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大学時代一番面白かった授業。

こんにちは!

今回は、「大学時代一番面白かった授業」について書きます。


ふと、大学4年間という長いようで短かった時間を有効的に利用できたのかなと思い、この記事を書いています。

入学したての1年次では、主に基礎的な科目しか履修できないカリキュラムや大学のシステムに慣れることで一瞬で1年が過ぎました。
2年次では、大学に慣れてきたことで心に余裕が生まれ、学校外での生活が充実しました。もちろん授業に出て、単位も修得しましたが学校での学びよりアルバイトや遊びに力を入れていた気がします。
3年次からは専門的な科目を履修することが出来始めたり、4年生と合同のゼミに所属したり、卒業研究というものが少しずつ視野に入り始めたりとようやく大学生らしい学びができていたのかなと思います。
4年次では、卒業要件の単位数にある程度達していたので、そこまで多く履修しませんでした。

このように、大学生活で「授業」というものに対して積極的に取り組んだのは、3年次だけだったかなと思います。皆さんはどうでしたか。
うちの学校はほかの学校に比べてカリキュラム上、履修する授業が少ないかもしれないですが、授業へのモチベーションは僕と似ている人もいるのではないでしょうか。
大学は多くの教授が在籍していますが、授業などを通じてもっと多くのものを吸収できたのかと思います。卒業したいま改めて考えると「もったいない」というのが正直な思いです。



前置きが長くなりましたが、これから本題に入ります。


一番面白かったのは

「アスレティックリハビリテーション」

という実技の授業です。

アスレティックリハビリテーションは、スポーツ活動をしているものに対して競技復帰あるいは積極的なスポーツ活動への復帰を目的としています。
競技復帰のためにはより高いレベルでの筋力、持久力、パワー、スピードなどの回復がなされなければならない。それゆえアスレティックリハビリテーションにおいては、単に関節可動域や筋力が受傷前のレベルに戻るだけでは不十分であり、全身持久力、筋持久力、協調性、巧緻性、反応時間、パワー、スピードなど運動時に要求される運動能力全てを、元の運動に十分耐えられるだけのレベルに戻さなければならない。(1)

簡単に言うと、スポーツのリハビリテーションです。
ただ日常生活への復帰をするわけではなく、激しいスポーツ場面に戻れるように評価をし治療をすることです。


この授業では、基本的な受傷例をもとにどういう流れでリハビリテーションをしていくかということももちろん行いましたが、それ以上にマッスルインバランスの考え方が当時の僕にとってはとても新鮮でした。

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マッスルインバランスとは、疼痛,機能障害,変性などから抑制あるいは筋力低下と緊張あるいは短縮により生じる筋機能不全を指す。Janda(2)によると、骨関節疾患、神経筋疾患や脳血管障害の場合に生じる、筋の緊張が強くなり筋力低下が生じた状態は、緊張による筋力低下tightness weaknessと呼ばれ、筋力低下と粘弾性変化が共伴する状態であるという。この場合に、筋力強化を実施すると、筋緊張をより亢進させることになり、筋力低下を増悪させることになる。そこで、マッスルインバランスでは、緊張した筋をリラクセーションやストレッチすることにより、筋の粘弾特性を改善させるとともに、緊張や短縮した筋と関連がある筋の抑制や筋力低下を改善させることが重要としている。(3)


運動パターンの評価
1.主動作筋、共同筋、安定筋の協調が大切
2.機能的には最大筋力ではなく、始動のタイミングが大切
3.MMTは単に筋力の定量化である
4.運動の開始に注目する


運動において筋を動かす順番が大切。スポーツやってきた人は何となく理解できるのではないでしょうか。例えば「野球」のピッチャー。脚を前に出した時の地面反力を上半身、指先へと順に力を伝えることによって最終的にボールが投げだされます。「脚→体幹→腕→手指→ボール」ざっくりこんな感じで伝わりますよね。正しい順番で動かすことが重要となります。基本的には、体幹に近い大きな筋から末端の小さな筋へと力を伝えます。

図10


また、本来動かすべきではない筋が無意識に動いてしまう。これも問題です。ケガの原因になったり、力を出しづらくします。

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実際にやってみると意外と難しいです。
股関節伸展動作
①両肩・股関節の真下に手・膝をついて四つん這いの状態を作ります。
②膝を90度曲げます。
③股関節の伸展(片脚を上に上げます)。

➡正常パターンでは、はじめにハムストリングス、次に大殿筋と反対側の脊柱起立筋による始動、そして同側の脊柱起立筋の順です。
この動作でついやってしまうのは腰椎の前弯です。

図11

この腰椎の前弯は、股関節の屈筋群と伸筋群のバランスのずれです。屈筋群が強いと、代償行動として腰の反りが入ります。
屈筋群が強いというのは、屈筋群の力が強い・柔軟性が低いということです。柔軟性が低く、筋の収縮が強いと股関節伸筋群だけで伸展させることが難しく、無意識に腰を反って脚を上げようとしてしまいます。

この屈筋群・伸筋群のバランスを正すことによってパフォーマンスは向上します。ただ、何となく全身を鍛えるのではなく、体のバランスを整えることがとても重要なのです。


僕自身まだヤンダアプローチは読めていないので、詳しい内容は分かりませんがこの考え方はトレーニングにおいてとても大切なことだと思います。皆さんもよかったら読んでみて下さい。




最後に。
前書きで、゙大学4年間の中で積極的に授業に取り組んだのは1年間しかないと言いました。でも、もちろん大学は4年間あるわけで、結果的に単位稼ぎのような授業を多く修得しました。その中でも印象に残っている授業はあります。が、どんな内容だったかは覚えていません。

じゃあ何が印象に残っているかというと、「先生」です。熱意のある先生・板書が分かりやすい先生・学生と距離感が近い先生・相談にのってくれる先生などなど。結局、授業は人と人のコミュニケーションです。好きな人と昨日食べた夜ご飯の話をしたとします。でも、好きな人と会話をしたことは覚えてるけど、会話の内容まではそこまで覚えていないと思うんです。その記憶っていうのは、夜ご飯の話をしたからではなく、好きな人と会話をしたからではないですか。これは学校生活でも同じ。どんな内容ということも大切ではありますが、誰から教わったということも大切。

大学のカリキュラム上、履修できないような授業もあると思いますが、誰の授業なのかということを考えて決めるのもありではないでしょーか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



参考文献
(1)アスレティックリハビリテーションの現状と課題~早期競技復帰の問題点を中心に~ 山本利春 体力科学(2006) 55,45~50
(2)『ヤングアプローチ マッスルインバランスに対する評価と治療』Vladimir Janda 三輪書店 2013
(3)マッスルインバランスに対する評価と理学療法 赤坂清和 理学療法科学 22 (3):311-317,2007



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