【書評】アフター・リベラル:吉田徹
ポップカルチャーに親しむと、自ずと現代の政治に対して意識的にならざるを得ないことは、あまり異論の余地がない言説であると思う。
なぜなら映画・ドラマシリーズ・音楽・小説などのクリエイターは、自らの作品に政治的眼差しを入れ込むことが多いし、
さらに言えば彼らの制作欲求の出発点がそこにあることすらあるからだ。
わかりやすい例として、マーベル・シネマティック・ユニバースの2021年4月に公開されたドラマシリーズ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』が挙げられる。
物語中盤から