恋愛主義 &12


「どうした?」

悟は戸惑った顔でこっちを見る。
怜の言葉が私に勇気をくれた。






終わらせる勇気を。


「いや聞いてみたかっただけ。
今更何言ってんだろうね笑」



「好きだったよちゃんとお前のこと
大好きだった。いつも横で笑ってくれて
くしゃくしゃに笑うお前の顔大好きだった」


その言葉だけ救われた気がした。


悟は真剣に私を見ている。

「悟。大好き。私もくしゃくしゃに
笑う笑顔が大好きなの。
背が高くてかっこいい所も優しい所
も正直な所も嘘つけないところも。

悟の隣にいる自分が大好きだった。

後悔してないよ悟を好きになったこと。
何一つ後悔してない。
私の青春だもん。

一つだけ最後のお願い
私をフッてほしい。」


そういうと悟は私を抱きしめ


「ごめんな…」


と一言。


川の流れの音だけが静かに
鳴り響く。


「大事にしたかったんだけど
出来なくてごめん。
傷つけてばっかだったよな。」

「ちゃんとフッてよバカ笑」

「俺お前に甘えてたずっと
離れないんだろうなって。
ごめんな。」


「そりゃ甘やかしちゃったもんな」


「幸せになれよ」

「なるよ悟なしで」

「俺さ……………」

話す前に悟の口を手で塞いだ。
これ以上決心が揺らぎたくなかった。
揺らぐことを言われる気がした。



「じゃあね!」

最大級の笑顔で手を振って
歩いていると


「優!お前は自分が思ってる以上
にいい女だからな!!次の男には
素直になるんだぞ!」


と大きな声で叫んでくれていた。


「悟なんて大っ嫌いーーーー!」


と馬鹿な返しをして私たちは別れた。


琴音に連絡するとすぐに
来てくれて「頑張ったね」と
一言。堪えてた涙が止まらなくなり
ワンワンと子供のように泣いた。



私の初恋がやっと終わった。
周りにはバカだと思われたかもしれない。
だけど私にとっては大事な大事な
恋だった。


なによりも私の支えだったんだ。



なによりも…

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