見出し画像

『お父さんはユーチューバー』本日発売です

『お父さんはユーチューバー』が本日7月14日発売となりました。

作家になっての醍醐味といえば、自分の本が書店さんに並ぶところじゃないでしょうか。

夢を叶える光景を強くイメージするといずれ現実になるといわれますが、僕も作家になる前は、自著が書店に並ぶシーンを思い描いていました。

作家という夢の象徴が、このイメージなんです。

ただ無邪気に発売日を嬉しがれるのは、最初のデビュー作がピークなんですよ。

というのも次回作から、「売れなかったらどうしよう」という不安も同時に浮かぶようになるからです。

初めてのデビュー作だと、まだその不安を現実として感じられないんです。

ネットで発表したり、趣味で小説を書いているだけならばこんな心配しなくてもいいんですが、商業出版はビジネスでやっています。

結果が伴わないと次回作が出せないんです。

野球もサッカーも芸人もプロの世界は厳しいものですが、作家もそれは同じです。

あなたが一万分の一の確率を勝ち抜いてプロデビューできたとします。今日は新人賞の授賞式です。

「これで俺もプロの作家だ」と意気揚々とし歩いていると、肩をポンと叩かれます。

振り向くと、先輩の作家でした。何かお褒めの言葉をかけられるのかと期待していると、先輩作家がこう言いました。

「楽しいのは今日だけ。あとは大変だよ」


テンションが下がることを言われて、あなたはむっとします。

これって新人賞あるあるなんですよね。よく先輩の作家さんが激励の意味を込めて、新人作家に厳しい発言をするんです。

というのもプロになることより、プロの作家で居続けることの方が何十倍も難しいんです。

一万分の一を勝ち抜いてプロになっても、そこから生き残るのは百人に一人だというのはそういう理由なんです。

だから本の発売日は、嬉しさと不安が同時に押し寄せるというわけですね。

これが嬉しさだけになるのは、「売れた」という結果ですね。売れると重版がかかります。

『重版出来』という漫画がありましたが、重版とは出版社にとっても作家にとっても大変めでたいことなんです。

作家にとって本が売れると経済的にも助かりますが、『今後も書けるポイント』が貯まるんです。

昔とんでもなく売れていたけど、最近はさほど結果が出ていないのに新刊が出せている作家さんっているじゃないですか。

それはかつて貯蓄したポイントを消費しているわけです。だから売れたという結果は作家にとって本当に大事なんです。

ということでみなさん『お父さんはユーチューバー』を買って、ポイントを貯めさせてください。





この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いします。コーヒー代に使わせていただき、コーヒーを呑みながら記事を書かせてもらいます。