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爽快感には乏しいが~「アルカトラズからの脱出」

昔、三宿交差点の近くにアルカトラズというステーキ屋があって、何度か足を運んだことがあった。内装には檻のような柵や鎖?のようなものが飾られていて、島の監獄の写真も掲げられていた。
おぼろげながらアルカトラズ=監獄というイメージは持っていたのだが、そのオリジナルたる作品がこちらになる。
1979年公開「アルカトラズからの脱出」、ドン・シーゲル&クリント・イーストウッドの作品だ。

いわゆる脱獄モノである。
そんな馬鹿なと思う場面はあるものの、実際にこのアルカトラズ監獄から脱獄を成し遂げた人物をモチーフにしているというから、真実は小説より奇なりである。

有名な脱獄モノといえば、「大脱走」や「ショーシャンクの空に」が思い浮かぶ。ただ、これらの主人公(たち)は法的には無罪だったわけでそこからの脱出も同情を寄せることはできる。
一方、「アルカトラズ」はと言うと、他の監獄から送られてきた札付きの悪人ばかり。犯罪に手を染めざるを得なかった経緯はいろいろあろうが、素直に「がんばれ!」とも言い難く。市民としては迷惑千万な話である。

どうしても重ねてみてしまったのが「ショーシャンク」。
これは周到な準備と細工のおかげで脱獄後は悠々自適の生活を送れていそうに思わせる、爽快感あふれるエンディングであった。
一方の「アルカトラズ」はというと、どうだったのだろう。
果たして極寒の海を渡り切った後でも、無事に生きながらえられたのだろうか。爽快感はみじんも感じられない。

最後に、自分はこれを吹き替え版(テレビ放映なもので)で視聴。
声優はというと、イーストウッドはもちろん、山田康夫。キーマンの一人となる黒人受刑者に、小林清志。そして刑務所の所長が、納谷悟朗。
ルパン三世ではないか!

とっつぁん、よかったね。ルパンを刑務所に入れられて。
結局逃げられちゃったけど。

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