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【日本ワインテイスティング情報 “小布施ワイナリー ソーヴィニヨン・ブラン 2013”】

2015/1/9

初夏の風に揺られる緑のブドウ畑

白いお花の優しい香りの香水

グラスに注いで香りから一番初めに思い浮かんだ情景が、なぜかこれでした。

小布施ワイナリー
″ソッガ ソーヴィニヨン・ブラン 2013
Domaine Aquiou″

初めはおとなしいのに、口に運んでグラスが少し揺れる度に、溢れでようとするその香り。

柑橘でも、よく熟しているかのようなグレープフルーツの香り。


ミネラルもあるけど、磯っぽさというより、きれいな外国の海も思い浮かぶ。


NZのような強いハーブ香りでなく、白いお花に囲まれているような穏やかなハーブ。

舌先に触れるとミネラルときれいに伸びる酸味が、すーっと一筋、美しい。と、言いたくなる。


舌の真ん中で柔らかな果実が現れたかと思えば、先程の酸が追いかけてきて、みずみずしさとそれらが口中に溢れる。
グレープフルーツをかじったかのよう。
ほんのり、ピリッと、刺激も。

余韻が長い。と、簡単に言いたくない。
飲み込んでから一瞬いなくなったかと思えば、じわりじわりと、口に含んだときの味わいが訴えかけるように蘇ってくる。だから、″残る″のではなく、″蘇ってくる″と、言いたい。


鼻から抜けていく香りで、初めの情景も思い起こされるところがすごい。

こんなきれいな香水や柑橘の香り、美しい酸の味わいは驚きです。


喉元を通りすぎて寂しくなる前に、それらを蘇らせてくれる静かな強さ。記憶で浸る余韻でなく、蘇る味わいの余韻。

そのままこれだけに向き合いたい。これはたぶん、一人でじっくり飲みたいワイン。

久々にこんなに美しく、人の心を惹き付け、心地よく、静かな感動で満たしてくれるワイン。
多くの言葉で肉付けして表現するのでなく、感じたままを伝えたくなってしまいました……

簡単にすぐ手が出せるワインではないけれど、でも、こんな思いにさせてくれるものを口にすることがきっと気持ちを豊かにしてくれるのだろう。と思います。

だったら人生色々、ワインも色々経験してからもう一度このワインに出会いたい。


その時は一体、どんな風に味わうんだろう。


それくらい、熱く語ってしまうワインでした。

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