お手紙 物語#2
xx年、冬でも雪の降らないロシアでは戦争が起きていた。これはその中を生きる者たちの話。
私には想いを寄せているがいる。普通のサラリーマンのまだ若い男性だ。
己の中に固い意志を持っており、誰にでも平等に接してくれる紳士な人柄に私は惹かれた。
同じ会社で働いており、今は仲が良くなってきていると思う。
6月xx日
ここ最近ロシアとヨーロッパ諸国は軽い戦争をしている。つばぜり合いみたいな感じになっており、一触触発の状態だ。
多分ここから大事になることはないでしょ!
9月x日
ニュースでよく戦争の話が上がってくるようになった。なんでも大事になりそうだとか。
ロシア政府は早めに兵士募集をかけた。
そんなのに応募する人なんているのかしら…
9月1x日
今日の朝、いつもは読まない新聞を何の気なしに読んでみた。
そこには兵士募集の内容と、彼の写真が載っていた。
つまり彼は兵士募集に応募したということだ。
その時、頭の中に最悪な事態が頭をよぎったが、
そんなことは起きないと思い、別の事を考えだした。
9月2x日
私は毎週手紙を出すようにした。
なんでもいいからとにかくつながりが欲しかった。
自分の近況やどうでも良いことを書いたりしてた。それで彼の気が少しでも紛れたらいいなと
思って。
お返事もすぐ帰ってきた。
友人とは思えないほど、お硬い文章でね…
でもまぁ訓練がキツすぎるとかみんなに会いたいとか色々書いてあるなぁ。
11月x日
最近彼からの返事が遅い。
前は手紙を出した数日後に返ってきてたのだが、
週をまたぐ事も珍しくない。そんだけ忙しいのかなぁ…
12月24日
彼からのお返事がパタリと止んだ…
それと同時に新聞で
「事前募集していた兵士たち、前線へ」
というデカデカと書かれいたのを見た。
再び最悪の事態が頭をよぎったからもみ消そうとしたが、それは消えなかった。
12月25日
今日はクリスマス。
私には1つ、プレゼントが届いた。
手紙だった。内容は…彼の遺書だった。
軍から届いたらしい。新聞には
「事前募集の兵士、全滅か」
などと書かれていた。
xx月xx日
ロシア戦域には今日も白い粉が降りかかる。
それは炎のように熱く、雪のように冷たい、人間の手によるものだった。
あとがき
結局最後まで書ききっちゃいましたw
正直戦争の事を中に入れるか迷ったけど、思い切って入れてみました。
あと結末ももうちょっと別パターンも考えてたんだけど、こっちのほうがいいかなぁと思ってこうしました。
あ〜あとこれを男性目線か女性目線で書くかも迷ったなぁ…