どのくらい査読付き論文あればいいのか問題
こんにちは、茂木良平です。専門は人口学で、データを用いて少子化について研究してます。
今回は、魅力的なCVにするための戦略についてです。CVの中でも重要なのは査読付き論文数だと思います。PhD取得後、どのくらいの査読付き論文があればポスドク応募に有利なのか。査読付き論文数の基準を知るために、僕がやった方法を紹介します。
僕は、2020年5月からバルセロナ自治大学の人口学研究センターで1年間ポスドクをしており、2021年5月からまた別の研究機関でポスドクすることが決まりました。数回に渡って、海外でのポスドクハントについて、僕の個人的な体験をシェアしています。
PhD入学体験記やPhD課程での話は結構見ますが、ポスドク事情の話ってなかなかないと思うので(ましてヨーロッパPhD→ヨーロッパポスドクは)、みなさんの今後の何かに役立てば幸いです。
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海外のポスドクには3つの種類、1)グラントポスドク、2)ポジションポスドク、3)プロジェクトポスドクがあります。
1は書類審査のみのグラントがほとんどで、2、3のポストの審査プロセスは、まず書類審査があり、通った人は面接に進みます。2、3ともに応募時に提出する書類は以下。
・Cover letter
・CV
・Motivation letter(1、2ページ)
・Past and future research plan(1、2ページ)
・Writing samples(2、3点)
・推薦してくれる研究者2、3人の連絡先
選ぶ側がどういう観点でポスドク候補者を審査しているかはわかりませんが、書類審査において、客観的に候補者を審査できる要素として「査読付き論文」の数と質がキーになっているのは間違いないと思います。
僕はPhD2年時からPhD後のアカデミックキャリアを真剣に考え出したのですが、そこで出てきた疑問は、、、
「ポスドク応募時にどのくらいの査読付き論文があったらいいんだろう?」
多いに越したことはないんだろうけど、何か基準になるものが欲しいなと思い、アーリー・ミッドキャリアの研究者のCVを見まくって、その人のパブリケーションヒストリーを研究してみました。
僕の専門である人口学で活躍している30人超の研究者(ヨーロッパPhD多め)を選んで、どういう経緯で今のポジションに至ったのかを調べました。
フォーマットはこんな感じです。
PhD期間中にパブリッシュした査読付き論文数(国際誌のみ)をPhD取得年別に見てみました:
2005〜2009年:2.5本
2010〜2014年:3.3本
2015〜2019年:4.5本
取得年別にかなり数が変わってますね。
これを調べたおかげで、PhD中にどのくらいの論文をパブリッシュすればいいか、という基準が分かったのはかなり良かったと思います。これは結果論ですが、この目標があったおかげもあり、PhD期間中に5つの査読付き論文と1本の査読付きブックチャプターを出すことができました。
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パブリケーションヒストリー以外にも、CVにはアカデミックキャリアを築く上で重要な要素がかなりたくさん詰まっているので、CV研究非常におすすめです!
査読付き論文の慣行は分野ごとに絶対異なると思うので、ご自身の分野で調べてみるといいと思います。他分野の事情、あるいは同じ分野でも他国の事情について、僕は全くわからないので、みなさんそれぞれお調べになってみてください。
もしこんなことが知りたい等あれば記事へのコメント、あるいはTwitter(@rmogi_jpn)で教えてください!
こんな感じで海外ポスドクポストについての情報をシェアしていくので、もしご興味あれば、twitter、noteのフォローお願いします。シェアも大歓迎です。
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