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タクシードライバー

今日はタクシードライバーになった

お客さんは子供4人
公園まで送り届けて、公園から連れて帰る
片道約15分くらいの距離

知り合いの家に泊めてもらっていて、そこの子供達の送迎を車で、と、お願いされたというだけの話

10歳が3人と、3歳が1人

行きはよいよいだった
公園まで送り届けて、あとは「じゃあね3時間後に戻ってくるからね、何かあったらスマホで連絡してね」と言い、送り届けた

彼らが遊んでいる時間には自分の好きなことをして過ごした
そして16時頃公園に迎えに行った

寒い中楽しそうにトランポリンでピョンピョン飛び跳ねて遊んでいたそうだ実に微笑ましい

帰りの道中、慣れない土地なので「あれこっちかなあ」 なんて言いながら少し迷いながら車を進めていると

10歳Aが言い出した「じゃあ今からさー3歳くんが言った方向に進み続けようよ」


え マジでか  ほんまにゆうてんのか


ということで、3歳くんの「みぎ!」「ひだり!」「しゅとっぷ!」

というような言葉に翻弄されながら運転することになった

3歳くんだ。家の方向も「みぎ」も「ひだり」も彼にとってはよくわからん概念化されいないものである。
適当に「みぎ!」やら「ひだり!」やら急に言われるのでもう、まともな運転はできない。

急にハザードつけて停車したり、バックしたり。

もう勘弁してほしい。しかしながら、お客様の言うことは絶対である。

しかもだ、しかも、10歳B、10歳Cもなんとノリノリである。
もう、従わざるを得ない
もちろんフルスイングで逆方向を指示される
逆方向を指示されたあとにまた逆方向を支持されてからの右折とかUターンとか
ああああああああああああああ着くか!!こんなもん!!!!


海に出た
綺麗な海と太陽
「きれいだねー」3歳くんは無邪気に言う
その言葉が出る君が綺麗だ
僕は思う


ヤギがいた
「ストップ!ヤギだ!!」10歳Cが言う
思いっきり田舎道の真ん中に車を止めて子どもたち4人はヤギとたわむれる

道路交通法から解放された人間たちは強い
そして美しい


1時間ほどのロングドライブ
10歳Cは助手席でずっとうんこやらちんちんやら叫んでいる
そんな中運転するのはなかなかつらい


さすがに3歳くんも眠くなってきたらしい
周りの10歳達の様子を伺いだした
どうやら自分が正解を言ったら周りが「おおお!!!!!」と喜ぶことに気付いたらしい

最終的には3歳くんの絶妙な気遣いも相まって家へと送り届けることができた


もうあんなドライブはこりごりだ
自分の思うように運転できないなんて結構ストレスだ


君たちと過ごした1時間

美しい海と、ふと現れるヤギ

そして、それを全身で受け止める君たち


最高の時間だった


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