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映画「あのこは貴族」をみて思ったこと

東京に生まれ、箱入り娘として何不自由なく成長し、「結婚=幸せ」と信じて疑わない華子。20代後半になり、結婚を考えていた恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされる。あらゆる手立てを使い、お相手探しに奔走した結果、ハンサムで良家の生まれである弁護士・幸一郎と出会う。幸一郎との結婚が決まり、順風満帆に思えたのだが…。一方、東京で働く美紀は富山生まれ。猛勉強の末に名門大学に入学し上京したが、学費が続かず、夜の世界で働くも中退。仕事にやりがいを感じているわけでもなく、都会にしがみつく意味を見いだせずにいた。幸一郎との大学の同期生であったことで、同じ東京で暮らしながら、別世界に生きる華子と出会うことになる。2人の人生が交錯した時、それぞれに思いもよらない世界が拓けていく―。

https://anokohakizoku-movie.com/

私は大学時代だけ東京に住んでいたのですが、
移住してきた身だからこそ、いろんな場所に行ってみたくて
住む人以外利用しなさそうな駅までも、降り立ってみては
散策していた頃を思い出しました。

心配性の親の意思で強制的に女子寮に入れられた1年目、
大学を再入学し、居住地を移した2年目
それからあれこれあり、一度実家の九州に帰り
また東京へ戻るなどあり、
板橋区・武蔵野市・港区の3エリアに住んだ経験があります。

同じ東京とは言っても、街によって
そこにいる人のタイプが違うのが面白いところだな
と思っていました。

私のイメージだと、
原宿は制服を着たキャピキャピ高校生が集まってて騒がしくて。
各大学の最寄り駅周辺は、上京した感で垢抜けない大学生が多くて。
下北沢はサブカル系&古着ファッションが多くて。
広尾とか代官山は裕福な雰囲気で、時間の流れがゆったりしているように感じたり。

振り返ってみると、私が東京にいた数年の中でも、
遊びに行くエリアが少しずつ変わっていました。
今思うと、よくあんなとこ行ってたなぁ・・・って場所もあります。

いま住んでいる福岡では、
東京ほど棲み分けはされていないので、
やっぱり東京は首都なだけあって、面白い街だな感じます。


それをこの映画では、東京を舞台とした階層格差を描いているんですよね。

一人は、基本移動はタクシーでドアトゥードアのお嬢。
もう一人は、田舎から上京して、学費をバイトで工面する苦労人。

ただ、裕福であっても、見えないレールの上を走らされて、息苦しく感じる姿があったり。

一方で、苦労しながらも一人で逞しく生きる術を身につけ、自由を手に入れる姿があったり。

深く腹落ちする数々の名台詞やシーンが詰まった映画でした。


最後に、今の私の心に一番響いた言葉を書き留めておこうと思います。

どこで生まれたって、最高って日もあれば、泣きたくなる日もある。 でも、その日にあったことを話せる人がいるだけで、とりあえずは十分じゃない? そういう人って案外出会えないから。

美紀のセリフ

個人的には、お嬢の華子が
使ったこともないであろうビニール傘をさして、
タクシーでしか通ったことのないであろう街を、
歩く姿もとても印象的でした。

「他の誰でもない自分の人生だから、自分の足で立って生きよう」という決意を感じる瞬間だったから。

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