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私が受けたトラウマケアについて

こんにちは。今日は私が受けたトラウマケアについてお話します。

実はそろそろ有料記事でも書いてみようかと思い、「次こそは記事を有料公開にしよう」と内心決めていたのですが、
今回の話も生きづらさで悩む皆さんにどうしてもお伝えしたい内容だったので無料で公開することにしました。

この記事はこんな方に読んでほしい記事です。
 ・PTSD(心的外傷後ストレス障害)で悩む
 ・日常生活で過去のショッキングな体験を何度も思い出してしまう
 ・ASD(自閉スペクトラム症)を持っている

私はとある心療内科でこのトラウマケアに出会い、実際にケアを受けてみたことで日常でのフラッシュバック癖がなくなり、生きづらさがかなり軽減されました。
今回は私の経験を主軸にお話します。少しでもお役に立てていただければ幸いです。


1.私の特性について

私は医師による正式な診断を受けたわけではないのですが、ASDの特性をいくつか抱えています。
なかでも「過去の嫌な経験が、日常生活のなかでフラッシュバックする」という特性を非常に強く抱えていました。
状況や文脈が関係なく、過去の思い出が急に脳内に侵入します。
あたかも、自分が「今そこにいるように」記憶が蘇り、その時に抱いた嫌な感情(恥・怒り・悲しみ・屈辱感など)に飲み込まれます。

過去の嫌な経験というのは、家族や恋人からの虐待・DVや生命の危機に関する経験などPTSD患者の抱えるような「トラウマ」ほど辛いものではなく、パワハラ上司の恫喝やスピーチで恥をかいた経験など、トラウマほど重大ではないが二度と経験したくないというようなものです。
また、「友人に余計な一言を言って怒らせてしまった」など、より些細な経験もフラッシュバックすることもありました。
「心的外傷」を意味するトラウマは、厳密な医学上の定義では、生命やその人の存在に強い影響をもたらす事象の体験のことを言うそうです。子どもの時に受けた虐待もトラウマの例としてよく挙げられますね。PTSDの治療自体もベトナム戦争の帰還兵の心のケアから始まったとのことです。

また、記憶が侵入するときはほぼ毎回、身体に何らかの反応が表れます。
私の場合は特に身体が硬くなったり顔をしかめてしまうことがありました。
他人とご飯を食べているときに急にフラッシュバックが起こり顔をしかめてしまい相手に驚かれることもありました。


2.トラウマケアとの出会い

2年前にコロナ禍のストレスや仕事の人間関係などで会社の産業医に相談したことがありました。そこで「投薬に頼らない心療内科」をおすすめされました。
最近よく話題になるブレインクリニックのような、ややビジネス色の強い心療内科だったので若干心配になりながらも、医師に「過去の嫌な体験ばかり思い出してしまい生きづらい」という話をしました。
医師からは「『ブレインスポッティング』というおすすめのケアがあるよ」とオススメされました。
トラウマ体験とは生命に関わる重大な体験と説明しましたが、この「ブレインスポッティング」というケアは、重大なトラウマだけでなくスピーチで恥をかいた経験のような些細な経験にも効果があるとのことでした。


3.ケアと効果について

ケアは2週間の期間をあけながら計3回にわたって行われました。
ケアは、心理士さんと1対1で向き合って座り、心理士さんのガイドのもとで、過去の嫌な経験を思い出しながら「ある事」を行います。
そして、その最中に自分の身体の反応に注目していきます。
(「ある事」についてはあえて詳細を述べません。内容を全て把握してからケアを受けると効果が軽減する可能性があるかもしれないからです。)
最初は嫌な経験を思い出すと、身体の上半身が熱くなったり呼吸が浅くなったり、と普段のフラッシュバックと同様の反応が身体に表れました。
しかし回数を重ねて「ある事」を繰り返していくと身体的反応が起こらなくなり、思い出した時の嫌な感情も消えていきました。
「自分が今そこにいるような」感情を伴った記憶の蘇り方をしなくなりました。

そして、3回目のケアの後に驚くべき効果が出ました
日常生活におけるフラッシュバックが一切なくなったのです。
今までは誰かと話していても急に嫌な思い出が侵入し、その場で顔をしかめていたのですが、それが全くなくなりました。
一人で家事をしている時もフラッシュバックは起こりません。
心理士さん曰く、理由は「自信がついたから」とのことでした。
嫌な経験を思い出しても感情や身体的反応を伴わないことを、心理士さんの前で実際に体験してみて、脳が「過去の経験を思い出しても、もうちゃんと対処できるから大丈夫だよ」と潜在意識レベルで理解したそうです。
その結果、逆に思い出すことが無くなったとのことです。

ちなみに、一般的にはケアを5〜6回受けるとフラッシュバック癖が消えるそうです。私はたった3回で完全に消えました。
心理士さんに聞いてみたところ、私の過去の経験が同じケアを受ける一般的な人と比較して強烈でないことが理由とのことでした。
また、私は普通の人より自分の身体の感覚に意識を向けることが得意だそうです。
これは普段から積極的に瞑想やマインドフルネスを実践しているからだと思います。

(瞑想やマインドフルネスについても今後お話しする予定です)


4.ケアを受けるには

ブレインスポッティングは米国で開発されたものですが、残念ながら日本で受けられる心療内科やクリニックは限られているそうです(都内や大阪ではいくつかあると聞きます)。
しかしオンラインで受けることもできるそうです。

私の知人にオススメしたところ、彼はZoomを通じて受けたようで、きちんと効果が出ていたようです。
気になる方はググってみてください。
ちなみに対面のケアの値段ははっきり覚えていませんでしたが、3回で15,000円くらいでした。確かに値段は高いですが、フラッシュバック癖が完全に消えるとすれば、お金をかけるべき価値は十分にあると思います。


5.その他

私はブレインスポッティングのケアと並行して、書籍を通じてトラウマについて学習を進めました。
トラウマ体験やフラッシュバックが引き起こされる原因を脳の仕組みについて学びながら理解しました(右脳・左脳の仕組みや扁桃体の働きなど)。
また、なぜASDの人はフラッシュバック癖を抱える人が多いのかということについても自分なりに学びました。
説明すると長くなるので特に今回は触れません。

私は何事においても問題に対処する前に、必ずその原因を探ることから始めます。
今回の学習がブレインスポッティングの効果に影響を与えた可能性は低いと思います。
しかし、発達障害やうつなど自分が抱える問題について原因や仕組みを理解すると対処法が考えやすくなるだけではなく、「自分が悪いのではなく、脳が影響をもたらしているんだな」と考えられるようになり、問題を切り離し自責の念を和らげることができようになります。
なので知識を入れることはとてもオススメです。

私が読んだ本は下記の2冊です。どちらもすごくわかりやすいのでオススメです。


6.さいごに

いかがでしたでしょうか。
少しでもご興味がある方はぜひ受けてみてください。
フラッシュバック癖がなくなるだけで、「日常生活がこんなに楽に送れるようになるのか」と感動するはずです。

また、ケアは自分で行わおうとせずに必ず心理士さんのガイドのもとで行ってください。
かなり激しい記憶を思い出す際は一人でやろうとするととても危険です。

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
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それでは、少しでも生きづらさを改善できるように、これからも一緒に努力していきましょう。
ごきげんよう!


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