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今日できることを1歩進める。ブランディングという旅のプロセス

小さな会社のブランディングの流れ。小さな会社に限らず、ブランディングの基本的な流れは、大きな会社も同じです。違いは、大きな会社はその規模ゆえに、段取りしなくてはいけないことも多く、かなり綿密に考え、準備して、設計してやっていかないと、途中で方向を変えるなんて事は難しいのです。

小さな会社と大きな会社を、よく船で例えるのですが、大型のタンカーや貨物船とか、船を動かすのも大変ですが、停止するのにも数キロも走ってしまうので、それを見込んで停止の作業をしなくてはいけません。モーターボートのようには簡単には止まれないのです。
そういう意味では、小さな会社はモーターボートのように身動きは簡単です。何か行動を起こしても、影響が小さいので、実験のつもりでやってみて、上手く行かなかったらすぐに修正する。考えるのに時間をかけて、なかなか行動しないより、とにかく実践してみて、どんどん改善していく方が、経験値も高まって身につくわけです。
トム・クルーズの映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」ですね!



ブランディングのプロセス

ブランディングの流れは、基本的に以下のプロセスで行います。

ブランディングのプロセス

まずは、ビジョンを描く、または、あれば確認する。現状分析を先にした方がいいのではないかと言う人もいるかもしれませんね。ここは別れるところかもしれません。
僕は「こんな世界を創るぞ〜!」って意思があって、こんな世界にしたい。こんな会社にしたい。こんなサービスを届けて、多くの人を幸せにしたい!とゴールをイメージしていく方が、思い切った目標やビジョンを定めることができるのでいいと思います。そこから現実を確認して、バックキャスティング=未来逆算で、そこにどう向かうかを考えていく。

一方、現状分析から入ると、例えば、今日は飲みに行くぞ〜と思って、財布を確認したら1,000円しか入ってない。となれば「ふむ、誰か誘っておごってもらおう」と考えるか、諦めるか。スーパーでつまみとお酒で済ませるか。。。現状で何ができるかを考えるなら、未来は現状の延長線上になりそうですが、「よし、現状はわかった!それはわかったけど、自分はこういう未来へ舵を切る!そう決めた!」と、現状を理解しながら、思い切った決断ができるなら、それもいいでしょう。

例えば、事業承継で、先代から後を継いだ、財務を改めて確認したら、なんと負債が5億円も出てきたなんて話を時々聞きます(時々は多いか。。。笑)。。。そういう先代がやらかした現状を理解して、自分はこの会社でこんな夢を持っていた。であれば、それを諦めるのか、前進するのか?
そんな状況もある意味で似ていますね。

いずれにしても、どんな会社にしたいのか?どんな世界を創りたいのか?どんな人生を送りたいのか?それを自由に、思い切って描いて、それをどうやったら実現できるのか?を考えていく方が、夢とロマンがあります。
財布の中身で決めるなんて、みみっちいことでは、大志は実現できません。気持ちだけは、宵越しの金は持たねぇというような大胆な思いで行きたいものです・・・笑

次は、経営コンセプトの策定、ビジョンを実現していくための経営コンセプトを考える。ここで大事なのが、お客さんに喜んでもらうこと、自分たちがそれをすることによって喜びを感じること経営コンセプトの核にすることです。なぜなら、収益はお客さんからもたらされます。お客さんは、あなたの商品やサービスを体験して、喜びや満足を得て代金を支払い口コミをしてくれます。

自分がワクワク情熱を感じること。人が喜んでくれること。社会に貢献できること。地球環境に貢献できること。宇宙に貢献できること。こうしたことが満たされると多くの人に支持されるものになります。

そして、クレドをつくる→具体的な経営方針を考える経営戦略を考えるコンタクトポイントを考える。コンタクトポイントは、顧客接点のことです。また、従業員・社内での思いを一つにして、行動指針とする。さらに、Webサイト、パンフレット、SNSなど、顧客や社員が触れたり、関係するところには、コンタクトポイントがあります。
そして、実践行動し、必要があれば改善する。PDCAを回しながら進化させると言うことです。

ブランディングによって、経営コンセプトを見直すことになるので、情報発信やコミュニケーションのための顧客とのコンタクトポイントとしてのWebサイトは、ブランディング、マーケティングにとても重要な役割を持ちます。
また、今日、リモートワークなど働き方も大きく変わる中で、Webサイトが社員をつなぐコミュニケーションツールとしても大きな役割を持っています。(チャットワークやSlackやDiscord、Notionなども活用されています。)
会社がどんな思いを持って、どんな価値観で経営されているのかを理解し、文化的な価値観の共有という意味でも、Webサイトがインナーブランディングに果たす役割は大きいのです。

以下にあらためて一つひとつ見ていきましょう。


ビジョンを描く

小さな会社の経営者の方は、ビジョンを持っていない人が多いですね。
何となく、こんな感じかなぁとか、こんな風になれたらいいなぁとか、あ〜儲けたい!年収これくらいになりたいとか。。。お金があったらこんな暮らしができるのにって、お金が先の方多いです。

小さな会社はいくつかあって、下請的に仕事が流れてくるのをずっとこなしていて、それで回っている会社やその地域、エリアで商売をやっていて、その商圏から一定のお客さんが得られているなどの場合は、特にビジョンを持ってなくてもやってはいけるかもしれません。それで満足しているならそれはそれでいいのだとと思います。ただ、世の中何が起こるかわかりません。想定外のことが起こった場合に、準備ができていなければ、その時が万事休すです。
これまで、ビジョンを何度か持って、そこに向かったけれど、思うような状態になれず、夢半ばで挫折したり、いろいろな事情が起こって、そこに向かえなかったりと、もうビジョンを描いても無駄のように思えて、諦めてしまった方もいます。
小さな会社でも、大きく成長したいという夢希望、野望を持っている会社は、当然、大きなビジョンを持っています。

ビジョンは、全くの夢物語で、10年、20年後の夢を持つのもいいでしょう。しかし、その場合は、そこに行くためのマイルストーン→旅路をしっかりと描く必要があります。なので、それは何となく、北に行くのか東に行くのかくらいな感じで、その途中にどういうところに寄って、どんな体験をするのかはイメージする必要があるのです。
なので、やっぱり会社的には、いまの大激変の時代は、北に進路を取るとして、5年後くらいにどうなっていたいか、そのためにこの5年間をどう歩むのかを考えていくのがいい感じです。そして、その途中も、臨機応変に舵を切れる状態←スタートアップ界隈ではピボットとも言いますが、調整して行くことも大事です。
ビジョンを考えるのはワクワクします。その昔、僕はビジョンを持たないクラゲのような生き方だったからこそ、なかなかビジョンを描けない人も気持ちがわかります。
ビジョンについては、語ることがいっぱいあるので、ビジョンについてだけのnoteを何回かに分けて書こうと思ってます。


現状分析

これは言うまでもありませんが、現状を知らないことには何も始まりません。また、知るだけでなく、現状を理解して、適切な判断や行動をするための具体的な情報を手に入れる必要があるかもしれません。
それは、数字かもしれないし、言葉かもしれません。写真や図、図面など、ビジュアル的なものかもしれません。現場に行って体験したり、顧客や社員と会って話をする必要もあるでしょう。
何よりも事実を直視し、現実と向き合い、しっかりと見つめてみることが大事です。(←特に個人事業主さん、少人数の会社の場合)


経営コンセプトをつくる

会社経営にとって経営コンセプトほど大事なことはありません。これは個人事業主さんも同じです。
「あなたは、何のために会社やそのビジネスをやっているのですか?」
「あなたは、それをどんな思い、価値観でやっていますか?」
会社を何のためにやっているのか?それは、会社を経営する。そのビジネスをやるエネルギーの源であり、モチベーションの源泉です。
何のためにそれをやるのか?その熱量がどれくらいなのか?情熱がどれほどあるのか?その熱量ですべてが決まります。
熱量が100キロカロリーの人と10万キロカロリーの人では、どれほどの情熱の熱さか言うまでもないですよね。

その事業への飽くなき情熱。わ〜この人のこのビジネスへの思いハンパね〜なぁって人、これまでもたくさん会ったことがあるんじゃないでしょうか?
この情熱のほとばしりはどこから出てくるのか?これはやらされ感や家業だから仕方なくとは全く違う、マグマのように経営者の内側の奥底から、その人の魂の源泉から湧き出るもの。。。そのパッションをまだ感じていないとしたら、あなたは、あなたのその温泉の源泉を掘り当ててないのでしょう。
あなたが心の底からワクワクを感じる情熱が止まらないこと。。。そこに出会ったら、もう止められない。そんな情熱からぜひ事業を行っていただきたいのです。
経営コンセプトは、そんな情熱の源泉からのやらずにはいられない思い強烈な信念からの理念がその軸になります。

理念という言葉は奥深いです。理=ことわり。ことわりとは、宇宙の根本的な揺るぐことのない法則のようなものです。とは、今の心と書きます。つまり、今この瞬間に100%心をフォーカスさせる。
虫眼鏡のレンズの焦点を当てると火が付くようなそれくらい宇宙の法則を集中させる思い(←僕の勝手な解釈です)それくらいの思いが理念にあるかというところです。
そんな理念から始まって、コアバリュー中心的な価値観=どんな価値観を持って経営に臨むのか?パーパス何のためにどんな目的で経営や事業を行うのか?ミッション→あなたには、会社には、どんな使命があるのか?
ミッションは、キリスト教系の意味合いがあるので、本来企業のコンセプトにどうかとも思うのですが、神が、宇宙が生まれ落ちたあなたに、会社に与えた使命、役割、存在意義とはなんなのか?を明確にしてみることです。

あともう一つ、僕は、BHAG(ビーハグと読みます。)を加えてもらいます。
これは、Big Hairy Audacious Goalの頭文字を取ったもので、身の毛のよだつような大胆なゴール(目標)という意味です。
これは、要するにあなたの目標を周りの人が聞いたときに「うぇ〜おいおい、マジか!」「いやいや、それヤバくねぇかぁ」「それって本気で言ってんの?」みたいな。。。「自分でも驚いたわっ!笑」って感じのゴールを描いて欲しいんですね。
ビジョナリーカンパニーZEROという、世界的に成長した企業がどのようにしてそんな企業になったのかを研究した本ですが、めっちゃいい本なのでチョーおすすめです!
このBHAGを考えてもらいます。経営コンセプトについても、あらためて記事を書く予定です。


クレド、経営方針をつくる

クレドはご存じの方も多いかもしれません。リッツカールトンホテルでは、従業員がクレドカードなるものを携帯しています。
会社の信条や行動指針をシンプルに示した言葉を書いたカードで、経営判断や社員が現場で行う判断の指針になるものです。詳しくは、また別の記事で書くつもりですが、クレドカードでググればいっぱい出てきます。
この判断の指針になるもの。これは経営コンセプトも実はそうなのですが、仕事や事業で判断に困ったときに、ここに立ち返るためのものです。この信条をもとに考えたら、どう?って考えた時に、だったらこうしよう。こっちの道に進もうと言うもの。価値観もここで表されるでしょう。

このクレドをもうちょっと具体的に、少し行動マニュアル的に落としたのが、経営方針です。経営方針は、例えば、お客様に対する方針、製品製造に関する方針、商品・サービスに対する方針、働き方に対する方針、人財育成に関する方針などなど、会社によって様々ですが、これはその会社が定めておきたい方針があれば、それをまとめておく感じで、ある意味で、これってどうしたらいいんだっけ?って考えるときに、確認するとか参考にするものです。ただ、小さな会社は社員数も少なく、細かな方針は余り必要ないかもしれません。その代わり、社内でのコミュニケーションをしっかり取って、ノンバーバルなところで、あうんの呼吸でわかるレベルのあればいいですが、そうもいかないと思うので、そのあたりを考えながら方針をまとめるといいですね。こうしようって。


コンタクトポイントを整える

コンタクトポイントとは、顧客との接点のことですが、インナーブランディング←社内に向けたブランディングでは、従業員との接点も意味します。

真実の瞬間」という言葉があるのですが、赤字で苦しんでいたスカンジナビア航空に、1981年に史上最年少の39歳でCEOに就任し、同社をたったの1年で立て直したヤン・カールソンという人物が提唱していたものです。1981年ですから、もう42年も前。ヤンももう81歳のお爺ちゃん・・・
当時、彼が言っていた「真実の瞬間」とは、スカンジナビア航空のサービススタッフが、飛行機を利用する顧客と実際に直接関わる時間は、わずか15秒と言うところに着目し、このスタッフとお客さんが直接向き合っているこの15秒間にフォーカスして、どう顧客満足→今で言うならCX=顧客体験を高められるかをやることによって、評価を高め業績を回復したというものです。

コンタクトポイントを改善したわかりやすい、象徴的な例として、よくお話しするんですが、ご興味ある人はこちらの本も読んでみてください。

ブランディングは、こうしたお客さんが接する部分を洗い出して、それをリスト化し、そこにおける顧客対応の質をいかに向上させるかで、会社やサービス、商品の品質を向上させ、顧客満足顧客体験を高めることで、お客さんにファンになってもらう愛される会社選ばれる会社無くてはならない会社になっていく活動です。

そもそもブランディングとは、会社の付加価値いかに高めていくかというところがその中心的な活動になります。どのような価値を提供するかはその企業の活動なのですが、企業は付加価値からしか利益は生まれないので、その付加価値を高めることで、収益を向上させることができるのです。
だからブランディングはやめられないわけです・・・笑

コンタクトポイントは、こうした従業員と顧客とのコミュニケーションもありますが、商品お客様が触れるもの、使用するものなのでコンタクトポイントがあるし、Webサイトや最近では、SNSやYouTube広告や広報などお客さんが会社や商品と接点を持つ部分はすべてコンタクトポイントと言えるでしょう。
会社の周囲を掃除したり、出退勤時に周辺で笑顔で挨拶したりというのも印象に残ったり、ゴミの出し方までコンタクトポイントと言えるわけです。

また、インナーブランディングでは、会社のコンセプトをいかにいかに社内、社員に浸透させて、社員がその思いをひとつにして、会社の活動を行っていくか、会社の経営コンセプトを体現し、それを文化にまで昇華できるかが、ブランディングとして目指して行きたいところです。

改善を繰り返して、ブランディングを深めていく

あとは、シンプルに言えば、PDCAを回すと言うことです。
改善を繰り返して、よりよくしていく。ブランディングを進めていくと言うよりも「深めていく」と言う言葉を使いたいのです。

小さな会社、大きな会社の説明をよくするのですが、小さな会社は少ないリソースで活動していかなくてはいけません。なので、できることは限られるし、知恵も絞らなければいけません。ないないづくしの中で唯一できることは「今日できることを1歩進める」ことです。

山登りもそうですが、圧倒されるような山も、一歩一歩登っていくことで、結局最後には頂上にたどり着けます。しかし、今日の一歩を登らなかったら、永遠にたどり着くことはできません
潤沢なリソースがあれば、ヘリコプターでひとっ飛びもできるかもしれないけど、いま、小さな会社の山登りは、自力で登ること、登っている内に体力も付いて、技術も磨かれ、リソースも手に入るかもしれない。そうしたプロセスこそが旅であり、自分を成長させ、人生を深めてくれるものになるのです。

ゴールだけが人生じゃない・・・いや、プロセスこそ人生である。
ゴールが人生なら、そこには死しかないからね・・・笑

ぜひ、ブランディングという旅を一緒に楽しんで行きましょう!


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