ダセェーからはじめよ

改めて「言いたい事も言えないこんな世の中は」な空気をひしひしと感じる今日このごろ。「Twitterてつまらなくなったよね」なんて台詞は幾千回と聞いた。知り合いたちが「みんな敵をつくりたくないんだよ」と噂してるのも耳にした。だからたまにズバッと刺してくれる人がいるとウケる、炎上もしちゃうけど。

毒やナイフでの自己表現はハマればおもしろみを感じてもらいやすい。そうしたスタイルもアリっちゃアリ。ただあれは一種の麻薬で癖になるし、相当うまくやらないと長期的に見て得るものより失うもののほうが多いと思うので、現状の私はやるつもりはない。でも誰しもが、どこかで求めちゃうんだよな。麻薬だから。気持ちいいから。

ご時世的に閉塞感があると言われていて、まあそうなんだろうけど、それを打破するような表現が「痛快！」と評価されてても、「またタピオカ流行ってんだねぇ」って通り過ぎていく日々を想う感傷が先にきちゃう。もちろん我々の分野は時代を映す鏡なので、そういう側面があって然るべき。M-1もおもしろかったです。

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あけましておめでとうございます。「炎上もしちゃう」「求めちゃう」「先にきちゃう」、みっつの「ちゃう」を書いてみました。つまり「してしまう」で、意図せず起こることに近いかな。今年はこの「ちゃう」を楽しみながら、一年を過ごしていきたいと思います。身体と心の揺らぎみたいな……いま考えたんですけど（笑）。

私はけっこう、勘と直感で生きているようなところがあって、いい方向にむかうのはこれがしっかり機能しているとき。反対に、理屈をこねすぎると、階段から転げ落ちます。経験則ですが、わりとマジ。なので、自分の「揺らぎ」を気にかけて、楽しんで……悪くない抱負に思える。

ふりかえると、振れ幅の大きい人生でした。はじめに受験失敗からの不登校という挫折を味わっているので、それを取り戻そうとがんばって、倒れて、またがんばって、とくり返して。その反省で、今回はあんまりがんばらないのが目標。抱負とか、目標とか（あと座右の銘も）、ダセェーって思うんですが、あえて挙げちゃう。そういう気分なの。

あ、さっそく「ちゃう」が出た！
いい傾向かも。なんだか占いみたいなことを言ってますが、こんな感じでゆるく生きていきます。

座右の銘も考えました。「生きてるだけで丸儲け」。うわ、ダセェー！
今年もよろしくお願いします！

伊藤芳樹

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」