登山と生理
アウトドアが好きな女性は、数日間を外で過ごすような旅をする時に、たまたま生理期間が被ってしまった場合、どのように対処していますか?
アウトドア好きな女性なら誰でも一度は悩んだことがあるのではないかと思います。
私は現在、アメリカ・カリフォルニア州の長距離トレイルであるジョン・ミューア・トレイルを歩くタイミングと、生理の期間がちょうど被ってしまうかもしれないという個人的な大ピンチの真っ只中にいます。
「もしかしたら被ってしまうかもしれない!」と気づいてから、色々と調べて試して考えた結果、「いつも通りナプキンとタンポンを使って、ゴミはゴミ箱があるエリアまで持ち歩いて捨てる」というシンプルな手段を取ることにしましたが、かなり悩み、考えたので、その内容を記事にまとめたいと思います。
大ピンチ!生理期間とトレイル期間が被る?!
もともと、ジョン・ミューア・トレイルのパーミット(許可)を半年前に取得した時は、計算の結果、「生理期間は被らないだろう」という想定でした。
しかしそこから数ヶ月の間に、若干周期がずれてしまったようで、トレイルの前の月になって生理が来た時、「このままいくと、トレイル期間と来月の生理期間が被ってしまう」ということに気づきました。
対処法いろいろ
生理期間が被ってしまう可能性が出てきてしまった以上、もし実際にそうなった場合の対処法を考えなくてはなりません。いつも通りナプキンやタンポンを使用できればいいのですが、トイレがない状況(ゴミをすぐに捨てられない状況)で数日間過ごすため、それ以外の方法も考えなくてはなりません。調べてみると、色々な方法がありました。
普段通りナプキンやタンポンを使用し、使用後のゴミはゴミ箱がある場所まで持っていき、捨てる。
月経カップを使って、カップの中身は他の排泄物同様、土を掘って埋める。
吸収型ショーツを使って、使用後は洗って乾かして再利用する。
布ナプキンを使い、使用後は洗って乾かして再利用する。
屋内で過ごすのであれば当然普段通りのナプキンとタンポンの使用で良いのですが、トイレやゴミ箱がない状況で数日間にわたるアウトドアをする場合は、それぞれの方法のメリットデメリットを考える必要があります。
普段通り (メリット)慣れている方法なので安心できる。
(デメリット)荷物が増える。ゴミが増える。
臭いで動物を寄せ付けないか心配。月経カップ(メリット)ゴミが出ない。荷物が最小限になる。
最大12時間入れたままにしていてOK。
(デメリット)清潔にするのが難しい。慣れていない。吸収型ショーツ(メリット)繰り返し使えるので荷物が少ない。
(デメリット)乾かすのに時間かかる。慣れていない。布ナプキン(メリット)繰り返し使えるので荷物が少ない。
(デメリット)本当に漏れないか心配。慣れていない。
今回は、ジョン・ミューア・トレイルの一部を5泊6日かけて歩く予定ですが、荷物がとにかく多いので、「重い」ことと「嵩張る」ことはかなりデメリットになってしまいます。トレイルに向けて新たなギアを調達する際も、「軽さ」と「コンパクトさ」は、一番と言っていいほど重視していました。ただでさえ生理が被る時点で「荷物が増える」というデメリットが生まれているので、ここは少しでも荷物を軽くコンパクトに収めたいところです。
また、熊が活発に活動している地域でもあるため、夜寝る時は、食料はもちろん、リップクリームや日焼け止めなど、匂いのするものは全て、熊が簡単には開けられない構造をした容器、通称「クマ缶」に入れ、テントから離れた場所に保管する必要があります。ナプキンやタンポンを使用した場合、使用済みの生理用品もクマ缶に入れてクマを寄せ付けないようにする必要があります。
「月経カップ」に挑戦
色々と調べた結果、ロングトレイルをよくする女性はアメリカでも日本でも、「月経カップ」をうまく使いこなしているようだ、ということがわかりました。
確かに、使ったことがないのでどんな使い心地かは不明ですが、「荷物が少ない(月経カップ1つでOK)」「使用済みのゴミを食料と一緒に保管する必要がない」というメリットは、今回の旅ではかなり大きなものです。「月経カップを清潔にするのが難しいのでは?」という不安はありましたが、使用の度に煮沸消毒する必要はなく、飲料水など綺麗な水で洗い流せば再度利用できるとのことでした。
吸収型ショーツや布ナプキンは、乾くまでにどのくらいの時間が必要かということや、本当に漏れないかなど、不安がありました。
月経カップなら、使用後は中身を捨てて水洗いすればすぐにまた使えますし、最大12時間入れたまま活動をできるということで、やはりトレイル向きかなと思いました。あとは自分がこれをうまく使いこなせれば一番いいのか・・・と思い、なかなか勇気がいりましたが、意を決して、最寄りのCVS(アメリカのマツキヨ的存在の薬局)へ、月経カップを買いに行きました。
月経カップには色々な種類がありますが、私が今回購入したのは「Diva Cup」というものです。
使用前に煮沸消毒をして、使用方法の解説動画を観漁りました。
↓このYoutubeチャンネルがわかりやすいです
そして、生理がきたその日の夜、月経カップデビューをしました。
初めての月経カップの使い心地
生まれて初めての月経カップ。使用した感想を一言で表すと、「入れるのも出すのも難しい!!」でした。使用前にYoutubeなどで使い方を予習してはいましたが、実際にやってみるとなかなか難しく、入れるのになんと1時間半、出すのに30分かかりました。
2回目の挿入と取り出しは、少しコツを掴み、入れるのは20分、出すのは5分程度で完了したので、回数を重ねていくとどんどん慣れていくのかもしれません。
ただ、ロングトレイルで月経カップを使うとなると、この時間のかかる挿入や取り出しを、屋外でやらなければなりません。蚊など虫もたくさん飛んでいるはずです。色々な記事を読んでいると、3ヶ月ほどすれば使用にも慣れてくるらしいのですが、トレイルは来月まで迫っています。
結論:荷物は増えるけどいつも通りの方法で!
結局、外で月経カップを使うのは今の私にはレベルが高すぎると思い、今回は諦めることにしました。
荷物は増えてしまいますが、いつも通りナプキンとタンポンを使用して、使用済みのものについてはゴミ箱があるまでは自分で持ち運びます。
持ち運びや捨てるまでの管理で一番気をつけたいのが臭いの除去でした。
自分が心地よく過ごすためはもちろん、熊など動物を寄せ付けないため、このような形で持ち運びをする予定です。
全体をドライバッグで包み、その中に更に中身の見えないビニール袋を入れます。(ドライバッグの生地が薄く、中身が見えてしまったため)
ビニール袋の中に、未使用のトイレグッズと、OPSAKに入れた使用済みのゴミを入れます。
持ち運びの際はドライバッグごとザックの外側にぶら下げるか、ザックの中に詰めます。
OPSAKというのは、匂いが外に漏れないよう防いでくれる防臭袋です。
また、使用済みのタンポンは、ビニール手袋を手にはめてから取り出し、タンポンを掴んだままビニール袋を裏返せば、手も汚れないし簡単にビニールで包めるという裏技をアメリカのサイトで読んだので、真似してみます。
結局、いつも通りの方法を取ることにしましたが、月経カップを試して「これは無理だ!」ということが分かってから結論を出せたので、よかったと思います。
以上が、私の大ピンチ発生から対処法を決定するまでのストーリーでした。
実際にはまだ歩いていませんが、歩いたらどうだったかをまた記載したいと思います。
日本の登山の場合は途中で山小屋などがありトイレにここまで困ることはないかと思いますが、海外でロングトレイルを計画している方など、どなたかの参考になれば嬉しいです。