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1939年版と1969年版のどちらがお好き?~「チップス先生さようなら」

学園モノというと、日本では金八先生のドラマが思い浮かぶのだが、映画で著名な作品はぱっとは思いつかないものである。「バトルロワイヤル」とか?学園モノではないか。
海外の映画には学園モノの名作がけっこうあり、今回はおそらくその最初期の作品ではないかと思う。1939年公開「チップス先生さようなら」である。

このチップス先生、25歳から83歳までの物語なのだが、一人の俳優が演じている。特殊メイクもそれほどの技術ではなかったはずなのに、言われなければわからないくらいで、もちろんその所作も含めてすばらしい。

カタブツな先生が結婚して機知にとんだ妻のおかげもあって、生徒に慕われるようになっていく。その妻となる女性との出会いから死別まで、そして戦火が激しくなり戦死した教え子の名を読み上げるシーンなどは、素朴な演出ながら胸を打つものがある。
特に登場時間は多くはないものの、妻役であるグリア・ガースンはとても魅力的に映った。

さて、本作は1969年にもリメイク、というか同じ原作小説を基に映画化されている。

こちらはミュージカル映画になっている。
主演は「アラビアのロレンス」でスターとなったピーター・オトゥールと、当時売れっ子歌手だったペトゥラ・クラーク。彼女が出るということでミュージカルになったのだろうか。

ストーリーは端々1939年版と異なっていて、1939年版が学園の話が中心であるのに対し、1969年版は夫婦二人の話が中心となっている。もはや別のストーリーと割り切った方がいいかもしれない。

リメイクものは続けてみると面白い場合もあるのだが、両方好きということにはたいていの場合ならなくて、どちらかは否定的に見てしまうことになるようで。自分は1939年版の方に軍配をあげてしまった。
でも1969年版も十分評価が高いので、食わず嫌いせずどうぞご覧いただければ。

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