ライフリミット 【短編小説】
今年が終わる。
肌を裂くような寒波が吹き荒れている外
家の中の暖かさと外の寒さの差が私を閉じ込めるようにしている。
新年があけて、
雪が積もりに積もった道。
孫と散歩をする。
孫の元気さにある種の眩しさを感じながらも着いていく、
雪が積もられている雪山に孫が飛び込む。
寒くないのかなぁと疑問が浮かぶが孫の楽しそうな顔を見ているとそんなことはないのだろう。
「じいちゃん、オレこの家にいる間にバカみたいにでっけー雪だるま作りたいよ。」
そうか、そう軽く返事をした。
「じいちゃんは何かしたいことないのか?」
そうだな、そういって考え出しはじめたことに自分でもびっくりした。やりたいことなどないと思っていた、いや思い込んでいたのに。
それにある種の気恥ずかしさを感じて
「嫌、じいちゃんは歳だからなぁ。したいことなんてないよ。」
と言った。
「そうか、じいちゃん。
でもしたいこととかやりたいことを
持ったりしたりするのに歳は関係ねぇと思
うぞ。
だって
じいちゃんのほうが長生きするかもはしれ
いだろう。」
そんな孫のそのやけに大人びたような発言に謎の衝撃をくらったような気がした。
「長生きするんだよ。お前も。」
「そりゃそうだよ。じいちゃんオレは長生きするよ。したいこと全部して一生生きるんだよ。オレは。」
そりゃそうだな、
心の中でそう思った。
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