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rina
2021年9月27日 20:36
光が降り、そして差す。木漏れ日は温もりを湛え、精いっぱいに降り注ぐ。そして垣間見る。姿が映し出される。空へと登る一筋の柱。その柱の内側に、2人。暗い森の中で、異質に光る男女の2人。女が男の頭を抱えながら、降り注ぐ光を遡ろうと、空に首を伸ばす。顔は照らされていて見えない。聞こえるのは、歌。慈しみに満ちたその声は、少しずつ光を淡くさせる。まるで、持って行くなと泣くように、そう聞こえ
2021年10月6日 22:38
少女は少年のもとに今日も訪れた。時間は昨日同様に真夜中。こんなにも暗い森の中で、どのように時間を管理しているのか。そして、村から出ていく少女の後ろ姿を眺める人影もあった。ただし、その人影は、動かない。「やあ、昨日の今日でもう来たのかい」少年の目は昨日ほど強くなかったが、それでも何かを想うように樹々を見つめていた。「たくさんおひるねしてきた」少女の目は、暗いながらも輝いているのが分かった