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休息完了宣言

「俺、じゅうぶん休んだと思う」

 夫がそんなことを言い出した。仕事のストレスで不安定になってメンタルクリニックの通院や休職をしたのが一年くらい前。一度、職場復帰したものの年末に退職した夫の、事実上の“休息完了宣言”だ。

 8月に入ってから、夫の動きが変わってきたのは感じていた。

 自ら自宅の一室を事務所にリメイクするために粗大ごみを整理したり、商工会議所のセミナーに申し込んだり…という動きを始めて、ここのところ夫のやる気(?)みたいなものに、私が背中を押されるような展開になってきていたから。

 8月にはいってから睡眠薬をやめたことも夫の自信のひとつになっているかもしれない。服用しなくなってからのほうが長く眠れている。受診直後は3種類だった薬が一年経って、1種類にまで減った。薬が減ったことが先か、回復の実感が先か、それは密接に関連しているので、どっちがどうとかではないんだろうけれど、とにかく夫に「じゅうぶん休んだ」感がやって来たのだそうだ。

 一年間の休息を長いと感じるかどうかは個人差があるだろうけれど、私は夫の休息完了宣言を聞いて、正直、うれしかった。
 メンタルの調子を崩す人の中で、良い感じで休息期間が満了できる人ってそう多くはないように私は感じていて、夫の回復を支えたものって何なんだろうとあらためて考えた。結局、まだよく分からないんだけど。

 うまくいかなかった時って原因探しが簡単なんだけど、うまくいった時って、いろいろな要素が関連し合っている気がして、どれと特定するのが難しいなと思う。

 受診のタイミング、定期的な服薬、主治医選び、退職、資格取得、アルバイト、夫の生来の性格、私との相性…などがうまくかみ合ったのかな。

 まあ、ともかく。

 夫が休息完了宣言をしたので、私はそれを受けて、夫婦での起業の実現化に向けて動き出そうと思う。手始めにTo Doリストとスケジュール表を書いてみた。けっこうやることがたくさんあって、分からないこと(学ばないといけないこと)もたくさん見えてきた。

 私のほうも今月末で大学の社会人履修コースも終了で、課題もすべて提出したので、まさに“時は来たれり”だ。

 夫婦でやる事業のロゴマークも出来上がった。いま流行りの“スキルマーケット”でオーダーしてみた。名刺やホームページに必要なので。

その話はまた次回に。

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