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エーステACT2!~WINTER 2023~【荒牧慶彦さん卒業に寄せた想い出の栞】

寒い冬の日に出逢ったあなたは、心をたくさん温めてくれました。

二度と会えなくても、何度でも戻ってこられるように

永遠じゃない時間に、永遠の想い出を。


***


MANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~WINTER 2023~
長い期間の公演、大変お疲れさまでした!!

そして、もう何度目?とツッコまれそうなのですが!
荒牧慶彦さん、エーステ卒業おめでとう!!!

正直、その事実がめちゃくちゃ悲しくて、観劇初日は初めて「エーステを観に行きたくない」と思いました。(こじらせてますね笑)

でも、そんな気持ちも吹き飛ぶほどの最高なお芝居を今回もお腹いっぱいを通り越すほど受け取ったので!忘れないように記しておこうと思います。ただの感想です。笑(いつものやつ)


***


シトロンの”従者”、ガイの登場

今回、最初の冬組登場からめちゃくちゃアガりました…!!!
いっや、バックライト?っていうの?だけのステージに冬組が階段をあがって出てくる演出…史也さん神なんですか???←

シルエットになっている「画のつよい」5人、かっこよかったなあ~!
曲もめちゃくちゃかっこいい!!それに合わせて指を鳴らす振り付けもめちゃくちゃかっこいい。全部、総じてかっこいい。(それしか言ってない)(語彙力の欠如)

ここでの私の紬くん推しポイントは、「従者??」っていうセリフの言い方が可愛くてツボなところ。笑
なんだかこう、心底、「はて?????」みたいな、「頭の上に何個”?”飛ばしてんねんっ!!」って言い方が可愛すぎて荒牧さん天才でしたね…

そしてこの時の曲のハモりがとても素敵…東さんの歌声きれいだったなあ!
東さんが実家に行って歌うシーンの時も思ったけれど、上田堪大さんの歌声、本当にのびやかできれいすぎました。


シトロンの正体

シトロンが退団するよって話になった時、紬くんが胸のところで手をぎゅってしてるのを見て、「あぁ、やっぱり荒牧さんの紬くんだなあ」って思っていたのですが。

密の「みんな笑ってる。いつものシトロン。」ってセリフ、なんだか声のトーンも相まって、すごく安心したのを覚えています。
植田圭輔さんの密、本当に大好きなんだなあ。後々にも書きますが、マシュマロの袋を抱いて寝てる姿が天使すぎる。ご本人も「ミルクたっぷりが好き」な可愛らしい方ですしね☆(これはご本人的に不本意そうでしたけれど笑)

そのあとガイさんが「玄関の隅にでも置いてくれたら構わない」って”アンドロイドらしく”言うのがとても、なんだかガイさんらしいなあってふふってしちゃうのだけど、東さんの部屋が空いてるよってなった後、個人的に紬くんと誉さんがちょこっと話してるのとっても好きだったな。


みんなで乾杯!@地方公演

ここのシーンめちゃくちゃ大好きだったし、紬くんの笑顔が愛おしすぎて勝手に泣きそうになってました。笑
歌の途中で荒牧さんがぼそっと追加した日替わりのひとことも面白かったなあ!印象的なのは「1テーブルに6定員さん!?」みたいなやつ!笑

ビールを飲んでいる時に、ちょっと炭酸がのどにつまっちゃった、って胸をトントンしていたり、「このビール、なかなかな味だな」って顔でグラスを見つめたりする荒牧さんの細やかな表現、本当に素敵で大好きだったな。

そして、東さんが「先に抜けるね」と出て行った先を見つめる紬くんの視線もとても大好きだった…

下手の席からこの視線を観た時、私は本当に戦慄しました。

「大丈夫かな」って声が聞こえてきそうな、心配な気持ちが込められた瞳と静かに落とした視線に、荒牧さんの紬への丁寧な気持ちの馳せ方と繊細な心の動きの表現がぎゅぎゅっと詰まっていて、本当に私はこのひとのお芝居が心から大好きすぎるなあって思ったのです。


そして、シトロンがいなくなる

シトロンがみんなに黙ってザフラに帰ってしまったシーン。本当に胸が痛かった…
冬組公演を前倒しするしかないという話になった時、「ちょっと今は考えられないです」って言った綴くんに、「そうだよね、急に言われて気持ちの整理がつかないよね」って寄り添ってあげる紬くんがほんっとうに素敵なお兄さんで。わたしはこんなお兄ちゃんが欲しい…と思いながら観ていたり。(どんな視点なん?)

それから冬組の新人はガイさんに決まるわけだけれど、「よろしくお願いします」って差し出した右手が宙ぶらりんになっちゃった紬くんの、ちょっと苦笑いな微笑みもよかった、、


本読みの時間

それからGOD座のシーンを経て本読みのシーンへ。
最初ってこんな風に読み合わせをするんだなあって、知らない世界を覗き見できるエーステのこの時間が、私は毎回とても好きだったりします。

劇中劇を観てから改めてこのシーンに立ち返ると、これからあの表現になるんだなあ…!!と胸がとてもざわつく感覚がとても楽しいです。

(てか、大千秋楽のこの時間のGOD座が自由すぎて、私は別次元のエーステに飛ばされたのかと思いました…あの時間はなんだったんだ、夢やったんか???笑)

本読みが終わった後に、台本を手に持って「いい本だなあ!」って言わんばかりに目の前に掲げる?紬くんが可愛くて、お芝居大好きだねえ^^ってほっこりしていたのは、荒牧さんの表現の細やかさに幸せを感じていたからかもしれません。


「花が綺麗」だと言うガイ

この前のシーンで「ジャスミンが綺麗だろう」って歌うシトロンのことを思い出してからの、紬くんの「ザフラはどんなところですか?」に対する、ガイさんの「花が…綺麗だ。」の返しにグッときちゃいますね。

ここの紬くんの登場シーン、めちゃくちゃ大好きで。
「花、好きなんですか?」の投げかけに対する、ガイさんの返答がNOだった時の「…そうですか。」のセリフ。
この荒牧さんの優しい声のトーンと微笑みに、私はとてつもない安心感というか、海のように深く広い心の器みたいなものを感じていて、なんだかこう、「今のガイさんの、ありのままを受け止めよう」みたいな、慈愛の心みたいなものを勝手に感じてしまって。
まるで、荒牧さんのやわらかさが紬くんを通して伝わってくるような素敵な表現に心底安心感を覚えたのは、きっと私だけじゃないはずだと信じたいです。笑

その後のやり取りで、そのセリフ通り「さびしいな」って顔をして「そうですか。」と言うところもまた、荒牧さんの表情の使い方の巧さがありありとうかがえるなあって、私はとても幸せでした。

最後、雑草を抜くところは荒牧さんもツッコミを入れていたのですが、ガイさんめっちゃ雑草抜くやん…ってちょっと我に返ったりしつつ、おふたりがボケてツッコんでいるのがほほえましかったです笑


それぞれの”本当の姿”に触れていく

そうして、これまでの公演を経て縮まった距離で見えてきたみんなの姿に、次はガイさんが触れていく時間へと時計の針は動いていく。

ここのそれぞれの歌が本当に私は大好きでした。
改めて、冬組ってどこか雪の冷たさが似合うような距離感は残っているけれど、誰かの手が冷たくなってしまったら、いつでもその手をにぎって温められるように自分の手は温めてあるから安心してよ、みたいな温かさを感じざるを得ないところがあるというか。(ちょっと何言ってるか分からないですね笑)


最初は誉さん。
「相手の気持ちを正確に理解できなくても、相手の身になって考えることはできる」
かつての誉さんに対する言葉がこんなにもぴったりとガイさんにハマる時が訪れるなんて…と言葉にできない、胸が空くような何とも言えない気持ちになりました。

それから「マシュマロを用意することは一人戦う彼に私が唯一してあげられること、だから苦ではないのだよ」って歌う誉さんが優しすぎるのも大好き…

そしてこの時の振り付けでありありと思い知らされる、田中涼星さんの手足の長すぎることよ…笑
ここで思うのもどうなん?と思うのですが笑、改めて涼星くんの手足の長さだったり身長の高さって、めちゃくちゃ舞台映えするし存在感になるし、アドバンテージにしかならんよなあって。
ダンスとかはコンマ何秒の世界でどうしても遅れちゃうって話をしていたので、いいことばかりではないかもしれないのだけど、頑張っても手に入れられない部分だと思うので!めちゃくちゃ活かしてほしいな~って切に思ったりしました!


長くなりました。次は密。
ここ!最初にマシュマロを抱いて眠ってる密が可愛すぎて。
それからその可愛さに反して「俺は過去と戦ってる」の歌い出しの音程が低くて歌声がギャップなのもとてもよい…好きだ…

穏やかな顔をしながらも「ガイ、君は俺と似ている気がする、君は何と戦ってるの?」と核心に迫っていくような歌やセリフがあるところも、ちょっぴりドキドキしてしまいます。

最後に「守ってあげなきゃって思うことがあるんだ」って歌うところはずるくて、オーガストに守られていた密がそんな…守ってあげたいだなんて…ってなっちゃったり、するよね。笑


それから東さん。
東さんの過去は何度聴いても泣けるし、本当に密と同じように「いま、隣にいてあげなくちゃ」って思わせるところを持てているのが逆に素敵だなって。
実家に行くシーンの歌唱も最高にのびやかな歌声で、堪大さん本当に東さんにぴったりだよ、寂しがり屋なところも全部。笑

ガイさんが頭をぽんってする気持ちも本当にこちらの気持ちとリンクするし、そういうちいさな心の揺らぎの積み重ねも相まって、ガイさんの心は徐々に溶け始めていたんだなあって、じんわり心が温まります。


そして最後に丞。
「自分のことを説明するのはあまり得意じゃないんですが…」って口火を切るのが丞らしく、そして「昔から演劇三昧」って続くのが本当に、丞だなあ…って思います、よね!笑

「俺のことを知りたいなら、ストリートアクトをするのがいちばん」って、一緒にストリートアクトをしたこともまた、ガイさんの心の琴線を震わせて記憶の糸をまたひとつ、手繰り寄せたんだろうなって思います。
そうやって知らないうちにたくさんの感情を心に降り積もらせることができるMANKAIカンパニー本当に…尊すぎんだろ…泣


私は紬くんのことも知りたかったのだけど、紬くんは板の上で感じてください、しか言ってくれなかったので…笑
なんだかもう色々と考えることを放棄しているからよくないのだけど、彼が自分を語らないのにはまた何か理由があるのだろうか…とすこし寂しくなりました。原作をなぞれば何か見えるものがあるのかな。

この曲の最後にガイさんが一緒に歌ってくれて、みんなの顔がぱあって明るくなるところが大好きだし、紬くんが「ガイさん」って声をかけてから(声は出していなかったのだけど)みんなで去っていくのが好きだったな。


MANKAI劇場で拾った、記憶の鍵

支配人と雄三さんの寸劇を箸休めに(めちゃくちゃ失礼でごめんなさい)、舞台はMANKAI劇場へ。

最初紬くんとガイさんが練習してるところ、ふたりでふざけあってて愛おしかった~!笑
ある日ガイさんに手を思い切りぺちんってはたかれて、「いてて」って手をぶらぶらさせてた紬くんめちゃくちゃ可愛かった、、そういう表現めちゃくちゃ大好きです。笑(これ、そういや終盤の夏秋組の動画の時に天馬もやってたな!細かくて好き!笑)

それからガイさんの記憶の彼方にある、「見覚えのある景色」にどんどんと記憶が刺激されていって。
ガイさんが過去の残像を観ている間にも、紬くんと東さんが「大丈夫かな?」って心配そうに近づいていくところが好きで。なんというか、やっぱりこのふたりだよなあって感じが私の中にはすごくあって。繊細さをほかの人よりも、ちょっぴり多く持ち合わせているようなふたりだなあって思っていたりしました。


そうして、記憶の扉が開く

ガイさんがカントクと話している脇で、ガイさんがアンドロイドではないと知った冬組のみんなが悩みながら話し合っているところがまた好きだったのですが。

そのあとの密と千景さんのやり取りも好きだなあ。
なにが、って言われたら言葉にしづらいのだけど、まだこのふたりの関係性の中で、昔のままでいる部分もきちんと存在してくれているんだなあ、みたいなものに、なんだかほっこりします。2幕のザフラで「大丈夫、春組には千景がいるから。」っていう言葉も然り。

そうしてガイさんが自分の情報を紬くんに「読んでくれないか」って言った時の、「知る権利がある」からの「わかりました。」までの荒牧さんのつくる”間”が好き。読んでもいいのかという迷いと葛藤、そして受け止める覚悟。それがすべて詰まった瞬間に、一緒になって緊張の糸を張る時間。
彼の間の取り方は本当に、こちらの感情を物語に寄り添った大きさに膨らませる余白をくれます。天才ですね、大好きです。

ガイさんが混乱して倒れてしまった時の「大丈夫、そばにいるよ」の歌い方がみんな最高に優しくてやわらかくて、どこをどう切り取っても愛。みたいな歌の時間がとてつもなく尊くて。眠るガイさんに、あたたかい言葉の毛布をかけてあげるような歌に、心がほどけながらもぎゅっとなる気持ちになっていました。あの時間、最高です。

そうして目を覚ましたガイが歌で語る、過去の物語。
ここさ、とにかく輝馬さんの歌が上手すぎて困る。(上手すぎて困るってどういう感情なん?って思うけれど、本当にそう。)
輝馬さんの歌の上手さに乗って心に流れ込んでくる歌詞から、ガイさんの感情ひとつひとつが丁寧に心の中に芽吹いて咲いていく。こんなにしんどくて鮮烈な華はないのだけれど。

この時に、紬くんが話を聴きながら微笑んでうなずいていたり、悲しい顔で見つめたり。そんな細やかな荒牧さんの表現が本当に大好きで、ガイさんの心の揺らぎに寄り添った表現をしてくれる荒牧さんの心の優しさが、私はとてつもなく大好きでした。だからあなたが好きなんです…って、それで泣きたくなるような。

「めずらしいおもちゃが面白かったのだろう。」と、どこかガイさんもそうではないことはわかっているはずなのに、そんな自分を下げる言い方をするガイさんに向かって、心の底から苦しい思いと一緒に言葉を吐き出すような紬くんの「違いますよ!!」が、とても素敵でよかったな…紬くんはきっと、自分を大切にしないことをきちんと怒ってくれるひとだから。

そうして「ガイがたくさん笑えますように」という言葉。
あれは…ずるかったですよね。「ありがとう、父さん。ありがとう、シトロニア。」と歌われてしまってはもう、泣くしかないです。
荒牧さんがうつむいて泣く姿を観てしまうとなおさら。「紬くんでいる」ことも大きいと思うのだけど、あそこまで感情を大きくして悲しみに寄り添える彼の心根の優しさに、毎回私は感動して泣いていた部分が50%だったかもしれません。いつもやわらかな心を持っていてくれて、本当にありがとう。

最後にここでもまた声を発さずに「ガイさん、」って声をかけて、くしゃくしゃの顔をふにゃり、と和らげながら一緒に歩いていく紬くんが大好きでした。1幕の最後、最高すぎるでしょ…とてつもない感情の嵐の渦をありがとうございました…


「とてつもない劇中劇」の開演

もうここですでに息切れしているのですが(頑張って)、私の最も書きたい部分は実はここにある!!!!!笑

まって、ちょっと「私」を全開にした物言いをさせていただくと、まず今回の劇中劇何???めちゃくちゃ最高すぎて無理だったんだが。(真顔)(急なテンションについていけない)

2幕始めで劇中劇が来ると思わなくて、「え?」って油断させられてからの、あの時間。あんなに最高すぎるとか聞いてない。(言ってない)
もう私は劇中劇の終演後に2幕は始まったばかりだというのにスタンディングオベーションをしたい気持ちでいっぱいで、最高すぎたことがしんどすぎて、その後の春組の「最高でしたあ~!(キラキラン)」みたいな(どんな効果音?)テンションについていけなくて、”一時停止ボタン”はどこかに設置されていないだろうか…と思っていました。笑(クソデカ感情すぎか)
私も「泣いちゃいましたあ~泣”」みたいな可愛い感想が言える、可愛い観客になりたかった…(厄介オタクの遺言?)

今回の劇中劇がどうしてこんなにもしんどくて最高すぎて大好きすぎたのかというと、それは紛れもなく「荒牧さんの表現する『クリス』が、私の勝手な解釈にどこを切り取ってもベストマッチしていたから」
こんなにも自分の頭の中に思い描く役の解釈をそっくりそのまま表現してくれることなんてきっとなかなかなくて(思えば紬くんの表現はいつもそうなのだけど笑)、そう思ったら勝手に嬉しくて。本当にクリスの表現、表情や声のトーンひとつとっても最高だったな。全部理解できたし、おこがましいけれど、ちょっとだけ荒牧さんの表現と心を繋げることができた気がして、とても幸せだったのです。

そもそも、普段から「なんか違うなあ」って思うことなんてないのだけど、だからこそ「同じだ!!!」って認識したということは、それだけピタッとはまっていたということなのかなあと。なんとも幸せで嬉しいことです。ファン冥利に尽きます。

あーあーあー、内容にいくまでにめちゃくちゃ長くなっちゃったよ。笑
今回の「怪人Fと嘆きのオペラ」、本当に最高すぎました。

輝馬さんの歌唱力が怪物なのはもう1幕終わりの歌で周知の事実だったので、改めてここで歌唱力に殺されて、すごく心地よかった…(変態だな)

そして何よりも、荒牧さんのあらたな歌声を聴けた気がします!
荒牧さんのオペラの歌い方?は今まで知らなくって、歌声こそ今までたくさん聴いてきたけれど、「めちゃくちゃ荒牧さんの声にフィットしてる!」って思った印象。きっと、たくさん練習したのかな。素敵な歌声にするために苦労したことも多かったかも…と思ったら勝手に、本当に心から頑張ってくれてありがとう、って気持ちが湧いて止まなくなっちゃいました。気持ち悪い熱量でごめんなさい。


歌で「うわああ!!!」ってなった部分は書ききれないほどあって。
まずは歌い出しのカールと一緒に交互に歌うところ。「光への憧れ」が優しい憧れで「炎の揺らぎ」が強い揺らぎなところ、めちゃくちゃ心持っていかれました。我ながら感受性おかしない?笑

その後のリチャードに挨拶するシーンで、挨拶を遮られた時の感情をぐっと飲み込むような表情がまた…最高に巧い…その後の「サロンで歌う方がお似合いだ」って言われた後の「そう…かな」の視線のそらし方と声の出し方もめちゃくちゃ素敵すぎましたね。

ここは過去に、紬くんがレニさんに「君の芝居には華がない」と言われたところを彷彿とさせます。そのあとのラウルの「お前にはお前の良さがあるだろう」と言われるところまでも含めて、過去をなんとなくなぞっている感じがぞわぞわしました。

その後の「もっと心にそっと沁み入るような」の歌い方がとてつもなく優しくて、羽がふわふわと舞って落ちるかの如く、まさに「心にそっと沁み込んで」きてくれる歌声が本当に天才すぎました…大好き…

ファントムの「もっと心にそっと沁み入るような」は、のびやかで清流のような感じ。その歌声を受けた「今の歌声は誰が…いや、そんなことよりも!」のセリフの後に「これはまさに求めていた声だ」みたいな、好きでたまらない、みたいな顔をするところが最高すぎて。この一瞬で恋に落ちました、っていうような、まさに一目ぼれな感情の揺らぎがとてつもなく好き。

続く「歌は音の羅列じゃない」とファントムが歌う声を、目を閉じ手を胸の前で結んで聴きながら、その歌声にたゆたうように顔をあげて歌い出すクリスが大好きで、まるでファントムの歌い方を吞み込んで自分の表現として吐き出すような表現に「うわあ…最高。」ってなりました。

その後も最高すぎる表現はどんどんと続いていく。
「僕にあなたの歌を教えてください!」と言う表情はもう完璧に恋だし、もうすでにあの時点で恋焦がれる表情をして鏡の中を見つめるクリスがもう…本当に大好きすぎて、自分の身体が前のめりになるのを抑えるのに必死すぎました。笑

そして「僕が欲しいのは歌」と歌う声がすごくのびやかで堂々としていて。
その姿を観た瞬間、荒牧さんのこの姿を観られた私は本当に心から幸せすぎるって、なぜだか分からないけれどその堂々たる姿に心を揺さぶられすぎて泣きそうになって、手が痛くなるほどに握りしめて見つめてしまっていました。あの心の高ぶりは今でもずっと忘れられません。本当に荒牧さんの表現が大好きでよかった幸せ。

その後にファントムから「声を渡された」後のクリスの自信に満ちた表情と歌声、本当に最高すぎたなあ…思い出しただけで幸せだあ…笑


シーンが変わって、「僕の代わりに歌ってほしい、君は舞台に立つべき人間だ!」のセリフの気持ちのこもり方が最高で、「歌を届けたい」と歌う時にファントムがクリスの首に手をかけるところ!視線を落としてからまっすぐ前を見つめる荒牧さんの視線の動かし方が最高にかっこよすぎるし、「届けてほしい」と歌う時には心から願うような表情にはとてつもなく心を揺さぶられましたね…

それから少し進んで、「憧れることを許さない」の時の手を伸ばすときの辛そうな表情が本当に私の中でしっくりきすぎているし、その後の「亡霊よ、君はどこへ~」の部分、心から疲弊して泣きそうな声なのも最高な表現すぎます。

ご本人も仰っていたけれど、「すべてを取り上げられました」みたいな、恋焦がれた憧れの対象に会えなくて、歌が聴けなくて、悲しみに暮れて生きる力を消失しました、みたいな喪失感に満ちた表情で後ろを向くところ、本当に解釈の一致すぎました…

そんな眼の光を失った状態でまたこちらを向いたとき、めちゃくちゃ強いまなざしになっていてびっくりしちゃった…
あの瞳には私は本当に吸い込まれてしまいそうだったし、そうした表現で心を惹きつけてくれる荒牧さんのお芝居に、私は今日”出逢い”に行ったの。そんな気持ちでいっぱいだったのです。


そしてまた少し進んで、ファントムの名前がエリックだと知るところ。
ここで「エリック、」って名前を噛みしめるように呼んでから、本当に心の底から再会できたことを喜んで泣きそうになっている声と両手をぎゅっと結ぶ仕草も、そのエリックへの熱量も私の中で最高でした。
改めて思い返しても最高すぎて泣きそうになるくらい、荒牧さんの表現がこんなにも私の頭の中を表現してくれているようで、こんな幸せがあっていいのだろうか?としんどさが増しすぎて大変です。笑

この後、舞台が暗転してリチャードを追い詰めていくシーン。
ここ、エリックが来てくれた時のクリスの表情めちゃくちゃ観たかったな~~ってずっと思ってました笑 サイド席前方辺りだったら観られたのかな、、って考えるオタクです。笑

エリックがリチャードの首に手をかけた時、クリスが駆け寄ってきて「僕は君の歌が聴きたいんだ」って言う時の泣きそうな声がとても…本当になんでそんなに心を込めて泣きそうに言ってくれるの…最高だよ…ってしんどすぎました。
その後エリックが目を見開いてゆっくりとクリスを見てから手を緩めるところ、最高に好きだったな。配信で初めて知ったのだけど、、笑
私は「ここでエリックは心を許したんだな」って思って、勝手にエモくなっていました。


そしてそしてクライマックスへ!!
ここがいちばん私は大好きでした。本当に大好きすぎて泣きたい。
火事から逃れるためにラウルはクリスを連れて行こうとするけれど、クリスは「エリックがまだ…!!」と言って振り切って「僕と一緒に!」とエリックに手を伸ばす。

ここ、凱旋公演の終わりごろに倒れ込むようになったんですよね。(多分)
最初に倒れ込んだ時なかなか起き上がらなかったものだから、私は荒牧さんが足を痛めたのではないかと心配で心配で…杞憂でよかったよ本当に…
でも倒れ込むことで必死にラウルを振り切って「何が何でもエリックのもとへ!」みたいな、その気概と必死さがすごく伝わる表現になって最高すぎたので、偶然の産物すらも表現にして取り入れてしまうだなんて、やっぱり信頼できる俳優さんだわ…なんて偉そうなことを思っていました。本当に私は荒牧慶彦という俳優さんが最高に大好きなんですよ。

それからの「友よ、」と言うエリックに心底ゾクゾクしました。
ついにエリックはクリスを友として認めたんだ、と思うと同時に、こんな別れの足音が聞こえる中でやっと友になれた嬉しさを噛みしめることもできず、届かない手を必死に伸ばすことしかできないクリスの心情を思うと、私は涙が止まらなくなってしまいます。

立ち上がって出口へ連れて行こうとするラウルの手を振り切る時、エリックから目を離すことなく釘付けにされているような眼差しなのがとても大好きすぎました。
エリックの歌声に心酔して心を鷲掴みにされて惹き寄せられるような、まるで恋に落ちた相手を見つめるような熱い視線
エリックに近づきながら手を結びかけている時の、幸せに包まれた微笑みもまた、私の中のクリスの心情ともぴったりとリンクしていて最高でした。

ここのクリスがエリックを見る瞳が、本当に解釈の一致すぎたのです。
恋焦がれた憧れの歌声が、自分のために捧げられている幸せ。それを考えると、やっぱりあの恍惚な熱く焦がれる視線になると思うし、心から満たされるような幸せに満ち溢れた笑みになると思うんですよね…なんだか色々と違ったらごめんなさい。


そうしてオペラ座が焼失した後。
何もかもを失って空っぽです、っていう抜け殻な虚無感に満ちた表情もめちゃくちゃ「それだーっ!!!」っていう顔すぎて。笑
そんなクリスを気にかけて、すこしトーンをあげて話しかけるラウルの言葉も全然響かない。うなだれて踵を返しかけた時に、エリックの歌声の残響が聞こえて顔を上げてからの掠れた「歌が…」の声が切なすぎて。その後最後暗転する直前に、エリックの最後の歌にまた会えたクリスの少しの微笑みも最高すぎました…はあ、本当に泣きそう。笑

そして最後。
手を伸ばしながら辛く苦しい表情をしてからの、階段を上って一番最後エリックの腕が回った時の嬉しそうな表情が今でも忘れられません。
本当に最初から最後まで最高な表現と歌声すぎて、また新たな荒牧さんの顔を観ることができて、心から幸せすぎる時間すぎました。この熱量の大きさと感動の深さは、ここまでの文章の長さが物語っていることでしょう。笑


宿敵との再会

そうして劇中劇が終わったわけですけれども!(これだけで1記事書ける長さよ!笑)
その後いくつかシーンを挟んで、街中を冬組6人で歩くシーン。
GOD座が現れた時に、紬くんが背を向けて奥でひっそりとしてる姿に、顔を合わせたくない…っていう気持ちがすごくすごく込められていて笑、しかも声が聞こえた瞬間に「はあ、また来たよ。」って顔してるのめちゃめちゃ可愛いかったです。笑

でもでも、そんな中でいざエチュードバトルをするぞ!ってなった時に、ジャケットの襟をピシっと正しながら気合い入れてる紬くんかっこよすぎ!
歌詞もセリフもない中でも、きちんと怪人Fと嘆きのオペラの世界観が伝わる表現で、その中で魅せてくれる表情もとても大好きだったな。

敗北した後に「どうしてエチュードバトルを受けたんですか?断ってもよかったのに」って言う声が優しいのも好きでした。そして、そのガイさんの返答を聴いて嬉しくなる表情も!


ザフラへ向かう決意

冬組の公演期間を終えたガイさんは、シトロンの気持ちを確かめに行くため、ザフラへ行くことを決意。
「一緒に行きます」と言う咲也や春組のみんなのそばで、「自分たちも」って声は出さず”声をかける”紬くん、グッときたな…

「俺たちも行きますよ。」って言う時の紬くんがすごくすごく頼れるリーダーの顔をしていて、めちゃくちゃ惚れました。不安な時にそばにいてほしい。笑

このシーンの後、紬くんとガイさんのふたりで花壇のお手入れをするところ。めちゃくちゃよかったな…
「ついていくと言ったのは俺たちです。」「シトロンくんに会いたいという気持ちも、みんな同じですから」ってセリフ、めちゃくちゃ紬くんだし、多分私も同じように返すだろうなって思うからなおさら、紬くんのこの返しがとても好きだなあって、紬くん、好きだなあって、改めて心がじんわりしてました。

「すべてに満足して終われた公演なんてひとつもありません」
「立っていた舞台を簡単には忘れられない」
物語の中のセリフだけれど、俳優さんも実際にそう思っているのかな、ってすこし色々と想いを馳せてしまいました。

観客は(少なくとも私は笑)こうやって、公演が終わっても「あの時のあの表情よかったなあ」なんて思い返しては、いつまでも想い出に浸ってしまっているけれど、応援しているあなたはどんどんと次に待つ新しい世界に行ってしまうから。
だから、いつまでも想い出を引きずっていてごめんなさい、なんて気持ちになることも実は多かったんです。そう、今もまさに、そんな気持ちです。


ザフラでの公演

ここはすこしだけ書いておきたいのだけど!
ザフラでシトロンが冬組の公演を観てガイさんの変化に気づいた時、きっとめちゃくちゃガイさんに会いたいと思っただろうなあって感じていて。

自分のいないMANKAIカンパニーに流れた時間の中で、自分ひとりではどうしようもできなかったガイさんの心が溶かされて温められて。そうして、本当に”会いたかった”ガイさんの本当の姿に会えて。このシーンだけでもめちゃくちゃエモすぎる。私だったらすぐに駆け寄って行きたいもの!笑


本当の、大千秋楽公演

「次で、本当に最後だね。」
そう言って遠い目をしながら手をぎゅっとする紬くんの姿を、今でも忘れられません。
それは多分、エーステを卒業する荒牧さんの気持ちも勝手に私がリンクさせていたからだと思います。

そのセリフの後にガイさんが歌う時に、ニコッと笑って差し伸べられた手を取ってガイさんの胸にぽんって置くところめちゃめちゃ好きだった。あの時の歌本当に泣けますね…

ガイさんと、これからも。

帰国後、「大千秋楽は中途半端に終わっちゃったね」と言いながら6人で話すシーン。
これからもガイさんが冬組に残ってくれることを喜びながら、ガイさんの「ありがとう」という言葉に、"ううん"、って首を横に振りながら微笑んでた紬くんが優しくてとても好きでした。

それからテーマのANSWERSですもんね…
荒牧さんも配信で仰っていましたが、まさに最終回のエンディングにオープニングテーマが流れるやつ!この演出ずるない??泣けるやん…

このANSWERSを歌っている時の荒牧さんの表情が可愛かったりかっこよかったりでくるくると変わっていて、表情が変わるたびに私は「ひぇっ!」ってなって感情が忙しすぎました。笑 めちゃくちゃかっこよかった…そして笑顔がとても楽しそうなのがすごく観ていて幸せで。荒牧さんが楽しそうにパフォーマンスできていてよかったな、って心から嬉しくもなりました。紬くんでいることを楽しんでくれてありがとう。


永遠じゃない時間を、これからも。

ラスト、やってきました。ここ本当に毎回泣いてました。泣くしかないでしょ!笑

大千秋楽のことを書きたいのですが、いつも以上に「残念だけど…永遠なんて、ないんだよね。」という言葉が、もうズシンと心にのしかかってきて響いてきて、そうだ。この永遠じゃない時間は、もう今日でおしまいになってしまう。という寂寥感がすごくて。

それをいちばん感じていたのはきっと荒牧さんだと思うし、その気持ちがすごく伝わってきたのが、最後咲也の手を取ってセリフを言った時。
手を握りながら咲也に想いを託すように、ひとつひとつ言葉を渡していたあの光景はきっと、ずっと忘れられないと思います。


あのシーンで泣いていいのは大千秋楽だけだと思ってたから。
だから毎回グッときてもこらえてた。
物語の中では、紬はまだこれからもずっとMANKAIカンパニーに居続けるから。

ニコ生『ゆるまきば』より


ああだめだな、今思い出しても泣けてきました。笑
きっと想いの大きさは荒牧さんに比べたら全然だと思うのだけど、それでも同じ物語の中ですこしだけ同じ時間を一緒に過ごさせてもらって、同じ景色の色を感じさせてもらって、そうして過ごしてきたから。

「最後は笑って終えましょう、カントク。」なんて言っていたのは荒牧さんなのに!笑
いちばんに泣いてくれました。彼はそういうひとです。そういうところが大好きです。笑


あとがきの時間

と、いうことで。
本編について色々と書き記す時間が終わりました。
まず、無事に書き終えられてよかったです。何度心が折れそうになって、諦めようと思ったことか。
なんとね、ここまでで13,260文字あります。は?

クアドラプル(トリプルの次はこう言うらしいよ!)まで起こったアンコールとスタンディングオベーションが、全てを物語っていたと思います。
ここまでたくさんの観客の心を、月岡紬として揺さぶり続けてくれて、本当に心からありがとうございました。

正直、私はこのMANKAI STAGE『A3!』という作品で「月岡紬を演じる荒牧慶彦」に出会わなければ、きっと今も荒牧さんを好きになって応援する未来は訪れていなかったと思います。

でもだからといって、紬くんを卒業した荒牧さんを好きじゃなくなるかと言われたら、全くそんなことはなくって。
確かに紬くんを演じてくださる時の荒牧さんのお芝居が、私はいちばん好きだったと思います。あれほどに役の心の機微を細やかに感じ取れるお芝居を観ることができることは、私にとってとても素敵で充実した心地よい時間だったから。

でもさ。"残念なことに"、もうその時間がなくても十二分に、荒牧さんのこと、荒牧さんのお芝居のこと、本当に心から大好きすぎるわ…って思えるようになっちゃったんですよね。笑
(私にとっては最高に嬉しくて幸せなことなのだけど、荒牧さんにとっては…どうだろうか。という意味で、ここでは「残念なことに」と言い置いておきますね。笑)


改めて。
エーステに、月岡紬に、出逢ってくれてありがとうございました!
そしてその先で、私とも出逢ってくれてありがとう!
長い間、本当にお疲れさまでした。

本当に幸せだった。
あなたのお芝居がこんなにも私を幸せにしてくれて、時に泣き出してしまう心のゆりかごになってくれて、たくさんの愛をくれました。いや、全部勝手にもらいました。本当にありがとね。

なんだかこれでお別れみたいな言葉になっちゃったけれど、全然そんなつもりはないです。笑
むしろ、これからも続く果てしない俳優という旅路を、荒牧さんのことが大好きな人間として見届けさせてくれたら嬉しいな。


それでも、いつまでもあなたが演じてくれた紬くんのことを思い出せば幸せで。

いつまでも。
あなたが演じてくれた紬くんのことを、心から愛してるよ。



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