引き算の美学

仕事で、リップを数ヶ月製作していて色々なことを考えていた。

強いカラーのリップを足したらそれはジュエリーのような役割を果たしてくれる気がする。
他を少し、引き算しようかなと思う。

美しい肌の人はそれだけで発光し宝石のように見える。
だからきっと、薄化粧なのかな、ひき算しているのかな、と思う。

引き算したら、その人が見えるような気がする。

より浮き彫りに、なる気がする。

だからとても、印象に残る。

表情とか全体の雰囲気とか…その人が残る。

足し算とは違う可愛さがあって、
清潔感も相まってずっと自分の憧れになっている人の共通点はひき算だ、と気がついた。

そして、またまた最近。
周りにいる笑顔や佇まいが美しい人や周りを明るくする人は、驚くような悲しい経験や辛い経験をしていることが多くて考えさせられている。

沖縄出身の俳優さんが、地元のおじいやおばあの話をしていて明るく楽観的で元気をくれるおじいやおばあほど、凄まじい戦争体験をしているという話をしていてあぁ…と。

人間て、すごいなぁと希望を見る。
そして大事なことは、目に見えてる様で見えてないし
その人にとって大事なことは見えてもいる。

複雑だなぁと思う。

そしてこれもまた、引き算の美学を感じる。