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ビールス・カプセル/シーナ&ザ・ロケッツ Virus Capsule / Sheena And The Rokkets

2回目のバンドの練習中、T野さんは何を思ってか俺に向かって
「俺君はギター弾いてみてよ。僕がベース弾くから」
と自分が持っていたナショナルのギターを俺によこした。
ベースとしてバンドに加入したけど、そもそもギターが弾けるからと言ってバンドに入ったから俺がどんなギター弾くのか知りたかったみたいだ。

T野さん
「曲は何がいい?」

「う~ん、3コードの簡単なやつがいいですね」
T野さん
「じゃ、シナロケのビールス・カプセル知ってる?」

「はい、知ってます(得意です)」
T野さん
「じゃ、それやろう」

俺のイントロで全員入ってくる。
どうやら他のバンドメンバーも知ってるみたいだ。

「ギャギャーギャーギャギャ ギャギャーギャーギャギャ ギャーン」

俺はレコードをコピーしたフレーズに、さらにアドリブを加えて鮎川誠になったつもりで弾きまくり倒した。
曲が終わった俺に向かってT野さんが言った。

「ギターは俺君がやって」

こうしてネオGSを目指して始まったバンドだったが、なんとなく全員の共通項でもあるブリティッシュ・ビート・バンドになっていくのであった。


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