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ある意味最後でどんでん返し~「追想」

最近、イングリッド・バーグマンがちょっとしたマイブーム。
今回はハリウッド復帰作にして、2回目のアカデミー主演女優賞を受賞した作品、1956年公開の「追想」。

もともと戯曲「アナスタシア」を映画化したもので、「追想」の邦題はどうやら水野春郎氏がつけたものだとか。

バーグマンは、記憶喪失の皇女アナスタシアの演技が認められたのだろう。たしかに自分が何者かがわからずあてどなく彷徨する様や、自分と向き合い懸命に言われた訓練に取り組む姿勢、時にレストランで酩酊ししどけない姿を露にする場面など、様々な姿が見られるという点ではバーグマンびいきにはたまらないだろう。

いっぽうのユル・ブリンナー。「王様と私」のような作品ではその威厳に満ちた表情や佇まいは映えるだろうが、本作はどうだろう。本作は最後の最後で実はラブストーリーだったということがわかるのだが、逆に言えばそれまでそのような浮いた話も全く見受けられなかった。
アナスタシアに惚れていた!?どこで?
といった風である。堅すぎる印象だ。

ユル・ブリンナーの作品、「王様と私」以外には見たことないのだが、ちゃんと恋愛ものをできているのだろうか。
「汚名」のケーリー・グラントの方がマッチしていたように思うのだが。

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