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二酸化炭素を農業で地中に閉じ込めるという発想。Netflix「キス・ザ・グラウンド」より。

先日友人にお薦めされて観た、環境系ドキュメンタリーの「キス・ザ・グラウンド 大地が救う地球の未来」がとてもよかったので感想を書き留めたいと思います。Netflixからご覧いただけます。 

Netflix入ってない、見る時間ないなって方
英語ですが下のトレーラー動画だけでもぜひ観てみてください!!

1. ドキュメンタリーの概要

2020年に制作されたドキュメンタリーです。土地を耕して、化学肥料をまいて、農薬で害虫駆除をして、収穫。そんな農業が実は環境にも地球温暖化にも悪影響を及ぼしていることに警鐘を鳴らしています。これだけだと普通なのですが、このドキュメンタリーのすごく勉強になるところは、

「土地を過剰に耕さず、微生物を大切にする農業には、大気中の二酸化炭素を地中に閉じ込め、温暖化を食い止める力がある」

ということを主張しているところなんです。

え?本当に?どれだけのインパクトがあるの?と思うじゃないですか。
農業大国であり環境に対する知見も深いフランスの農業大臣ステファヌ・ル・フォルは2015のパリ気候サミット(COP21)でこう言ったそうです。

「皆様に伝えたい。全ての農地と森の土壌は驚異的な潜在能力をもつ。気候変動に対して現実的な対策が取れる。排出されるのと同じ量の炭素を吸収できる。1000分の4構想は実践可能な解決策だ。」

*1000分の4構想とは、フランスにある欧州最大の農業研究所(約100年間土壌を研究し続けるINRA)が立ち上げたもの。世界の土壌炭素を毎年0.4%ずつ増やすのが目的。0.4%は毎年人類が排出する炭素量と同じ。

気候変動への対策というと、CO2を排出量を減らすとか、化石燃料ではなく再生可能エネルギーを使用するとか、いかに出す量を減らすかという対策が多いじゃないですか。

そうじゃなくて、大地を健全な状態に戻せば、既に排出されたCO2も地中に返す(炭素固定する)ことで、大気中のCO2を減らすことができるんです!!

2. 農業で地中にCO2を吸収させる・・・どういう仕組み?

簡単に言うと、光合成のために吸収したCO2を地中の微生物が、粘着性の炭素化合物に変えて、土壌に固定してくれる!という仕組みです。

詳しくはこちら

光エネルギーを使い二酸化炭素を吸収して炭素化合物を合成して、植物は成長する。その炭素化合物の40%を植物は根に送る。生存戦略として土壌微生物に渡す。植物が炭素を与える一方で微生物は植物にミネラルを与える。プロセスの中で、粘着性の炭素化合物を微生物は生み出す。微生物は土中に穴を作り、空気と水の流れを操る。それにより炭素が土壌に定着する。」

微生物がめちゃめちゃ大事な役割を果たすということなんです!
でも農薬を使う土地にはほとんど微生物が存在しなくなってしまうとのこと。農薬に頼らない自然農法が重要になります。

あと、せっかく炭素化合物(CO2)を蓄えているのに、土地を掘り起こしてガンガン耕すと、CO2がまた排出されてしまうので、不耕起が理想だそうです。

▼ 自然農法というと、この本を思い出しました。
農薬なしで、耕さずに、農業できるの!?と思う方にはこの本がヒントになるはず。(農業関係の方なら知っている方も多い本では?)

田を耕さず、肥料をやらず、農薬などまったく使わず、草もとらず……それでいて豊かな収穫をもたらす、驚異の〈自然農法〉――その思想と実践を易しく説いたロングセラー。

3. さいごに

消費者にできることとして挙げられていたことの1つが、「土地を再生できるような方法でつくられた農作物を買うこと」でした。
これについては、自分自身、普通にスーパーで食品を買って食べる、ということが多くて、あまりできていなくて、正直もやもやです。

でもすごく大事なドキュメンタリーだと思ったから、このnoteで内容をシェアしたのが私の1アクション。

今は農業とは全く関係がない仕事をしているけど、Connecting the dots を信じて大事だと思うことをこれからも大事に、もっと学んで実践を増やしていきたい!と思ったのでした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!



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