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食品を捨てずに活用する方法-参加リポート-

先日、株式会社JSOLと社会デザイン・ビジネスラボによるRe Born Foodプロジェクトのイベントに参加してきました。
私は今年一月に「あなたの食を再発掘」を掲げる非営利団体uReFood-ユリフード-を立ち上げ、フードロス問題解決に向けたアイデアを発信しています。今回のイベントで社会の中で通用する取り組みに発展させていく方法を模索したいと思い、参加しました。

ここでは私が印象的だった3つのアイデアと個人ができること、今後に期待することをご紹介します。

フードロス解決のアイデア

廃棄の可視化

「1日お茶碗一杯捨てている」
といわれても正直ピンと来ませんよね。以前のnoteに”この事実に驚愕したから行動しようと思った”と書いたのですが、「でも私は違うから」などと自分を見つめ直す以前に他人へアプローチと偉そうなことを考えていました…意識して「残さない!」「捨てない!」と思いながら生活してみたところ、すぐに辛くなってしまいました。そこでやっと今まで通りの生活ではムダがたくさんあったこと、私が捨てていなかったのではなく、母が代わりに食べたり、活用したりしてくれていたのだと気がつきました。本当に感謝したいと思います。
 同じように多くの人が、自分はそんなに捨てていないだろうと考えてしまいます。それに対し、数字のデータは真実だけを示します。冷蔵庫やゴミ箱に取り付けたセンサーで自分がどれだけ食品を消費したか、廃棄したかを集計し表示することで、ゲーム感覚でフードロス・フードウェイストの削減を促すことができるかもしれません。もし行政が食品廃棄に罰金(?)を課すようになったらさらに活躍してくれるでしょう。

需要バランスの調整

 意見交換をした中に居らっしゃった青果市場に関わっている方に教えてもらった事実です。ほとんどの農作物は私たち消費者の食卓に届くまでに、市場を経由します。どこに持っていくかは地域ごとに決まっているそうですが、天候に左右される農作物が集められる青果市場は過不足が日常茶飯事です。それにより数が足りない市場では価格が上昇し、逆に余ってしまうと調整のために廃棄されてフードロスになることがあります。
 しかし、農家さんたちがその日の市場の状況を確認して自分たちで場所を選んで売りにいくとどうなるでしょうか?必要な野菜や果物が届けられ、ロスも不足も減らしていくことができます。直接、消費者に届けることが難しい生産者の方にとって重要な市場も変わっていく必要があるのだとわかりました。

教育

どんなに良い仕組みを作ってもそれを継続する力が必要だ!
なんといっても教育です。
義務教育を受けている立場からすると、「改善してほしい〜」という声はたくさん出てくるのですが…以前に高校生政策提言会で紹介した『新科目 社会課題』の中にぜひとも取り入れたいです!
ちなみにuReFood-ユリフード-では食育に関するイベントを企画しております!

個人ができること

食品廃棄物のアップサイクルを拡大するためには主に2つの取り組みができます。

①家庭でコンポストを始める

もちろんフードロス・フードウェイストゼロを目指すことが最重要なのですが、どうしてもヘタや種などは捨てざるを得ません。そこで生ごみを中心とした廃棄物を家庭菜園むけに再利用する仕組みがコンポストです。
コンポストはごみ箱のように廃棄物を入れておくことで自然に分解され、たい肥ができるものです。実はかなり昔から生活に取り入れられていたそう!ただ都市部では臭いの問題もあり、なかなか普及していません。

②アップサイクルフードを積極的に取り入れる

食品廃棄物の中には新たな製品となって売られているものもあります。その中で特に注目されているのが、fabula株式会社のホットプレスによって廃棄物から新たな素材を作る技術です。
この技術開発に至ったきっかけとして、現在のコンクリート原料が枯渇しているという課題を挙げられていました。ごみの多くはアスファルトの下へ埋め立てられる状況と、リサイクル率がたったの3%だった食品に注目し、新しい原料ゼロ・付加価値高品質な循環型素材を生み出そうと考えたそうです!リクリエイト乾燥・粉砕・熱・圧縮・新素材建材・塗装を省いて、強くて、香りも良くて、災害時に非常食にもなる100%天然のコンクリートを開発しました。
アップサイクルフードといっても本当にさまざまな種類があり、とても興味深いですね!

今後に期待すること

食の問題を解決するために、さまざまな技術や商品が増えてきています。それらを一つに集約してまとめ、消費者にとっては選びやすく、開発者にとっては売り出しやすい仕組みが生まれそうです。ぜひ円滑なマッチング機能と個別最適化にとらわれないアルゴリズムを生み出してほしいと思います!
食の分野はヴァーチャル世界と遠く離れているようで、その可能性は無限大なのだと気がつくことができました。私自身の取り組みも加速させつつ、常にアンテナを張って協力の幅を広げていきたいです。
今回は唯一の学生としてプロフェッショナルの大人たちの中で意見交換に参加しました。まだまだ未熟な私を他の事業者様を落選させてまで参加させてくださった社会ビジネスデザインラボ様、優しくアイデアを聞いてくれたチームメンバーの皆様に感謝を申し上げます。
ありがとうございました!

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