、ハイビスカスがブレンドされているものが多いので酸味を感じますけれど、私が買ったものは何も配合されていなかったので、今ひとつその味わいを楽しむ事ができず、結局レモンスライスを入れて飲んでいます。

バリローチェから帰ってきて暫くは、持ち帰ったお土産の数々のおかげで旅の余韻に浸ることが来ましたけれど、どんな旅の後にも感じる寂しさをやっぱり今回も感じました。

いとさん

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