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”喰わず嫌い”はやめよう?~「マッドマックス 怒りのデスロード」

映画は総合芸術と言われることがある。
ストーリー、映像、音楽、演技、様々な要素が織り成されて一つの作品となるのが映画。観る側としてはただ面白ければいいのだが、その面白さがどの要素から来ているのかを意識しながら鑑賞するのも、深く味わうヒントになるのかもしれない。
今回は2015年公開「マッドマックス 怒りのデスロード」

「マッドマックス」というと1980年代のB級映画のような印象。当時のマンガなどには多大な影響を与えていたのではないだろうか。文明が崩壊した後の世界、無秩序に陥りそうに見えて妙なバランスの上に成り立つ世界。価値観の顛倒した世界。それが本作の舞台である。

この映画の一番の魅力は、そんな”今とは違う世界”をリアルに描き出している点ではないだろうか。
SFやメルヘンならばある程度いまの価値観の延長と考えれば想像しやすいが、価値観がまるで異なる世界となるとなかなか難しいものだ。でたらめな世界ではなくそれがある秩序を保っているとすればなおさらである。
そして何と言ってもその映像。
CGばかりではなく実写・特撮もうまい具合に組み合わせているからこそ、超現実的な質感を描き出すことに成功しているのだと感じた。

とはいえ。
その価値観に観る人間が共感できるかどうかは、また別問題。
自分としては正直、敬遠したくなるもの。でも、アカデミー賞を受賞したからということで、こうして鑑賞してみようという気になったわけで、喰わず嫌いのまま終わらずに済んだのだ。”喰わず嫌い”ではなく、”喰って嫌い”ということだけども。

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