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集中して観よう~「アバウト・タイム」

あの日をやり直すことができたら。
この願望は人類普遍的なものなのだろう。浜の真砂は尽きるとも、タイムリープものの映画は尽きることなく、定期的に作られているようだ。
今回は2013年公開の「アバウト・タイム」。

世の評判は上々のようなので、あえて気になった点をあげてみたい。

その邦題について

いつから、邦題に”~について”とか”~の作り方”のような蛇足がつくようになったのだろうか。それならば思い切って全く異なる邦題をつければいいのに。以前にも書いたが、”Little Women”を”若草物語”と訳した先人の知恵と勇気を見習ったらどうだろう。
タイトルからケチがついてしまったけど、それは作品の内容には関係ないこと。。

タイムリープものとしては・・・

本作の核となるタイムリープ。
これは観る側の問題なのかもしれないが、おおらかな気持ちで鑑賞することがポイントである。心のセマい自分にはちょっと粗が目に付いてしまい、それが気になるあまり、ストーリーに集中できなかった。
過去を変えてしまうというパラドクスには配慮しているものの、変えてしまった未来もまた戻れば無かったことにできる?とか。
本作の言いたいことというのは、
”どんなに楽しい日でも辛い日でもその日一日をかけがえのないものなのだ”
ということだと思うが、それをより強調するための小道具としてタイムリープを取り入れているのだろう。
だから、このような指摘は野暮もいいところ。そうは分かっているのだけれども。

魅力的な俳優陣

メアリー演じるレイチェル・マクアダムス。この2年前にはウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」のイネスというイヤな女の役を演じていたが、本作のメアリーはその真逆のようなとても可愛らしい役柄だった。
また主人公の父親役のビル・ナイもよかった。恥ずかしながら彼のことは本作で知ったのだが、なんとも洒脱で”いい親父”感を醸している。最後まで見終えた時、本作における彼のポジションに理解するという演出もよかった。

最初に見始めた頃と見終えた時と印象がだいぶ変わる映画である。
なんとも優しい気持になるそういう作品だった。

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