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実は身近な摂食障害

はじめまして、凜と申します。
この記事にたどり着いてくれた人はどんな人がいるでしょう。
タイトルの通り、ここでは「摂食障害」について、私が軽い気持ちではじめたダイエットから経験してきた辛かったことを書いていきます。
摂食障害とはいわゆる拒食症・過食症のことであり、ここで書いていくのは私の自分自身の経験です。
私は医師ではありませんし、専門家ではありません。
病気についての理解などは全て独学であり、私の経験です。
その点だけご注意の上で、少しでも気になれば読んで見て下さい。

ざっと目次
①はじめに 自己紹介
②私自身の摂食障害
③回復
④おわりに

では、早速自己紹介から失礼します。
私は現在22歳、この4月より新卒社会人となりました。
高卒後はひとり暮らしで某大学にて外国語を学んでおりました。

本当にざっくり、ですが。笑
では、本題。私が闘ってきた、闘っている摂食障害について。

私は幼い頃、自身の体型で虐められた経験を持ちます。
身長150センチ小柄、体重はやや重めでぽっちゃりさんだった私。
中学時代は3年間、この体型でデブ・肉団子などと言われ虐められました。これ以来、私は自分の体型へのコンプレックスを激しく抱き続け、現在に至ります。
いま、ダイエットをがんばっている!とにかく痩せたい!
そんな気持ちで自分磨きをしている女の子達には同じように体型にコンプレックスを抱くきっかけになった出来事があるのではないでしょうか。

体型について激しいコンプレックスのあった私は、高校に入学して環境が改善されてもなお自分の身体を好きになることができず、私服では脚のラインのでるパンツを履くことはできませんでした。今でも、私服では絶対にスカートと決まっています。

大学生になり、ひとり暮らしをするようになってしばらく。
コロナがはやり始めると、私の生活も一変します。
大学3年生になり授業も減り、殆ど家から出ない生活になりました。そんな中であるときふと、本当にふっと、思いついたのです。

「おうち時間、自分磨きをしよう」
じゃあ何を磨けば良いだろうか…そう思ったとき、真っ先に浮かんだのはダイエットでした。ダイエット。痩せる。痩せて綺麗になる。もともと真面目で勉強好きな私はやると決めたらとことんやるタイプで、まずはダイエットについて情報収集をしました。

皆さんも日頃実感しているかもしれませんが、世の中にはこれでもかというほどにダイエットに関する情報があふれかえっています。グーグルでもインスタでもツイッターでも本でも、一言「ダイエット」と調べるだけでありとあらゆるダイエット情報が集められ、食事方法や運動方法など、本当に飲み込みきれない情報が集まります。当時の私は毎日そんな情報とにらめっこしながら、食事を制限し、筋トレを始め、とにかく空いている時間を全てダイエットで埋めていくようになりました。

ここでは詳細に書きませんが、主に私がやっていたのは極端なカロリー制限と運動で、毎朝体重計に乗ると減っている体重にそこはかとない達成感と快感を得、見た目に現われていく変化がたまらなく幸せでした。減っていく体重に比例し、私はダイエットにこれでもかとのめり込んでしまったのです。
同時に現れ始めていた、身体の不調には気づかないふりをして。

当時極端なカロリー制限により現われていた不調は、
・生理が来なくなる
・立ちくらみがする
・眠れなくなる
・集中力がなくなる
・ひどい頭痛がたびたびおきる
・便秘、髪のぱさつき、肌荒れ

などなど。
通常であれば何かおかしい、と気づけるような酷い体調不良もありました。歩いていて突然歩けなくなったり、気を失うほどの頭痛が起きたり。しかしこのダイエットにのめり込んでいた時期、不調に反して心は常にハッピーで、いわゆるダイエットハイになっていました。「痩せているから幸せ」「もっと痩せたい」頭の中はそれしかなく、頭の中はカロリーと体重などの数字だけ。自分でカロリー管理ができない食事、つまり外食やテイクアウト、ジャンクフードなどは悪。甘い物も悪。我慢できないのは根性なし。私の考えはとても偏り、ストイックになり、友人と出かけるときにも事前になるべく健康的でカロリーに支障のない食事がとれるお店を徹底的に調べ上げていました。

今私はこの時期の行動を深く後悔しています。
もっと行きたいところへ行けば良かった。
もっと食べたいものを素直に選んでいれば良かった。
友達との時間を、家族との時間を、大事にすれば良かった。

私はそんな大切な物より何よりもダイエットをいつも優先していました。これを今読んでいるあなたも、身に覚えがありませんか?
「今度ご飯行こうよ」「今からちょっとお茶しない?」「これ食べなよ、美味しいお菓子だよ」
仲の良い友人や、家族の誘いに、まず「カロリー、どうしよう」「いや太っちゃうじゃん」そう思ってしまっていませんか。
少しくらいならいいんです。えー、太るじゃん。くらいなら。けれどそれがあまりに強く、どうしよう、と悪いことをしている気持ちが抜けない。罪悪感がひどく、数日後の調整を必死に考えている。

そんな状態なら、私はまず、ダイエットをやめて下さいと言います。それはもう摂食障害赤信号。あと一歩の所へ来ています。

そうしてのめり込んでいった私は案の定、その後さらに症状を悪化させていき、気づけばほとんどのものを口に出来ない、運動しなければとせき立てられた状態にいる、拒食状態になりました。当時の写真を見返すとガリガリで正直ちょっと気持ち悪くて、なんでこんなに痩せているのに太っていると思い続けていたんだろう、と首を傾げてしまいます。

心も体もぼろぼろな、こんな姿になりたかったのかな、と。

そしてあるとき、身体と心がついに限界に達しました。
きっかけは何だったのか。
突然、猛烈な食欲が止まらなくなり、過食が始まりました。
そのときの食欲と食事量は尋常ではありませんでした。
意識して止める、お腹いっぱいだからやめる、そんなことは不可能でした。ひと口、食べてしまうともう吐きそうになるまで詰め込むことをやめられないのです。食べる、というよりも詰め込む、に近いでしょうか。とにかく何でもいいから、買いあさって、ひたすら詰め込む。特にそれらはダイエット中禁止していた甘い物や油物、炭水化物が殆どで、毎度胃がぱんぱんで気持ち悪くて吐きそうなほどに詰めていました。お腹がぱつぱつになりながら、それでもコントロールできずに真夜中にコンビニをはしごしたこともあります。

太るのにやめられない。
食べちゃだめだと分かっているのに食べてしまう。
食べる手が止まらない。
食べる度、決まって死にたいと思うようになりました。
どうして、全部無駄になってしまうのに。
折角痩せたのに。またやってしまった。もう死にたい。
その繰り返しの日々が続き、いよいよ気持ちは酷くうつ状態になりました。
毎日過食を繰り返すせいで何も手に着かず、ただただ食べては泣き、ときには嘔吐やチューイングを行い、毎日からだがだるく誰にも会うことができませんでしたし、誰かと食事をとることも難しかったです。

母の家で一緒に食事をしたときも、お肉をひとつ食べて、ぼろぼろ泣いてしまったことがあります。「食べている私のことを赦せない」。
私はずっとそう言って泣いていました。

そうして過食を繰り返し、うつ状態の中、体重だけは確実に増加していきました。それが私をいっそう追い詰めます。生理が回復して身体が健康になることに反して、私は次第に不眠が酷くなり、更には自傷行為を行うようになりました。

そうして半年ほどその状態が続いてようやく、私は病院に行くことを決めました。心療内科で睡眠薬と抗うつ薬、頓服の安定剤を処方され、まずは夜眠ることで夜間の過食を防ぐこと、衝動がきたときに頓服を飲むことで対処することから始まりました。

結果として、私にはこの治療が合っていたようです。
過食衝動が起こる回数が減り、眠れるようになり、それまで好きだった漫画やアニメを楽しむことが出来るようになりました。

少しずつ、本当に少しずつですが、症状は確実に改善しました。
もちろん、薬だけの力ではありません。
辛い状況をさらけ出し、話を聞いてくれた友人。
涙する私を抱きしめて、美味しい物を一緒に食べてくれた母親。
何も言わずただ寄り添い、生活を支えてくれた父親。

周囲からのサポートを受け、薬をつかった治療を行い、自分でもうつや摂食障害について勉強をし、病気と徹底的に闘いました。

現在では殆ど寛解していると思っていて、最後に過食衝動が起きたのはもう2,3ヶ月前のことだと思います。覚えていないくらい前のことなので、もうなんだかあの頃のことはすごく別世界のことのようにすら思えています。現在でも病院へはお世話になっていて、抗うつ薬、睡眠薬、ホルモン剤、ピルなどを併用しながら生活しています。

回復していない、といえばそうなのですが。笑
それでも、今はいろいろなことを楽しめるようになりましたし、無事に新社会人としての生活もスタートさせることができました。

今後も病気とのお付き合いは続いていくだろうし、薬も手放せないと思います。けれど私はそれでいい、と納得しています。

摂食障害を経験したことは、私にはとても辛いことでした。
今の私はだいたい150センチの55キロ、ぽっちゃりですね。
ダイエットを始める前よりも太っています。
その事実が辛くないかと言われれば、辛いですが。
前ほど、痩せることにこだわらなくなりました。
健康的に過ごすために野菜を食べようとか、甘い物は控えようとか。その程度しか意識していません。運動も殆どしていません。

けれど、私は一度病気を経験したからこそ、自分の心と体をとにかく大切にしようと決めています。心と体は壊れてしまうと、簡単には治りません。大切な人との繋がりも切れてしまいます。

この記事を読んで、もしかして私って。
この過食って、もしかして。危ないのかな。やばいかな。
そう思ったなら、まだ間に合います。
一度足を止めて、誰かに相談したり、自分で調べたりして下さい。

そしてできるならダイエットをやめて。
もうどうしようもなくて分からないのなら、やっぱり誰かに相談しましょう。お母さんやお父さん、兄弟姉妹、友人。信頼できる人に。ダイエット依存や摂食障害はひとりではとても向き合えないものです。とにかく誰か、サポートをお願いしましょう。

そして、今、摂食障害のあらゆるステージにいる人へ。
今は辛いと思うけれど、どうか諦めないで。
頑張って治療すれば必ず、治せます。
止まらない過食はないので、食べていいのです。
たくさん泣いていいのです。

それは、あなたが頑張ってきたあかしだから。
あなたがあなたを否定するのは、やめてあげて。
ぼろぼろなあなたを、これ以上傷つけないで。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
ひとりでも、辛い経験をする人が減りますように。


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