【十六夜杯】故郷恋しき短歌三首
連休、3年ぶりに帰省してきました。
ほこりと想い出の詰まった家は、
いつもより時間がゆっくりと通り過ぎていって。
3年の月日を埋めようと話す父母。
うんうんと聞いていて。
止まらない話にちょっと疲れたりもして。
帰省するたびに畑や花で埋め尽くされていた庭は、
すっかり更地となっていた。
高齢でもう手に負えないから、の言葉に納得して。
だけどあの、心の中でもずっと側にあった思い出の庭は、この世にもう存在しないということ。時間というものは、こうして少しずつ何かを消していくのだ。
ほこりを掃除して歩いて、久しぶりに登った2階は、
いつのまにか綺麗に片付けられていた。
幼い頃、母と共に寝ていた6畳の和室。
祖母と一緒にテレビを見た穏やかなひととき。
もうここに私たち姉妹はいないということ。
やけに広く感じる空間が物語る。
もちろん、物を始末していかなければ後が大変。だけど、ひと昔のテレビひとつ取っても思い出がたくさん詰まってたんだと今はわかる。
彼らは、逝く準備を始めている。
想い出ごと、いつか行ってしまうのだ。
いつか、いつかな?
どうしよう。
いやまだ、その時ではないはず。
落ち着いて、大丈夫。わかってる。
こうして一つずつ、心の準備をしていかないといけない。
だから、
全て短歌に気持ちを託すことにした。
父母とともに逝くかな故郷の荒寥たる庭月が見ていた
蜘蛛の巣の払い掃いてきりもなし積もる月日を払わぬように
紫の君隠れたる花の宿露と消えぬと消ぬべく思ほゆ
実家で虫の声を聴いてしんみりしながら作ったら、しんみりした歌になりました🥺ほんとは月の恋愛短歌の予定が…こんなですがこれでコンプです٩(๑òωó๑)۶
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