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【YOHAKUひろば】#わきまえない女について語る会①

2月のテーマは、「#わきまえない女」。

森元会長の女性蔑視発言をきっかけに、女性蔑視問題、そしてもう少し視野を広げてジェンダーについて取り扱ってきました。

この記事で、2/25に開催したYOHAKUひろば、グループ①での会話の様子をみなさんに紹介します!
グループ①は、それぞれの考えを共有し、少しの議論を重ねた30分間でした。

「自分だとこう考えるかな」「こういう風に考える人もいるんだ」
などと感じながら読んでいただければ幸いです。

※YOHAKUひろばって?
討論会ではなく、「こんな考え方もあるんだ」と優しく受け止め合う、
ちょっと自分も変わってみるための気づきをもらい合おうという、
ちょっと真面目なおしゃべり会です!

森会長の発言全文はこちらを参考にしてください。
【全文】森喜朗会長が辞任表明、女性蔑視発言は「解釈の仕方」「意図的な報道あった」

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#わきまえない女 について意見


ー#わきまえない女について、森会長の発言にこだわらずこの一連の出来事の中に関して、今の気持ちや自分の考えをかんたんに教えてください。

Aさん:今まで生活してくる中で、幸い自分の性別を意識することってなかったんですけど、就活とか始めるようになってから自分が女性であることっていうのをすごい意識させられるようになって。そのなかで学生とかまではジェンダー平等とかについてあんまり被害者とかになりづらいから分かりにくいけど、やっぱり社会に出てから組織のなかに入っていくとそういうのが変わってくるんだなっていうのをうすうす実感するようになって、ちょっと嫌だなという気持ちをもち始めたりしています。
あとは、男女の性別分業っていうのを無意識のうちに自分に刷り込まれているなっていうに気付きました。例えば、男女で集まって遊んでいたりしていると、料理・片付けを自分がなんとなくやってる。そういう生活のなかで、無意識的に性別分業のような行動を取ってしまっているなと考えていました。


Bさん:私は、森さんの発言だけを取り上げたら、そこまで問題にしないといけないことなのかなという意見をもっていました。ただ立場があういう人だったからここまでなってしまったのかなと。良かった点はこれについてこんなにみんなが考えるきっかけになったこと。そこで大事だなと思うのがTwitterとかにしても、自分の意見に沿ってるものに寄ってしまう。
だから僕だったら、「森さん辞めさせるまで、そこまでたたかなくても良かったんじゃない?」みたいな人の意見ばかりを見がちだったんですけど、やっぱりこういう会に参加して「いやそれは絶対にダメでしょ」みたいな人の意見も聞きたかったので、今回参加させてもらいました。男性側の意見、というとまたそのちょっと違った感じになっちゃうので、今日は率直に思ったことをお話しできればなと思います。


Cさん:森さんの発言の話を続けると、私はいろんな意見の人がいて、いろんな人の意見を見ながら、絶対に誰のことも傷つけない意見をいうのって難しいなって、多様性を認めるようと思ったら、どうしたら、どう振舞まえばいいんだろうっていうのを今考えてすごいぐるぐるなっていて、だから今日少し解決になるようなお話を出来たらいいなと思っています。


Dさん:森さんの発言をあんまり理解してないんですけど、自分がジェンダーとかで思うことは就活をするときに女性の役員の率とかもちらっと見たりして、ここ男性が多いんやとか思ったりするところもあって。
潜在的に絶対みんな自分が得するって思ってるところがあると思うけど、そういう男女の違いっていうのはやっぱりあんまり公のところでは口にせん方がいいんじゃないかなと思いました。


Eさん:私はフェミニズム勉強会っていうのを研究室でしてるんですけど、結構興味があって。同学年の友だちで「女の人を何割採用しますっていうのをとっても嫌だ」っていう人がいて。なんでかっていうと「それ上の人たちは男女平等してなくて自由にやってんのに、若い男の僕はそんな割を食わなあかんねん、なんで女性に席を渡さなあかんねん」みたいなことを言ってて。
そういう意見があるんだなと思いつつ、じゃあ強制的に何割まで女性を登用しなきゃいけないっていうルールなしで女性も社会に参画するような流れを作るにはどうしたらいいのかなとか思っています。

結局、森元会長の発言は何が問題だったの?


-ありがとうございます。一巡したのでここからは自由に発言してもらって大丈夫です。今のところ出た話としては、実際に森さんの発言の問題点はどこにあったのか、女性が社会で割を食っているのはどこなのか、それってそれは解決すべきなのか平等にすべきなのか、それに対して反発する意見もあるっていうの話だったと思います。この人に話聞いてみたいって人いますか。

Aさん:Bさんの意見の理由を、もう少し掘り下げてお伺いしたいです。

Bさん:#わきまえない女というところを今回テーマにしてるので、その言葉に自分は注目してて、森さんの「女性はわきまえないと上に行けなかったり、自分のやりたいことをできないの?」という発言に対して、「それはおかしいでしょと、そういうふうに女性を決めつけるのは良くない」というところで炎上してしまったんだと思います。
もちろんその発言はめっちゃ問題なんですけど、「わきまえる」とは状況を判断して上手くやるということで、そのわきまえること自体は悪いことではないっていう捉え方もある。男であろうが女であろうがお世辞は言うし、社交辞令みたいなのはやるし、女性でも上に行くために戦略としてやってる人はいると思うし。その行為自体を悪いこと、マイナスなものとして全員が捉えてしまうと問題がややこしくなるのかなって
森さんの発言の全体としては、女性役員が増えていくだろうというふうに締めているんです。上の人が認めていけば変わるのかなって思ったので、逆にどこにめっちゃムカついたのか聞いてみたいですね。

-私は、森さん自体が女性が進出することの意義みたいなものを感じてはいなくて、ただ「社会の風潮としてそういうのがあるからやらなきゃいけないですよね」と受け売りの政策みたいに感じているんだろうなというような言葉の印象を受けたところがちょっと嫌だなと思いました。問題を見ようとせずに政策を見ようとしてるんだろうなと思ったんですよね。他に意見がある方は、いらっしゃいますか?


Aさん:賛成です。特に謝罪会見での態度を見たら、若い人とか一部の人がこういう新しい価値観を謳ってて、「はいはい、やんなやいけないんでしょ」みたいな態度とか、自分自身がそういう差別発言をしてるという意識をまったくもってないような、理解してないようなことが、態度とか言葉ににじみ出ていて本当に場当たり的にとりあえずやってるように感じました。
自分が加害側に立っているという意識をもってないんだなってところにイラっとするより、「そうだよな、そういう人もやっぱり多いよな」と思ってしまいました。


Bさん:態度よくないよね、素直に成果主義で捉えてくれないからこうなってしまうのか、それとも女性としては割合で今のままの社会だったら採用してよっていうのは根本的な解決策ではないから嫌なのか、それでも今の社会はおかしいから数値を設定してでもやった方がいいんじゃないかとか、みなさんはどう思ってらっしゃるんですか?


Eさん:今思ったのが、アップデートされていない価値観の古い老人と、男女平等に関して先見の明がある若い人たちという二項対立にしてしまっていいのかなとか思ってました。答えは出せていないのですが。


-確かにそういう古めの価値観をもってる人と、先進的にリベラルな社会にしたい若者みたいな構図ができてしまっていて、「上の人から変わらないとダメだよ」って下は言うけど......みたいな感じになってるところは硬直状態としてずっとあるのかなと私も今の発言を受けて思いました。

アファーマティブアクションへの是非


-Bさんが言ってくれた割合の話でいうと、そもそも男女って一対一で生まれてくるじゃないですか。それが男女差っていうのが社会的にないのであれば、能力も平等に開発されるはずだし、活躍する機会も平等になるはずだと思います。
だから能力のない人が、その割合を設定したら能力のない女性が上がってくるとは私は思わなくて、むしろ女性であるからこそ能力が阻まれてる人が、例えば三割を取ったとしてもたぶんまだ余ってるんじゃないかなと。アフォーマティブアクションが良い悪いでいうと絶対根本的解決にはならないとは思ってるけど、短期的施策としてはアリだと思っています。
私話しすぎてしまっているんですが、他の方はどう思いますか。


Dさん:パーセントを決めることについて、例えば障がい者の人とかだったらはその人の生活がかかっているからパーセントを決めようっていうのはアリだと思います。
ただ男女でパーセントを決めるっていうのは、管理職とかになっていくところで数値を決めることは結果的に意味がなくて、そこは実力主義でいくべきだと思います。チャンスを平等に与えるという意味では入社の時点で五分五分にするというのはいいんじゃないかなとは思います。


Aさん:私は、例えば企業での採用とか内部での昇進に関して目標値が設定されていても、結局その前の段階に問題があると思います。例えばメーカーとかだったら圧倒的に技術職が多いじゃないですか、そのなかにはやっぱり男性の方が多い。じゃあそれはなぜかっていったらやっぱり理系は男性が多い、そこにどんどん繋がっていくので、もうちょっと前の段階をゆっくりですけど変えていかなきゃいけない。
文系は女子、理系は男子みたいな考え方って西欧とかでは少しずつ進んでるし、日本より全然理系の女性とか多いと思いますし。そういうことになっていったら自然と採用の段階で平等が進んでいって、ひいては役員の割合とかも自然に上がっていくと思います。そっちを先に決めることによって、前段階の教育におけるジェンダー格差が解決されればいいなと思いました。
女性でもそういう技術職とか、男性が多い職に就けるよねという考え方が若いうちからそういうマインドセットができて、そういう効果を生めれば良いかなと思います。

今日の感想とこれからの関心


-今日は短い時間で、なかなか言い足りない部分もあると思うのですが、時間が迫っているので.....最後に、次こういうこと話したい、とか今日の感想とかを教えていただきたいです。

Eさん:最近、女性が軍隊に入ることについてちょっと興味があります。そのなかで女性が男並みに戦闘に参加することってそれって男女平等なのか、というのが疑問です。これは、軍隊だけじゃなくて社会全体に対してもいえるのじゃないかなと思って。今生理とか育児とかが忌避されるような感じで、女性性というものがビジネスには不要かなという。
バリキャリウーマンっていう、育児もせず男並みに出勤してというのが理想とされる社会は平等といえるのかというところに関心があります。本当の男女平等とは何なのかと考えています。

Cさん:私は男と女の違いとかもそうなんですけど、国とか文化の違いをどれだけ受け入れられるのかなというのに最近悩んでいるので、お話しできたらいいなと思っています。

Aさん:多様性との付き合い方、多様性とはという広いテーマについて話せたらけっこう面白いかなと思います。

Bさん:#わきまえない女の話の感想としては、今までは言葉で考えてしまってたんですけど、態度とかが人に一番訴えるものなので、人の意見は真摯に受けとめようっていうのを思いました。これから話したいことは、ジェンダー論を聞いてて違和感を覚えるのは、平等をすごく押し出す考えなんですけど、平等より公平の方がいいってことも多いと思っていて。
さっきの軍隊の話はまた極端な話、職業もそうですけど、力の差とかは絶対男女であるし、向き不向きもあるから、差別と区別は違うし、平等と公平は違うっていうのは大事かなって自分では思ってます。
どこが平等の方がよくて、どこが公平の方がいいのかについてみんなで考えれたらいいかなと思います。

Dさん:就活してて今めっちゃ思うのが、自分は家事もしたいし仕事もめっちゃやりたいし、でも両立するのは難しいなというのが、現状学生の立場から思っています。なので、みんなの人生の理想の状態と、今の社会に何が足りていないのかを話し合えたら良いかなと思っています。

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今回のYOHAKUひろばグループ①では、森元会長の女性蔑視発言の問題点だけではなく、企業内でのアフォーマティブアクションへの是非についてなども議論されました。

「アップデートされていない価値観の古い老人と、男女平等に関して先見の明がある若い人たちという二項対立にしてしまっていいのかなとか思ってました。」
個人的には、この言葉が印象に残っています。
自分一人では考えが暴走してしまいそうなとき、他者の何気ないひと言が、立ち止まるきっかけになります。

普段あまり交わることのない人と意見と共有する時間が、みなさんの余白を広げるきっかけになりましたら幸いです。

改めて、YOHAKUひろば第一回に参加してくださった方々、有意義な時間をありがとうございました!

ぜひ、グループ➁の様子ものぞいてみてください。なぜその考えを持っているのか、お互いの背景を探り合いました。

第二回は、3/19(金) 20~21時を予定しています。
テーマは「就活」です!
YOHAKUひろば第二弾レポもぜひお楽しみに🌼

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YOHAKUは、誰もがそっと抱えているけれど、他人から見えづらい事情にスポットを当てて、それが読んだ人の優しい想像力の余白となることを目指しています。

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「なかなかわかってもらえないけれど、自分の事情を説明できたなら」
「こんな人もいるって知ってほしい」
こんな気持ちを抱えるかたがいれば、是非インタビューさせてください。

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植木凜・小林華・沖中優麻

文責:沖中優麻


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