見出し画像

ルート2(不要不急の道)

 改札へ向かう道は2つ。ルート1とルート2だ。ルート1は人が多く、ルート2は極端に少ない。
 ルート1は気の抜けない道だ。一定のペースで歩かなければ、踵を踏まれてしまうかもしれない。進む人も、向かってくる人も、同じように多い。コース取りを誤れば、肩がぶつかってしまうかもしれない。
 ルート1は早い(近い)。わかりやすい。みんなが行く王道だ。リスクがないわけではないが、流れに乗ってしまえば問題ない。人の後をついて行けばいいのだ。ルート1を歩く人は、みんなそれを理解している。
 ルート2など、そもそも候補にならないのだ。
 いつものようにルート1に足を踏み入れたところで、私は思い直した。

(道が呼んでいる)

 本当に、ルート2は選ぶに値しないのか……。
 特に急ぐこともなかった朝、ルート2の中を歩いてみた。
 ルート1に比べて広い。暗い。(幻想的)人がいない。(空き地みたい)(独りになれる)遠い。遠回り。(短い階段、またはエスカレーターあり)(アトラクション感!)
 ルート2を選ぶ時、その理由はすべてルート1の裏返しだ!
 そこは詩情、冒険、遊びの詰まった「不急の道」だった。

 私は時々、ルート2を歩くようになっていった。
 空き地の果て、前を行く男が突然ターンして戻ってくる。
 ルート2は難しい。だから、迷える道でもある。


#アトラクション #ルート1 #ルート2 #ルート33

#note #迷子 #ターン #エッセイ #多様性

#日記 #不要不急 #ロード

#道

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?