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【ショートエッセイ】たかが趣味、されど趣味

筋トレを本格的に始めて一年が過ぎた。
それなりに努力をしてきたつもりだ。
かなり筋肉が付いてきて、体も一回り大きくなった。

よく人に言われることがある。
"そんなに筋肉を付けて、ボディビルのコンテストにでも出るつもりなのか"

ぼくは顔には出さないが、この質問をされるととても不愉快に思う。
そこですかさず返す言葉がある。
"ドライブが好きな人は、みんなパリダカールカリーに出場しないでしょ"

あくまでも趣味だ。
腕や胸の筋肉を大きくしたいだけのことだ。
それ以上の目的はない。
たかが趣味でやっていることなのに、何でそんなことを言われなきゃいけないのだろうか。

マラソンに度々出場する知人がいる。
年齢は60歳を過ぎている。
ぼくは心から敬意を払う。
日々、トレーニングを続けていなければ、とても為せることではない。
何よりも走ることが好きで、それを極めようと果敢にトライする姿勢が素晴らしい。

特にオリンピックを目指しているわけではない。
しかし自分のできる範囲で、自分のスキルを極めようとしてこることに、変わりはない。

それをいい歳して何をしてるんだろうと笑う人もいるだろう。
ではその人に聞きたい。
"何かを極めようと直向きな努力をしたことがありますか?"

そんな人ならどんな努力も笑わないし、受け止めてくれるはずだ。

ある日、筋トレをしていたら細い体の人がベンチプレスで必死にバーベルを持ち上げていた。
顔をへの字にして頑張ったけど、上げ切らずに潰れてしまった。
かっこ悪いけどカッコいい。
ぼくは心の中でつぶやく。
"ナイストライ!"



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