涙を流すことは悪いことじゃないでしょ

この話は自分の備忘録として。
忘れたくない大切な想い出なので。

私はとてつもなく泣きたくなってしまう事がたまにある。
もともと感動モノを
見るとうるうるしてしまう方だが、
そんな時とは比べ物にならないくらい
悲しい、虚しい、孤立感などの
負の感情に覆われて
涙がポロポロ流れるのだ。
私だけだろうか……。

ホルモンバランスが崩れた時なのか
情緒不安定になった時なのか
仕事が忙しい時なのか
はたまた、全然関係ないことなのか。
自分にはコントロール出来ないくらい
数ヶ月に1度のタイミングでくる。

ある時、職場で何かあった訳では無いのに
PCに向かいながら仕事をしていたら
頭の中がほわーん。
自分がひとりぼっちになってしまった様な感覚に陥り心の中が曇りだし泣きそうになった。
あ、やばい！泣いちゃうと
思った時には
涙が溢れてきて誰にも見えないよう
普段通り振る舞いながら
とっさにお手洗いに向かった。
その動きを不審に思ったのか
職場の中ではわりと年齢の近い先輩が
声をかけてくれた。

『どうした？なにかあった？？』
そんな優しい問いかけに
はたまた涙が止まらなくなる。
なんでこんなに泣くんだろう。
分からないんです。なにか自分の中の何かが止まらなくなったみたいに涙が出てきて…と
答えると
『なんだよ。それならとことん泣きなさいよ。
ほら、我慢しないで泣きな。
泣くのは悪いことじゃないでしょ』と言われた。
そして先輩は私の肩をさすりながらこう続いた。

あなた気持ちを塞ぎすぎ。
何かあったわけじゃない…それは間違ってる
それは日々の積み重ねだよ。
何か辛いことがあった時
その一瞬は小さな我慢だったかもしれないけど
それが積もりに積もって
崩壊する。そしてそんな感覚になるんだよ。
もっと自分の気持ちを出しなさい。
社会人として無理をしないといけない時はある時はある。
でも常に無理をしないといけない
これは間違ってる。
だからこうやって泣くことで
自分の心が教えてくれてるんだよ。
素直ってことよ。
だから泣くのは悪いことじゃない。
泣く事で自分が教えてくれてるんじゃない？
と言われた。

私は今まで自分が泣くことは
自分の心が弱くて
忍耐力がないからだと思っていた。
だから先輩の言葉を聞いて驚いた。

泣くことで自分自身にわかってほしかったんだ。
そして泣くのは悪いことではない。ということ。
それから私の心はなんだか軽くなった気がした。

知らないうちに我慢してしまう自分に
もう少し心の内を
自分で分かろうとする努力をすること。
それでも満杯になってしまったら
我慢しないで涙を流せばいいということ。

こうして生きにくいなと
少し思っていた晴れ時々雨の自分の世界が
それからは少し雨上がりの澄んだ青空に
変わったような気がする。

その先輩と働いた部署からは異動して
もう一緒に仕事はしてないけれど
この言葉はなにか辛い時や逃げ出したくなってしまった時に思い出す大切な想い出。
こんな先輩と出逢えたこと、
私は幸せ者だなぁと思った。

泣くのは悪いことじゃないでしょ。
自分の気持ちに素直ってことよ。
この言葉に出会ってから
私はどれだけ救われただろう。
そしてどれだけ自分と向き合えたことだろう。
今でも涙を流すことはある。
でもあの頃の自分とは違う！

泣きたくて泣きたくて
知らないうちに我慢している人
泣いてしまって罪悪感に苛まれてる人
そして過去の自分、
これからも涙を流すだろう自分へ
今の私から贈ります。

『泣くのは悪いことじゃないでしょ』