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モンローのコメディエンヌぶりがチャーミング~「百万長者と結婚する方法」

なんとも無邪気なタイトルである。でも当時からしてこれは、そうではない方が良い、という流れの前振りでもあったわけであるが。
1953年公開「百万長者と結婚する方法」。原題も”How to Marry a Millionaire”だからそのままである。

3人のモデル仲間の婚カツ物語。誰が主役というわけではないが、最終的にはローレン・バコールがオチとなる。リーダー的な風格を備えているが、当時まだ二十代。そのクールな彼女が、徐々に男性のプッシュにほだされていく様はキュートでもあったが、もう少しツンデレ感があるとよかったように思う。

マリリン・モンローはようやく準主役級に上がってきた頃か。
セックスシンボル的な印象が強いが、演技の勉強にも熱心だった彼女。コメディエンヌぶりが開花してきたのもこの頃かと思う。本作でもとてもチャーミングに演じている。

ベディ・グレイブルは、本作で初めて知った。年齢も他の二人より10歳ばかり上でこの時30代後半。なんといってもその髪型が特徴的なのだが、こういうのが流行っていたのだろうか。

あと彼女らがモデルの役ということで、劇中あるブティックでのちょっとしたファッションショーが描かれているが、その衣装がどれも可愛らしい。本作の見どころの一つでもある。

娯楽作品以外の何物でもない本作。
それでも70年経った今でも見続けられているというのは、思えば不思議なことである。

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