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”金に夢中”で不自由な人間~「続・夕陽のガンマン」

1作目はヒットしても2作目というとそうはうまくいかないもの。
過去多くの2作目の行く末を見れば明らかなのだが、配給会社の営業担当からすれば”二匹目のどじょう”でもあてにしたいと思うものなのか。
それにしても、まったく関係のない作品の続編に仕立てるというのは、なんと大らかすぎる時代だったことか。
1966年公開の「続・夕陽のガンマン」。原題は英語では”The Good, the Bad and the Ugly”で、「善玉、悪玉、卑劣漢」となる。

詳細はたびたび登場いただいている、映画評論家・町山氏に今回もお願いしよう。

あとこの作品ではエンニオ・モリコーネの音楽も、魅力を引き立ててる要素の一つだと思う。最後の金貨が埋まっている墓地にたどり着いたときに流れる音楽が、映像美と相まって心に迫ってくる。

Ecstasy of Gold 金に夢中 とでも言おうか。
その俗物的なタイトルとは裏腹に曲調は雄大であり悲しげでもある。金を得て欲望のままに生きることを夢見る人間であるが、それはそのまま金に縛られ隷属する極めて不自由で矮小な姿でもある。
映画の中でも、この後”卑劣漢”は手に入れた金貨を前に命を落とさんばかりの窮地に立たされる。そこでは金はなんの役にも立たないわけだ。

それにしても「善玉、悪玉、卑劣漢」って、「良い子悪い子普通の子」みたい。あっちもみんな普通の子たちだったし。こっちはみんな悪い子だったということだけど。

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