アメリカを体現するイーストウッド~「サンダーボルト」
名前だけは聞いたことあったけど、この作品のことだったかな。それにしても人名だったとは。日本人からすると”轟さん”みたいなものだろうか。
1974年公開「サンダーボルト」
出だしの、神父姿のイーストウッドにびっくり。うん、まったく似合ってない。。
自分は知らなかったのだが、相棒のライトフットを演じるのはジェフ・ブリッジス。のちにアカデミー賞を受賞することになる名優である。彼の人懐っこそうな笑顔がいいのである。
彼ら二人は、サンダーボルトの昔の仲間とともに銀行強盗を試みるのだが、最後の最後で失敗、仲間割れも起こしてライトフットは重傷を負う。
その後、サンダーボルトが隠していたカネを探しに二人で向かい、大金を手にしたのだが、ライトフットはケガのため亡くなってしまう。
なんとも切ない結末である。
大きな仕事を成し遂げて大金を得ることを憧れていたライトフットは、その夢を果たすことと引き換えに自身の命を失う。
サンダーボルトは大金は得たものの、道中心を通わせつつあった年若い友人を失う。
結局彼らは何を得たかったのか。エンディングのサンダーボルトの背中からそう感ぜざるを得ない。
考えてみれば、イーストウッドは西部劇から名を挙げたにも関わらず、こうした愁いを帯びた作風がよく似合う気がする。
アメリカの陽ではなく陰の部分を請け負ってきたそんなキャリアとも言えようか。
新作”クライ・マッチョ”が公開されたがまだ視聴できておらず。
どんな作品か楽しみである。
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