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読書記録📘女性の恨みは恐ろしい😱八咫烏と大猿の最終決戦!!和風ファンタジー完結!📘

読書紹介記事を書く青沼りんです📗

今回ご紹介する本は、阿部智里 著の『弥栄の烏』(文藝春秋)。
八咫烏シリーズ最終巻です。




人の姿に転身できる八咫烏が支配する『山内』の世界に突如大猿がやってくる。神域に住む山神が目覚めた事で両者ともに攻撃ができない状態になってしまう。八咫烏側は山神から生け贄にとらえた人間の娘の世話係(監視役)に任命されるが、ある事がきっかけで雪哉を筆頭に山神抹殺を目論み始める。そして若宮は自分の存在意義に苦悩するようになる。

本作は、前作『玉依姫』と同じ時間軸でら、八咫烏視点のお話です。


目覚めた山神はなぜか八咫烏のかつての金烏を恨んでおり、現在の真の金烏である若宮にも例外なく罵声を浴びせます。

その光景はもはやパワハラ状態😱(若宮フラフラ😵)

上級武官養成学校『頸草院』を主席で卒業した雪哉も、今や宗家の近衛隊『山内衆』の参謀。彼の指揮のもと、この禁事を潜り抜けようとしますが、ある事がキッカケで雪哉は段々ダークサイドに向かってしまいます😭

終盤の大猿との最終決戦では、八咫烏を守るために冷酷になっていく雪哉の背中が切なく、終始不穏な空気なのが不気味です😭


そして、この八咫烏シリーズは女性が強い!

特にこのシリーズの中で1番成長したのは真穂のすすき(ますほのすすき)ではないかと思います。彼女は『烏に単は似合わない』(以下、『単』)で登場した若宮の后候補のひとりでした。


何不自由なく育てられてきた彼女は、烏の姿に転身するのは高貴の者がするものではないと信じてきました。ところが『単』の終盤でその考えを改め、それからは若宮が選んだ后の女房として宮中に上がり、烏の姿で飛ぶ練習に励んでいたそうです。(これだけでも十分成長です😭)


それでも、いざという時に自分はなにもできないという事を思い知らされてしまいます。山神と戦う事に反対するも、山内衆で若宮の護衛役の澄尾に「女は引っ込んでろ」と言われてしまいます。

そんな中、真穂のすすきは山神から生け贄である志帆の世話係りを命令されます。もちろん周りは大反対。それでも彼女はその手を振り切り、神域に向かいます。

その時に言い放った言葉がこれです。

『何がわたくしに出来るか』ではなく、『わたくしが何をするか』という問題ですもの(本文引用)


自分の代わりはいくらでもいる。そう悩み続けた末に辿り着いた彼女の答えでもありました。

私は彼女の心情をこう解釈しました🤔


悩んでいても仕方がない。自分の直感に従って行動しよう。

その後に神域に向かう彼女を見送りに来る后とのやり取りがもう感動ものです✨✨(いいな、こういう関係…😭😭😭)

それでも最後まで引き止めようとする澄尾に対して言い返した彼女の言葉はあっぱれでした✨(澄尾…だから私の推しはアンタなのよ)


そして、ついに物語は完結へ。

大猿との戦いはどうなったのか。若宮に歴代の金烏の記憶は戻るのか。

『弥栄の烏』というこのタイトル。言葉だと繁栄するという良い意味なのに、不穏な空気に包まれて幕を閉じたという印象でしたが、全6巻で完結した和風ファンタジーの八咫烏シリーズはとてもおもしろい作品でした。

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