見出し画像

受入れられない国力低下|迷想日誌

内閣府がさきごろ発表した令和元年9月の景気動向指数の速報値によりますと、基調判断は2カ月連続で景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」となりました。

雇用情勢も改善のピークを過ぎ、下降局面に入っているようです。
経済規模拡大の目標を達成しないまま、再びデフレ経済に突入すると、日本の将来は真っ暗です。このまま座して時間が過ぎていくと、日本はあらゆる面で世界的地位の低下に見舞われるでしょう。

一般職業紹介状況では、最新9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.57倍で、前月を0.02ポイント下回りました。有効求人数は前月比0.8%減に、新規求人数は前月比3.6%減となりました。総務省の9月の完全失業率は2.4%で、こちらも上昇しています。

有効求人倍率の推移により改善のピークをみますと、昨年9月から今年4月まで1.63倍を維持していました。その後、7月に1.59倍、そして9月に1.57倍となり、低下傾向にあります。

安倍政権の頼みの綱となっている雇用情勢がこのまま下降していくようなことになれば大変です。
再びデフレ経済に入ってしまえば、政権への支持が失われるばかりではありません。日本の国力低下は間違いないといえます。

いま以上の国力の弱体化は受け入れられません。
乗り遅れてしまった第4次産業革命の舞台に這い上がっていくためにも、十分な国力が必要です。
そもそも、第4次産業革命に乗り遅れた最大の要因は、日本だけが経験した数十年にわたるデフレスパイラルです。このままだと途上国水準に落ち込んでしまいかねません。

今後、日本が採るべき政策は、金融緩和と積極的な財政出動以外に方法はありません。
ハイパーインフレを恐れる向きもありますが、長年にわたってインフレ目標を達成できない日本がそれを恐れる必要はないでしょう。

イギリスの民間企業の調べでは、日本は外国人が働きたい国ランキング32位、国際競争力ランキング30位だそうです。「貧しいアジア諸国の憧れ日本」という構図は過去のものになったとしています。

このまま次世代へ引き継ぐことはできません。

労働新聞編集長 箱田 尊文

【関連ニュース】

――――――――――――――――――――

〈労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内〉
労働にまつわる最新の情報など、充実したコンテンツを配信中の『労働新聞・安全スタッフ電子版』は、下記よりご覧ください。

――――――――――――――――――――

Copyright(C),2019(株)労働新聞社 許可なく転載することを禁じます

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?