見出し画像

私なんで保育士になったんだっけ?

アラフィフ保育士、職場の環境に悩み迷走中につき、年末に初心にかえろうとしています…

保育の仕事に資格は必須じゃない

そもそもこの仕事、保育士の資格がなくてもできます

現に私は今資格のない方数名と一緒に働いています。特に仕事内容も変わりありません。資格の有無で明確に仕事内容が変わる施設ももちろんあるでしょうが、これまで私が働いてきた施設では、どこもその境界線は曖昧でした。もっと言えば、パートと正規職員の仕事内容の線引きも曖昧でした。(でも、給与に関しては明確な線引きがありました…これに関して話すと別の話題になるので割愛)

今は保育士不足というか、資格があっても保育現場で働きたくない?他の仕事を選ぶ人が大勢いるので(本当は、ここが様々な保育所・子育て支援の問題が隠されている部分だろうが)、資格がなくても子どもに関わる仕事はいくらでもできます。

そして、私も最初は資格もなく働きだしました。

働きだして間もなく「資格を取りたい」と思ったのです。


それでも資格を取ったのははぜか

それは、なぜかと思い出してみると、自分の経験だけで大勢の親子の支援をする限界を感じたからでした。

私の経験は、自分の子二人を育てた経験だけでした。あとは、その子育て中に関わってきた親子たちと共有した経験が、ふんわりとしたものからそこそこ濃厚なものまで…漂う程度。子育て支援を仕事にしたら、圧倒的多数の支援を求める親子が目の前に現れました。そしてその支援内容は、私が想像したものを軽々と飛び越え、多岐にわたったものでした。

これは、自分の体験だけじゃ対応できない。
働きだして割とすぐにそう思いました。

だから、勉強して専門的な知識を身に着けたいと思いました。
そうしたら、きっと自分の中に違う視点が出てきて、今は思いつかない方法で支援ができるようになるだろう。


資格取得後の変化

さて、資格を取得してどうなったのか。
無資格の時と変化があったのか。

半分イエスで半分ノーでした。

イエスの部分は、対子どもに関してで、ノーの部分は、対保護者に関してです。


対、子ども

一番の変化は、子どもの支援をしている中で、感情的にならなくなった、感情をある程度切り離せるようになったことでした。保育者としての最初の枠ができたのだと思います。

このことは、今まで資格を取得したことと結びついていませんでしたが、改めて考えてみると影響が大きかったと気が付きました。子どもの発達のことを身体面・精神面から知識を得たことで、客観的視点が加わったのだと思います。子育て支援に関わる仕事をするようになった当初は、ずいぶん心をかき乱されました。最近はそういうことも減ってきたというか、コントロールしている・できるようになってきた自覚がありました。そこのことは、私自身の人生経験(年齢など)から身についたものだと思っていましたが、もちろんそういう面も関係しているでしょうが、そればかりではなく「資格を取得した」という側面も大きく関係しているということに気が付きました。むしろそちらの方が影響としては大きいと思います。

もちろん資格を取得してなくても、支援対象に感情的にならないようにできる人もいるでしょうが、私には難しいことでした。

感情をある程度切り離して対話できるようになったことは、日々の子どもの保育の中で直接子どもに影響していると実感しています。


対、おとな

では、半分ノーである、保護者に対しての部分はどういうことかというと、資格取得前も後も変化がないということです。

なぜか変化がないのかを考えてみると、私にとって、保護者は子どもよりかなり遠くて手が届かない場所にいる感じなのです。これは取得前も後も、働く施設が変わっても劇的な変化は今のところありません。

なぜ遠いのかを考えてみると、私が保護者に対話する権限を与えられていないからというところに行きつきます。私はどこの職場でも短時間勤務の非正規職員なので、保護者に何か話をしたいと思っても、自分の一存で話すことは許されていません。必ず責任者にお伺いを立てなければなりません。このやりとりがとても面倒だし、責任者から保護者に「この点を聞いてほしい・こんな提案をするのはどうだろうか…」などと私がお願いしても、実行されなかったり実行されるまでにとても時間がかかったりします。なので、これまでに数回、この程度の内容なら直接話してもいいだろうと自分で判断して、保護者に話をしたことがありますが、その都度責任者が飛んできて「今何を話したの?」と聞かれました。これは一つの施設に限った話ではなく、どこでもそうでした。

そんなことがあれば、私も「聞いたらいけなかったのかな…」と臆するようになってしまいました。なので、どちらかというと、資格を取ってますます聞けなくなってきた…保護者の存在が遠くなってきた…のかもしれません。

保護者との距離感は、資格の有無は関係なく、私が非正規職員である限り続くのかな…と、このnoteを書いているうちに、ひとつ気づきがありました。正規職員の担任という未知の立場になったときには、また別の視点が加わるのかもしれません。とにかく現時点では、資格を取って得た知識は、対保護者に影響するほどの距離感に私がいないので、何ら変化はもたらされていない、といった結果になっています。

考えてみてよかった。

今後どうする

これまでnoteでもたびたび書いていると思いますが、私はこの仕事を始めた当初から、ずっと親御さんの表情が暗くて固いことが気になっていました。その原因も想像の範疇を超えないまま数年が経っています。資格を取得して新たに得たものも、結局親御さんとの距離は遠いままなので、生かすことができていません。子育て支援は親子双方にしないと意味がないというか、そこは必ずつながっているので、どちらか一方にしても結果は薄いものになる気がしています。

今後は、もっと保護者にアプローチできる働き方がしたい、そう改めて思いました。
それは、専門家であるかどうか以前に、今の環境では立場・働き方の問題が大きいく影響することに気が付きました。気が付いたうえでどうするかをよく考えて決めようと思います。

定期購読マガジン読者の皆さんへ。年末年始のお知らせ

定期購読マガジンの記事は、年内は今日が最後の投稿になります。年明けの投稿は6日(金)からです。

7月から定期購読マガジンを発行して半年が過ぎました。読んでくださる方がいるので成立しています。ありがとうございます。まだ始めたばかりなので、このまま継続することで何らかの意義がでてくるのかなと思っています。

自分の子育てが落ち着いた後、子育て支援の仕事を始めて5年、保育士になってまだ3年、そんな私が日々の仕事の中で驚いたり悩んだり考えたりしたことをここに書くことで、子どもに関わる人たちと共有していかれたら、遠くのどこかで子どもと子どもに関わる大人の環境が良い方向に変化していったらいいな、そんな風に思って書いています。身バレをためらう気持ちがあるのと、批判されたらやり過ごすことに多くのエネルギーを使ってしまいそうで、非公開の有料マガジンの形式を取っています。なので、あまり広まらないでしょうが、今の私にはこの形が安心して書きたいことを文章にできる方法なので、引き続き続けていこうと思っています。

来年もお付き合いいただけたら嬉しいです。

ここから先は

0字

子育て・保育に関心がある方、今の幼児たちが園で過ごすリアルな様子を知りたい方へ。ワンコイン(500円)で「アラフィフで保育士が見ている子どもに関わる世界」を疑似体験して一緒に考えませんか。 ・週1~2本更新

アラフィフで保育士になった私が、日々の保育の中で感じたこと・考えたこと、自身の子育てを振り返って考えたこと、を書くマガジンです。子どもに関…

いただいたサポートは、2022年8月から個人で行っている、子育て支援活動の資金にさせていただきます。地域の子育て中の人たちが交流する場所をつくっています。