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雇用調整助成金に関するFAQ ~知っておいて損はない【15】のポイント~

「愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである。」

私事ですが、2020年2月に結婚しまして、今は妻とふたり暮らしをしているのですが、それまで異なる環境で育ってきたわけですから、やはり毎日のように細かいところで「文化戦争」が起きています。
私は夜にお味噌汁を飲むのですが、妻は朝派だったり、私は寝る前に必ずテレビの主電源を切るのですが、妻は別段気にしなかったり、私は気にしないのですが、妻は食事の時にランチョンマットと箸置きが必須であったり、私は、妻は、私は、妻は、と言い出したらきりがないくらい、お互いの「常識」がぶつかり合っています。
だからといって毎回ケンカをしているわけではないですが、その原因となるような小競り合いは極力避けたい……。

時には自分の常識を押し通したいこともありますが、その度にグッと耐え、サン=テグジュペリの言葉を想い出します。
そう、お互いに見つめ合っているから、自分と相手の言動に境界線ができ、その差異に「必要以上」に気付いてしまうのだと。であれば、同じ方向を見つめることで、同じ目線を作ることで、相手の言動の意図を汲み取り、常識の由縁を探ることができるはず。
「なんでそうするのか」という理由が分かれば、私もそこまで頑固ではないので(頑固ではないと信じたい)、余計な追及も抑えられます。そのためには小競り合いの一歩手前の「会話」が必要で、やはりニーチェの言っていた「夫婦生活は長い会話である。」という言葉もあながち間違いではないなと思ったりしますが、そのニーチェは確か生涯独身で一生を終えているので、なんとも説得力に欠けてしまう。

見つめ合うのではなく、同じ方向を見つめる。
これが「妥協」になってしまっては生産性がありません。これはひとつの「適応能力」だと私は思うわけです。今ある状況下で最大限の安寧を実現するには、自分の固定概念をある程度崩し、新しい知識要素を取り入れていかないといけない。「本来の私はこうだ」「私のやることはこれだ」「私はこうあるべきだ」という姿勢では、近い将来必ず周囲の流れに適応できず、自然淘汰されていきます。
未曽有の国難ともいえる新型コロナウイルスの影響下でも同じです。そして私もひとつの企業に属するひとりの社員として、今までのスタンスが効力を発揮しにくい以上、周囲と同じ方向を見つめなければ、本当の意味で顧客に寄り添っているとは言えないのではないか……。
そんなことをぐるぐると考えながら、今回の記事はこちら。

雇用調整助成金に関するFAQ ~知っておいて損はない【20】のポイント~


人材採用コンサルとして活動していると、こういった状況ですので、顧客から助成金や公的支援に関するご質問を多く受けます。通常であれば、採用に関する案内や提案をするのが私の仕事ですが、果たして「今、本来の仕事をするのは正しいのか」と考えると、疑問符が大きくなります。それって、お互いに見つめ合っている状況ではないのか。
ただ私は社労士ではないので、その度に知識を蓄えるしかありません。でもここで今まで知らかなったような助成金や支援制度のことを勉強して、外部へ少しでもアウトプットして、それで誰かの(ひとりでも)助けになるのであれば、それは同じ方向を見つめることにならないか。そんな想いでこの記事を書いています。

ということで今回は、私が調べた情報+受けた質問の中で、「これは知っておいて損はない」というポイントをお伝えします!
※あくまで私個人の独学の知見です。専門家ではないのでご了承ください。


【1】そもそも「雇用調整助成金」ってどんな制度?
「経済上の理由」により、事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を必要とする事業主が、労働者に対して一時的に「休業」「教育訓練」「出向」などを行い、労働者の雇用を維持した場合に、休業手当などの一部を助成するもの。
【2】新型コロナウイルスの影響に伴う「経済上の理由」ってなに?
→以下のような経営環境の悪化により、事業活動の縮小・休業などを行った場合は助成対象となる。
*観光客のキャンセルが相次ぎ、これに伴い客数が減り、売上が減少した。
*市民活動が自粛されたことにより、客数が減り、売上が減少した。
*行政からの営業自粛要請を受け、自主的に休業を行い、売上が減少した。
【3】雇用調整助成金は労働者個人に支給されるもの?
→休業などを行う事業主に対して支払われるもの。
→労働者の雇用維持を目的とするため、社長役員自営業の家族従事者など、雇用者でない者は助成の対象とならない。
【4】従業員の中に新型コロナウイルスの感染者が出た場合は、雇用調整助成金の対象となるの?
→職場で感染者が発生し、事業主が自主的に休業などを行った場合、患者本人の休業手当は助成対象外となる。(代わりに別途、健康保険制度から傷病手当金が支給される。)
→感染者以外の従業員の休業手当は助成対象となる。
【5】事業主が雇用保険に加入していないが、労災保険に加入していれば助成対象になるの?
「労災保険適用事業所」「暫定任意適用事業所」であれば、緊急対応期間(4/1~6/30)中は、雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成対象となる。
【6】事業所設置後1年未満の事業主は対象になるの?
→4/22の特例拡充により、雇用保険適用事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象となる。
→その際の「生産指標」は、初回の計画届を提出する月の前月と、初回の計画届を提出する月の前々月から直近1年間であって適切と認められる1ヶ月分の指標で比較する。
※比較する月に雇用保険適用事業所となっており、その期間を通じて雇用保険被保険者である従業員がいることが必要条件となる。
【7】以前に雇用調整助成金を受給したことがあるが、再度受給はできるの?
→今回の特例では受給制限を廃止。前回の支給対象期間の満了日から1年を経過していない事業主助成対象となる。
【8】雇用保険被保険者でない方(20時間未満の労働者)の休業も助成対象になるの?
→緊急対応期間(4/1~6/30)中の休業においては助成対象となる。
【9】助成対象者の範囲はどこまで?雇用したばかりの人や、内定後に1日も勤務していない人はどうなるの?
→今回の特例では、6ヶ月未満の労働者を休業等させた分についても助成対象となる。
【10】自分(社長)の子どもを他の従業員と同じ条件で雇用しているが、雇用契約書は交わしていない。この場合は助成対象になるの?
→書面ではなく口頭による雇用契約であっても、両者がその契約内容に合意していれば労働契約は成立するので、家族従事者の雇用実態が「雇入時に労働条件を明示した書面」「出勤簿」「給与簿」「給与の支払い実態」などによって確認できれば、助成対象となり得る。
【11】「休業」は、全員を休業させないといけないの?
→事業所によっては、対象労働者全員を一斉に休業できな事情があるので、今回の特例では短時間一斉休業の要件を緩和している。
→具体例としては……
*立地が独立した部門ごとの短時間一斉休業
例)客数が落ち込んだ店舗のみ、製造ラインごと など
*常時配置が必要な者を除いての短時間一斉休業
→ホテルの施設管理などを除いた場合 など
*同じシフトの労働者が同じ時間帯に行う短時間一斉休業
例)8時間3交替制→6時間4交替制に変更し、2時間分を短時間休業として扱う など
※この特例は、令和2年1月24日まで遡って適用する。
【12】新たに「教育訓練」の対象となる訓練内容とは?
→前提として「3密状態」を避けることが求められ、事業所内や外部の施設に集合して行うなど従来の方法で実施することが困難な状況を考慮し、下記も教育訓練の対象となる。
在宅などで行う学習形態(インターネットを用いたものも可能)。
*マナー研修、パワハラ・セクハラ研修、メンタルヘルス研修などの職業、職務の種類を問わず、一定の知識・ノウハウを身につける研修
*繰り返しの教育訓練が必要なもので、過去に行った教育訓練を同一の労働
者に実施する
場合。
*教育訓練を通常と異なる形態(在宅など)で実施する場合は、通常の教育カリキュラムに位置づけられている初任者研修などの教育訓練も対象。
*上記同様(在宅でのインターネットを用いた形態などの場合)、社内において教育的立場にあり、一定程度の知識、実務経験を有する自社職員を指導員とする教育訓練も対象。
【13】休業手当を支払う前に助成金の受給はできる?
→雇用調整助成金は、事業主が休業させた従業員に支払った休業手当を助成するものなので、休業手当の支払いがない場合、助成対象にはならない。
【14】正社員とパートの休業手当の支払い率が異なる場合、助成金はどちらの支払い率を基に算出されるの?
→助成金の支給額の算出については、いずれか低い方の支払い率を用いて算出する。
【15】手続きしてから助成金が出るまでの流れは?
→今回の特例では、令和2年6月30日までは休業などの計画届の事後提出が可能
→休業を実施し、従業員に対し休業手当を支払った後(判定基礎期間後)、計画届と支給申請書を一緒に提出することが可能!
→支給申請は休業を実施した判定基礎期間の翌日から2ヶ月以内に提出する。計画届を事後提出した場合は、事後提出の翌日から2ヶ月以内に申請する。
→支給申請書を提出後、労働局において審査を行い、書類不備がない場合は、1ヶ月程度で支給決定or不支給決定を行う。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
付け焼刃の知識ではありますが、こういった情報を発信し続けることで、どこかの誰かに届き、「雇用維持」「事業継続」のためのお手伝いに繋がれば幸いです。

環境もルールもどんどん変動していく世の中です。世界と向き合っているだけでは荒波にぶち当たり飲まれるだけ。変動しているからこそ、荒波の動く方向へと視線を伸ばすことで、多少傷を負いながらでも、次の陸地に向かって航海が続けられます。

これからやるべきことはすべて「After コロナ」のためです。
でも、やり続けるには「同じ方向を見つめる=With コロナ」の視点が必要なのでしょうね。「コロナと共に」ってなんか字面は嫌ですけど…笑

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