7. 真夏の夜の、重たい西瓜。
私たちはその日、新大久保駅前で待ち合わせた。
いや、新大久保駅前は昨今のKカルチャー流行も手伝ってひどい人混みだったから、正しくは道路を挟んだ向かいの薬局の前で落ち合った。
近くの劇場で尊の友人が所属しているという劇団の公演を観に行った。
私は美術にどっぷり浸かっていたが、劇団等の舞台芸術はあまり観たことがなかったので新鮮だったのを覚えている。最前列の席だったから、演者の迫力にドキドキした。
公演後、尊から『一緒に楽屋へ挨拶しに行かないか』と言われたが、自分がなんと紹介