【詩】Who dances inside you?
脚が勝手に動き出す三拍子。つーたんたん、つーたんたん。変なところに住むピアノ。ドラムと踊るベース。誰もいないところで顔を出すギター。
目を瞑って広がるその景色。らんたったー、らんたったー。点をひと摘み甦る日々を、奏でる色に染まる音。誰もいないところで顔を隠すわたし。
無機質な部屋のなか、光さす。
白と灰と仲良しに。帰路の解は彷徨いし。
死を怖いと見紛って、陽は辛いと遮って。
カーテンを締めて。焦点をずらして。黒鍵を叩いて。反転を求めて。
脚が勝手に動き出す三拍子。いちにーさん、にーにーさん。とめどなく流れる音色。紙の上で踊る音符。彼も知らないところでズレるテンポ。
目を瞑って広がるその景色。アンドゥトロワ、アンドゥトロワ。空に線を引くタクト。闇と飢えに咽び泣く娼婦。彼女を知らないオウムの唄う言葉。
弓なりな身体、背に汗がたれる。
締められた首に痕が残る。阻まれた手口にケチがつく。
身を焦がすような恋をして、君を逃すまいと手錠掛けて。
ドアに鍵をして。世迷い言聴き流して。染まり色見逃して。来ない姿求めて。
脚が勝手に動き出す三拍子。わんつーすりー、わんつーすりー。わたしを運んで彼岸の彼方。君は残るのね此岸との狭間。わたしたちのなかですれ違う意識。
目を瞑って広がるその景色。いーあるさん、いーあるさん。果たしてその土地は何処に。病いてこの黄泉は何処に。わたしたちを奏で揺れ動く儀式。
脚が勝手に動き出す三拍子。つーたんたん、つーたんたん。変なところに住むピアノ。ドラムと踊るベース。誰もいないところで顔を出すギター。
目を瞑って広がるその景色。らんたったー、らんたったー。点をひと摘み甦る日々を、奏でる色に染まる音。誰もいないところで顔を隠すわたし。
さよなら。
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