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【017】採用の原則「迷ったら採らない」の結果、超・同質性の高い組織になってしまうリスク

採用の大原則で「迷ったら採らない」という掟がありますが、諸刃の剣だと感じることがあるので、書き出してみます。

スタートアップの初期には、事業のスピードが大事なのでコミュニケーションコストがかからない組織が理想的です。「あうんの呼吸」が通じるチームで、高速運転するのはとても気持ちがいいです。そんな局面では、採用ミスを最小限に抑えるためにも「迷ったら採らない」で、ほぼ間違いない。

でも、創業初期の採用方針を変えないままで人数を増やしていくと、少しずつ組織は同質化して、既定路線から外れにくい組織になってきます。そこで、多様な視点を補う異能の採用や、非連続な事業成長を実現してくれるハイレベル人材の採用を求めるようになります。

その際、従来通り「迷ったら採らない」という過去の成功体験に基づいて、全会一致の採用を続けてしまうのが普通です。

でも、既存の人材とは異なるタレントを求めているのに、全員の賛成を必要とするという矛盾のために、なかなかOK人材を見つけることができません。

もしくは、仮に全員がOKを出せる人材を採用できたとしても、それは真の異能ではないので、事業の既定路線を変革する人材にはなり得なかったりします。

なので、採用の判断をする人が、自分よりも優れたタレントを採用する場合の「迷ったら採らない」の判断には注意が必要だと思います。自分を超える能力を持った人材のことは評価できない可能性が高いからです。

そんな場合には、外部の経験者などに協力を求めて面接や選考に協力してもらうなどでリスクを低減しつつ、最終的には、迷いはあるがリスクをとって採用をする意思決定が必要になってきます。

経験的に、特定のキーパーソンの採用においては、一定のリスクをとっていかないと、会社全体のスキルレベルが一定に収斂していくように思います。ものすごく能力の低い社員はいないけれど、突出した社員もいない、という感じの。超・居心地のいい組織になっていきます。

個人的には、組織にはすこしの毒みたいなものは必要だと思っています。それによるゆらぎや摩擦が組織を活性化していくから。逆に居心地が良過ぎる組織は最強に見えても、知らないうちに同時化が進んで、異質なものを受け入れにくくなっていきます。

事業の経営と一緒で、採用にも一定のリスクをとらなければ、非連続の進化はできません。
そして、組織を固めすぎないための設計も必要です…これはまた別の話なので次の機会に。

リスクをとって攻めるか、中庸でいいと考えるか…そこは企業のパーソナリティ次第だし、どちらもアリだと思います。

ですが、個人的には圧倒的にリスクをとることが大好きなので、リスク推奨で書いてます。あしからず😋 

写真=豪徳寺の招き猫さん。願いが成就した人が奉納していくので、ここには感謝の気持ちが詰まっています(2022年撮影byじぶん)

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