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白熊ぽん〜白熊親子のプレゼント【俳句×ショートショート】

白熊杯・投句期間は終了いたしました❗️
たくさんのご参加ありがとうございました(。-人-。)

さて、たくさんの作品が集まった本大会。
ここからは好きな作品にスキを伝える勝手に賞、作品から新たな創作を生み出す白熊ぽんで遊びませんか?🐻‍❄️


27日からは公式アカウント・みん俳より俳句の投票が始まります。
投票はカンタン❗️好きな句にスキを押すだけ。こちらもぜひご参加くださいね😊


⬇️ここより、ぽんストーリーです。



Churchill in Canada


凍てついた空気吸い込み冬の朝

どこまで見通しても真っ白な地平線が広がる。上を見ても、下を見ても、白の世界。だけど、どれひとつとして同じ白はなくて。白熊は自分の体をまじまじと見つめた。私の体って、ちっとも白くないのね。なんだか汚れているみたい。

早朝から狩りをしなければ、子供たちの分までご飯を得られない。白熊は辺りにアザラシの影がないことを確認すると海へ潜る。運良く捕獲できたものの、昨日から何も食べていない。と認識した途端、グゥーっと腹の音が鳴る。今すぐここで食べてしまおうか…。

いやいや。
白熊は大きく頭を振った。家で小熊たちがお腹をすかせて待っているのだから。



|深深と雪雪と唯六花|

雪がちらちらと降り始め、氷山の片隅に見える我が家が少し遠く見えてきた。この雪、食べられたらいいのにな。そしたら私も子供たちもお腹いっぱいになれるのに。冬は獲物が少なくて嫌んなっちゃう。雪が降り無邪気に喜んでいる子供達の姿を見てはため息をついた。

雪は白熊の毛先に舞い降りるとそこに留まり、まるで小さな無数の白い花をたくさん咲かせるかのよう。これって、空からのプレゼント?白熊は、昨日のことを思い出した。



|雪の夜確かに聞いた鈴の音|

昨日は、クリスマスだった。
なのに今年、サンタさんはきてくれなかった。
子供たちもあんなにいい子にして楽しみに待っていたのに。夜外に出たら、どこからか鈴の音が聞こえた気がしたの。だけどやっぱりサンタはこなかった。

期待してた分裏切られたショックが大きくて落ち込んでたら、そんな私を子供達が励ましてくれて、なんだか笑えてしまった。旦那が亡くなってから一人頑張って張り詰めたものが崩れていくようで、私は笑ってながら泣いていた。



|空風よいつだってうまくいかない|

やっぱりだめね。
私って何をやっても空回りしてしまうの。

みんなが出来ることだって、
その半分くらいしかできないし。
子供たちにまで心配されちゃうなんて、母親失格だわ。
白熊は涙が凍りそうになる前に頭をブルっと振って吹き飛ばし、家のドアを勢いよく開けた。

🐻‍❄️「ただいまー!今日は御馳走よ」



❄️ 🐻‍❄️❄️ 🐻‍❄️ ❄️🐻‍❄️❄️


「お母さん!タイヘン、タイヘン!」

子供たちが何やら興奮しながら出迎えてくれた。出かける前まで腹ぺこでしょんぼりしてたのに、どうしたのかしら。ふと見ると、さっきまではなかった段ボールの箱が玄関に届いている。おかしいわね、荷物なんて何も頼んでないのに。

荷物の差出人を見ると、


|なんでかな コタツに蜜柑 あなたにワタシ|

🐻‍❄️「まぁ、お友達の流香さんからだわ。どうもありがとう!これでこの冬は炬燵にみかんを楽しめるわね🍊」




🐻‍❄️「あらっ、まだ箱があるわ。これは誰かしら?」

|窓に雪ミネストローネ具沢山|

「まぁ、お友達のプッククンさんからだわ。どうもありがとう!あったかいミネストローネと、それにハンドクリームもあるなんて、とっても気がきいてるのね」




すると、部屋に甘い香りが漂ってきました。
あら?これはどこから…

|雪時雨 煮豆のにおひ部屋に満つ|

🐻‍❄️「まぁ、お友達のmoeさんからだわ。どうもありがとう!私が煮豆大好きなの、どうしてわかったのかしら」



すると、その隣に熱々の鍋が姿を現しました。

牛すじとじゃがいもの入る うちのおでん|

🐻‍❄️「まぁ、お友達の碧乃そらさんからだわ。どうもありがとう!牛すじの味がよく染み込んで美味しそう!牛の肉って初めてだわ🐻‍❄️」



それにしても、こんなにたくさんの御馳走はいったいどこからやってきたのでしょうか?

と首を傾げたその時、玄関のチャイムが鳴りドアが開きました。白熊の家に鍵はありません。だって辺りには誰一人住んでない、白熊の町ですから。



|煤まみれ仕事終わりの聖夜かな|

🎅「メリークリスマス!」

自慢の真っ赤なスーツは煤だらけでよれよれ、一晩中走り回ってくたくたのサンタがようやく白熊の家にやってきました。

🎅「遅くなってすまんな。今年は数が多くて、ここに来るのが遅くなってしまった。その代わり、来る途中で会ったしろくまさんのお友達からプレゼントをたくさんもらってきた。これで一日遅れたこと、許してくれんじゃろか」

🐻‍❄️「🐻‍❄️❗️」


|白く丸描いて雪降るクリスマス|

サンタが外へ出て空に向かって大きく丸を描くと、辺りに雪がちらつき始めます。それは風に煽られてキラキラと輝くと、空に絵を描きました。ひときわ輝く北極星、ポラリスを中心に仲良しの白熊と小熊たち。さらにオーロラが夜空をカラフルに色を染めていきます。

それは、ほんのひとときの輝きだとしても、私たちを応援してくれているようで。白熊さんの目から涙がこぼれて毛を伝っていきます。白熊さんは凍らないようあわてて涙をこすりました。



|白熊が夢を描いて北極星|

🐻‍❄️「サンタさん、ありがとう。今までで一番、最高のプレゼントだわ」

サンタの魔法で描かれた白熊と小熊は、そのまま星座になりました。明日のご飯さえままならないこの生活、だけど私たちには遠くても寄り添ってくれる人たちがいる。見守ってくれる星がある。

つい一人で頑張ろうとしてたけど、私一人じゃなかったんだ。私、この子たちを立派な白熊に育ててみせるわ。
 


|春を待ついのちはもうほらそこに居る|

厳しい冬さえ耐えれば、暖かい春がやってくる。

春になれば氷が溶けてもっとご飯を獲ってこれるようになる。それまで頑張って耐えよう。みんなの応援があるから、私は確かにここにいる。この居場所を大事にしていれば、次どうすればいいのか見えてくるはずよ。

「ママ、このみかん食べていいの?」
「この甘いのなに?早く食べたーい!」

🐻‍❄️「はいはい、ちょっと待ってね。大事だからきちんとわけてあげるからね」


白熊さん親子は部屋いっぱいに満ちた甘くて愛おしい匂いに包まれながら、お腹も心も満たしました。

来年になってこの子達が大人になったら、皆のところへ会いに行こう。お礼もしたいものね。

白熊さんはまだ見ぬ友達に会える楽しさで胸がいっぱいです。どうかそれまで、お星さまが私たちを見守っていてくれますように。




こちらの句は一覧より無記名のまま選ばせて頂いたものです。作品を使わせて頂いた皆さま、ありがとうございました(*ᴗˬᴗ)⁾⁾

トントン🚪しろくまさんの前に作ってたものなので、似てる感じになってるかも💦


🌟白熊ぽんは31日まで受付中🐻‍❄️🐾

白熊杯の俳句・短歌・川柳から新たな世界を紡いでみませんか?小説、詩、イラスト、音楽なんでもOK❗️あなたの感性、お待ちしています😊💖


🌟しろくまさんからの応援動画🐻‍❄️📣

しろくまーーーぽん🐻‍❄️❣️



🐻‍❄️勝手に賞のススメ🦭💕

賞は公式だけじゃない❗️あなたの好きな句や歌に勝手に賞を送っちゃお〜(。˃ ᵕ ˂ )ノ゙




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