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240108瀬戸内島めぐり記②~直島&豊島~

こんにちは、リツコです。

昨年秋に3泊4日で訪れた香川県の直島・犬島・豊島。
2023年のマイベスト旅行&美術館(展)を振り返って、やはりとてもよい思い出となったことを改めてかみしめました。

ということで今回は、前回ご紹介しきれなかった香川アート旅日記PART2です。
前回記事はこちらです。


3日目 直島観光

今回の旅は、すべて直島に宿泊しました。
毎朝大型フェリーが発着し、想像よりにぎわいのある町でした。
日本を代表する現代アートの聖地ということで、海外からの観光客もたくさんいました。


朝の宮島港

直島内はバスで移動しました。
朝一でチケットセンター:本村ラウンジにむかいチケットを入手。
本村エリアに点在する、古民家にアートを施した作品群「家プロジェクト」をめぐります。

バスの時間がぎりぎりだったので、事前にルートをきっちり決めました。
南寺→護王神社→角屋→はいしゃ→碁会所→石橋 の順です。

それぞれの建物に別のアーティストが携わっているため、すべてに固有の魅力があります。
本村地区は黒い板張りの塀が続き、なつかしさのある美しい町並みや港町の風情があるのですが、作品の敷地に踏み込むと、別世界のような空間が広がっていました。


角屋

いちばんのお気に入りを選ぶのは難しいですが、わたしは角屋(作:宮島達男)が好きです。
建物内の床に水が張られ、電光カウンターの数字が浮かんでいます。
その数字たちは異なる速度でカウントされますが、その速度は島の人々がそれぞれの想いをこめて設定したものです。

静かな水面に浮かぶ数字が刻々と進む、非日常的な空間。
カウンターの数字は、時間の流れを意識させます。

(この空間で流れる時間と、作品の外、自分のいつもの日常に流れる時間は何かちがう気がする)

いつもの日常、すごしている時間について考えるきっかけをくれた作品でした。


おやつ おいりソフト

ランチ&おやつ後は、地中美術館と李禹煥美術館へ。

地中美術館は、『自然光のもとで鑑賞するモネ』というフレーズに惹かれていたものの、関東育ちのわたしは(あれ?上野※のほうが好きかも……)という気持ちになってしまいました。 ※国立西洋美術館の常設展示
人間はよく目にするものに愛着を覚えてしまう生き物ですね…。

以前、東京で開催された個展を見て、李禹煥美術館はとても楽しみにしていた場所です。
島の自然を活かした、広々とした屋外展示は清々しさがありました。


無限門

写真の作品『無限門』は、くぐると海を正面に見据え、世界を隔てる境界のようなものを超えた気持ちになりました。
何か良い方向に変われていたら、嬉しいです。

ミュージアムショップの、作家の作品ラフ画グッズがゆるかわで和みました。


4日目 豊島

最終日は直島から小型船で豊島へ移動しました。
心臓の音アーカイブ、豊島美術館、豊島横尾館をレンタサイクルでめぐります。
豊島は全体を通して「生」と「死」をテーマにしているようで、作品巡りは思慮の旅という印象でした。


サイクリング 棚田も美しかったです

心臓の音アーカイブは訪れた人の心音を採録し、保管しています。
心音に合わせて光が明滅する展示や、録音アーカイブを聴ける部屋がありました。
アーカイブは録音とともにコメントを残せるのですが、ひとつのコメントにぎゅっと心をつかまれました。

パパ46歳、ママ42歳、良太8歳、美菜6歳。ずっとしあわせでいようね。

※正確に記憶できなかったので、年齢と名前は仮です
文章も一言一句同じではないです

家族旅行で訪れたのであろう、顔も知らないその人が、どんな気持ちでこれを残したのか。たった一文でわかった気がしたのです。
心臓の鼓動は生の証。幸せに「生きる」ことについて考えるきっかけになりました。

豊島美術館は、地面にあいた小さな穴から水が湧きだし、溜まるとより大きい水たまり(泉)へ流れていく展示です。
その単純な事象をただ眺めてぼーっとする時間は、子どものころにアリの行列や雲の動きをやはりぼーっと眺めていた時間に重なります。

簡単に見える仕掛けですが、同じように湧き出した水が、少しの風や残った水滴の加減によって毎回ちがう軌跡をたどる様子は、なぜか目が離せません。
スタートの条件が一緒でも、たどる道は違っていて、でも最後はみな同じ場所へ帰る。

まるで人生みたいだなぁ。
じっと眺めていて、ふと思ったのでした。

豊島横尾館は死をテーマにしていますが、強烈な色使いで全くしめっぽさがありません。むしろエネルギー高めでした。

エジプトピラミッドや死の島、三途の川っぽい川などがある一方、生命誕生にかかわるモチーフもたくさんあります。
生命力を感じるのですが、引いて見ると死のイメージがあるのか、やっぱり不気味さもある気がする、不思議な空間でした。
個人的には、今回の旅でいちばん再訪したい場所かもしれません。

美術館を出ると、下校中の地元中学生グループに元気よく「こんにちは!!」とあいさつされて、意識が一気に現実に戻ってきました。
(ちゃんとあいさつできる若者、ステキです!)

noteを始めなかったら旅日記を書いていなかった

学生のころまでは、旅や美術館めぐりの後は感想や絵日記をしたためたものです。
行って楽しく、書いて楽しく、読み返して楽しい。
一粒で三度美味しい体験でした。

ひるがえって現在、せっかくの体験はやりっぱなし。
「コンテンツを消費する」好ましくない状態です。
もったいないことです。
感じたこと、気づいたことは形にして残しておきたいです。
そのために立ち止まる時間は、こまめにとらないといけませんね。


2024年はどんな旅をしようか、どんなものを見ようか。
日記を書いていてワクワクしてきました。

みなさまは、訪れたい場所や、旅先で経験したいことはありますか?

本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
また来週、お会いしましょう!

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