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不満を言う人は、弱音を吐けない人

わたしの父は、七十歳を過ぎた。
朝起きた瞬間から、本当にずっとしゃべっていて、
気難しいが基本的には愉快な人だ。

しかし同時に、不満をものすごく言う。
テレビを観ているとかならず言うし
普通に話していても、昔の嫌な思い出をすぐに掘り起こし、文句を言う。

楽しく話をしていたのに、気づくと
「あのやろうが」「こんなやつ」と言い出すので
そんなことばかり思い出したら、楽しくなくない?ときいてみた。

そうしたら、本人にも自覚はあるらしく
これが俺を苦しめている、
自分で自分の頭の中を地獄にしている
と言っていた。

しかし、やめない。

基本的なスタンスが
「俺ではない、誰かが悪い」
になっている。

自分で始めたことがうまく行かなくても
とにかく誰かのせいにしてしまう。
そこはまだ無自覚みたいだ。

人間は、出来事の原因を知って安心したい性質があるから
とにかくなんらかの理由をつけようとする。
その時、手っ取り早いのは「誰かのせい」にすることだ。

自分の責任だ、と認められないのは、
そうしてしまったら、どうしていいかわからなくなるから。
お詫びの仕方も、助けてもらう方法も、わからなくて
自分はいないほうがいい、ってとこまで飛躍してしまう。

そうではなくて、
人はみんな不完全なのだから
失敗もするし、得手不得手もあるから
補い合って生きていく生き物だから

できる限り頑張って、そのれでもできないことは
「ごめん、助けて」って言えること
それが人間同士で生きていく中でとっても大切なことなんだと思う。

それができたら、誰かのせいにしなくちゃいけないことも無くなって
文句も不満も減るんだろうな。
わたしの父は、弱音を吐くことや、助けを求めることができないから、
ずっと、誰かのせいにして、文句を言っているのだな。

それができるようになると、
父もまた、変わるんだろうな。
何歳になっても、人は変わっていける。
父には、そんな背中を見せてもらいたいな。

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